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所沢店
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「心の中で描くもの」

投稿日:2019/10/18

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Photographer:Satsuki kudo

coordinator:Yoko moriya

Write:Yoko moriya

 

 

子供の頃に夢中になったものはありますか?

この質問に「ありません」と答える方はほとんどいらっしゃらないのではないでしょうか。

 

例えば私だったらセーラームーンに首ったけでした。それこそ幼稚園の頃は友達と「セーラームーンごっこ」を毎日のようにしていた記憶があります。

(ちなみに私はあみちゃんが好きだったのでマーキュリーしかやりませんでした。)

 

 

写真の彼はとにかく電車に夢中。電車が好きな男の子、とっても多いですよね。

どこで覚えるんだろう・・・、と驚くくらい詳しい子もたくさんいます。

私は電車は西武線くらいしかわからないし、新幹線はドクターイエローとはやぶさくらいしかわからないので本当に尊敬します。

あ、あと山手線はわかります。

 

前日お誕生日だった彼は大きな袋に目一杯のプラレールを詰め込んでお店にやってきました。

ママさんが「好きなものと一緒に写真を残してあげたいんです」とお話してくださり、そんな素敵なことはぜひともやりましょうと撮影を進めました。

 

 

その時、その年の記録を残すこと。我々のやるべきことの1つです。

ただの記念写真ではなく、思い出を記録すること。

1年後2年後にその写真を見たときに、「あ、こんなこともあったね」と笑って思い出せるような記録を残す。そのお手伝いをすることが我々の為すべきことです。

 

 

しかし私の中には「その時好きなものと一緒に写真を撮る」という言葉通りの形しか浮かんでいませんでした。

きっと、まぁそれは間違いそのものではないと思うのですが、この写真を見たときにそれがいかに浅はかなものだったかと思い知りました。

 

この写真を見た一番の感想は「そう撮るかー!」という言い知れぬ感動。

そしてこの写真を見たときのママさんの感想も「こう撮るかー!」と全く私と同じ感想でした。

 

なぜ私がそのような感動を抱いたのか。

それは、ただ単にこの写真の技術的な部分だけではないでしょう。

「好きなもの(プラレール)」と「被写体(彼)」の関係性、その時の彼の想いが写真に描かれていたのを感じとったからこそのものだと思います。

 

きっと私がそう感じた肝は彼の目ではないでしょうか。

片目が隠れていることによってその真剣な眼差しが強調され、我々撮影者が彼の中からはとうにいなくなっていることがわかります。

 

そしてきっとこの表情は、彼と一緒に遊んでいるだけではなかなか見ることのできないものでしょう。

彼はカメラではなく自ら走らせた電車のみを見つめている。それを、彼と同じ視線で反対側から眺めているのが第三者である撮影者。

それが成立しているからこそ、彼のこの「今だけの姿」を写真に残すことができたのではないでしょうか。

 

(あとはもうたくさんあったプラレールの中からこの数の線路やパーツを瞬時に選び取り彼の動きを見る中でこの1枚を頭に浮かべたカメラマンの工藤さんに本当に脱帽。)

 

 

きっとこの時、コーディネーターの私と被写体の彼はリンクしているようで全く違うものを心に描いていたのだと思います。

私がこの時に求め生み出そうとしていたのは「いつもの彼らしい所動」、そして彼の心の中にあったものは「いつもと何ら変わらない」ということ。

似たように思えて、その気持ちの土台はきっと違うものです。

 

ですが土台がどう違くとも、被写体と撮影者の心の距離が近ければ必ず思いはどこかで交差しリンクするものだと私は考えます。

それをカメラマンは1枚の絵として捉え、瞬間を記録する。

たった1枚の写真ですが、ストーリーを感じる写真とはそのように作られていくのではないかと改めて考えることができました。

 

「心の中に思いを描く」。

これを忘れぬよう、コーディネーターとして日々向き合って行こうと思います。

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それは、出会う全ての人が生きている証を確認できる場所になること。
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