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所沢店
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Balance

投稿日:2019/11/20

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Photo by volvo , coordinator by yoko

 

 

 

写真てバランスだ。なんて稀に思ったりします。

でもコーディネーターである私がいうバランスっていうのは、もしかしたらカメラマンの方々のいうそれとは、もしかしたら少し違うのかもしれません。

 

もちろん、いい写真の要素(光、構図などなど)の中には言い方は違えどバランスは含まれるのだと思います。

 

インテリアの全体像、小物の配置、光の角度や量、そしてその中のどこに被写体を配置するのか。

被写体の数が増えれば増えるほど、配置する要素が増えれば増えるほどきっとバランスを取るのが難しくなっていくのでしょう。

そして、それを整えるお手伝いができるのがコーディネーターです。

 

ですが、私たちが撮っているのは物ではなく「人」です。これがものすごく重要。

ただ場所に配置することが「良」なのか。それはきっと「否」でしょう。特にライフスタジオでは。

私がここで語ろうとしている「バランス」というのは配置としてのそれではなく、カメラマンとコーディネーター、そして被写体達の心のバランスだったりします。

 

言わずもがな、コーディネーターとは被写体との心の距離が誰よりも近くなければなりません。

初めて会う子供たち(あるいは大人)と心の距離を限られた時間の中で近づけること。

お客様がご来店されてから撮影開始までの時間はおよそ15〜20分間が目安です。その時間の中でコーディネーターは撮影内容のご提案から衣装の提案と決定、お着替え、カメラマンとの共有を経て撮影に入ります。

つまり、ご来店から撮影が始まるまでに初めましての子供達と心を通わせる時間というのはとても限られているのです。

ではそれを「時間がないからある程度で」と区切りをつけるのか?否、そうでは決してありません。

カメラマンが撮影中にアンテナを張り巡らせているように、コーディネーターはお店のドアが会いた瞬間から心のアンテナを張り巡らせるのです。

兄弟さんだったのなら誰が一番最初に口を開くのか、その時の表情は、その後に続くのは誰なのか、そんな些細なところから全ては始まると私は思っています。

激しい遊びが好きなのか、言葉遊びか、教えてもらうのが好きか、教えるのが好きか。

撮影中に楽しんでもらえることを探すのもそこからです。

そんな小さなところから私を知ってもらうことが始まり、私を知ってもらった後は自分のことを少しずつ教えてもらいます。

 

そこで初めてコーディネーターと被写体のアンテナのチャンネルが合って心の情報が通い始めます。

それができているかできていないか、それがカメラマンに伝わっているかどうかが写真に直結すると私は考えています。

 

この写真の彼らは元気な3兄弟。でも、もちろんそれぞれの性格は違います。

人見知りもなく遊ぶのも上手な彼らは私とのコミュニケーションも最初からチャンネルが合っているように思えましたが、それぞれの性格の違いが私にはとっても魅力に思えました。

優しくしっかり者の長男、やんちゃでワンパクな三男。そして、はしゃぎつつも1人だと一番恥ずかしがりな次男。

兄弟というのは、当たり前のことながら一番上の子以外は一人でいる時間が一番少ないものです。

特に子供の頃はそれが性格にものすごく反映するのではないかと私はこの仕事をしながら思っています。

それは、子供時代の今しか見ることのできない「魅力」です。

「お兄ちゃんがいれば怖いものなんてないぜ!」というのは、今しか残せない感情そのものだと思います。

 

では、その「今」を写真に残すために被写体をどう生かすのか。

3人の被写体を「好きに自由に動いていいよ!」とするのか。これは正しくもあり、少し何かが足りない様な気もします。

被写体が「自由に」いられるように、アンテナで受信した情報を整理し整えサポートする。

コーディネーターの整え力が必要になるのではないのでしょうか。

被写体とカメラマンが自由でいられるよう力を発揮すべきなのが私たちコーディネーターです。

 

場所はホリゾント。インテリアがない分、構図としてのバランスをとるのは被写体自身になります。

被写体は3人。構図バランスを取る方法の一つとしては体を密着してもらうこと。

体を密着させて遊びを取り入れた撮影をするのは、私は彼らにピッタリだと思いました。

彼らは、1人でいるよりも3人で一緒にいる方が「らしい」と思ったからです。

1人1人の「らしさ」は、矛盾しているようだけど3人でいたときに一番発揮されると私は彼らと話す中でそう思いました。

 

ではここからはそれを伝わるよう残せるよう場を整えるのが私の為すべきことです。

と、偉そうに言葉を並べていますが、この写真自体は実は被写体である彼らから生まれたものです。私は最後にただ手を添えただけ。

 

何もない床に寝っ転がってもらうのは私とvolvoさんから彼らへの提案。

でも、そこで兄の上に乗り始めたのは彼ら自身からの提案。

兄から弟たちを降ろすのか?もちろんその選択肢もあったでしょう。

降りてもらって横に並んで撮ることも可能ですし、それでも彼らの楽しい表情や動きを残すことはできました。

でも、弟たちが兄の上に乗った時にvolvoさんから発せられた言葉は「それだ!そのまま!!」というGOサイン。

そして、私も「これだー!!」という全く同じ思いでした。

 

カメラマンとコーディネーターが思う彼らの関係性(バランス)、そして彼らが自分たちで表現してくれた自分たちの関係性(バランス)。

その2つが合致した瞬間がこれでした。

あとは、彼らが生み出したそれをカメラマンが写真に残せるよう少し形を整えるだけ。

 

 

この写真を彼らが1年後、3年後、5年後に見た時、一体何を思うでしょう。

もしかしたら、この時とはバランスがまた変わっているかもしれません。

そうしたら私はきっと、また彼らのその時のバランスをアンテナを張ってみつけるでしょう。

そしてそれを伝えて、カメラマンと一緒に残していきたいと、そう思うのです。

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