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所沢店
写真分析「私の想い」
投稿日:2019/9/19
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「いい写真」とは一体なんでしょうか。
ライフスタジオで働き始めてから、幾度となくこの問答を繰り返してきたように思います。
平行、垂直、四隅、露出、画角、等々。大前提として技術的なものがあるでしょう。
でも、忘れていはいけないと思うのはその写真にかける気持ちの部分、「想い」だと思うのです。
ではその想いとはいかにして写真に現れるのか。
これについてももちろんたくさんの議論がされてきましたが、私が思うに「被写体、カメラマン、コーディネーターの気持ちが合わさった時」に生まれるものではないかと思うのです。
私たちは普段カメラマンとコーディネーターが2人ペアになって撮影を行います。
コーディネーターがご家族とカウンセリングをし、カメラマンと内容を共有してから撮影に入るのが一つの流れです。
カウンセリングをしたコーディネーターが「どういう想いで何をやりたいか」があったのならば、それはカメラマンに伝えなければなりません。同時に、これはカメラマンにも同じことが言えるのではないでしょうか。
つまり私が思うに、カメラマンとコーディネーターは共通目的(認識)を持っていなければならないと思うのです。
2人してやっていることは同じでも、ゴールが違えば意味合いが違ってくる。といった感じでしょうか。
なので、コーディネーターは撮影前にカメラマンに自分が持っている被写体の情報をありったけカメラマンに伝えます。
「この子はこういう子で」「何が好きで」「私はこう思うから」「こう撮ってあげてほしい」。
この写真が撮られた日も私は同じようにカメラマンにそれを伝えていました。
しかし、実を言うと、私はこの撮影の時にカメラマンに伝えていない私の想いがありました。
それは、「あなたが思うように表現してみてほしい」という想いです。
この写真の撮影日は8月31日。所沢店のカメラマン、ヒロさんの最後の出勤日でした。
ヒロさんと出会ったのは2017年1月。同じ店舗で働き始めたのは2月からなので、約3年ほどの付き合いになります。
つまり私がライフスタジオで働き始めてからの時間はほとんどヒロさんと一緒に過ごした時間でした。
ヒロさんの退職が決まり、ありがたいことにその最終日にヒロさんとのペア指名をいただいていたので、その日は一緒に撮影に入ることが決まっていました。
正直、その日ヒロさんはいつもよりそわそわしていたように思います。そして何を隠そう、私も少しそわそわしていました。
1件1件気持ちを込めて、いつも通りをいつも以上に。
でも、その中で「何か残したい」という気持ちがなかったといえば嘘になります。
偶然というのは本当に面白いもので、その日最後に訪れたお客様はなんとヒロさんが入社して間も無く撮影練習で撮らせていただいた方だったのです。
ママさんがそれをしっかりと覚えていてくださっていて、そしてヒロさんもしっかりと覚えていて、「お陰様で今があります」とお礼を伝えてから撮影は始まりました。
ハーフ成人式。9歳の彼女には意志があります。
楽しい、けど少し恥ずかしい。そんな時期。
そんなお年頃な彼女の素の姿を残したい。
そして私は、それをヒロさんがどう写すのかを少しワクワクしていました。
私のやるべきことはとても単純です。
彼女がなるべくリラックスできるよう会話をし、衣装や髪の毛の乱れを整え、撮影空間が乱れないようアンテナを張り、カメラマンが最高のパフォーマンスを発揮できるよう務める。
そして、それは頭の片隅でカメラマンが何を撮りたいかを予測しながら行います。
私はこの撮影で、ヒロさんのライフスタジオでの集大成を見たいと、僅かながらに思っていて、そのサポートを全力でしたいと思っていました。
この写真のように、所沢店のこのインテリアで窓越しに撮ることは多々あります。
この撮影の時も光を見てから窓越しで撮ろうと思いヒロさんと私はセッティングを始めました。
そして彼女とお話をしながら外へ視線が動いた時、ヒロさんは「見つけた」といったような表情をしていました。
そして撮影が終わり、私はこの写真を見て、「あ、違う」と漠然と思ったのです。
もちろん先に述べたように水平垂直や光など、技術的な部分はもちろんあります。
ですが、まず目が奪われたのは彼女のこの表情でした。
会話の途中で何かを見つけたような。1枚絵なのに、前後のストーリーを想像させられるような魅力がありました。
「あ、これはヒロさん。すごい。」と、なんだか見せつけられたようにその時思ったのを今でも覚えています。
「75cutある写真を全て説明できるように」「途切れ途切れではなく、75cutをストーリーに」
ライフスタジオで働く人なら聞いたことのある言葉だと思います。
それを彷彿とさせるような1枚。
なぜ私がそう思ったか。それは、安定した構図の中に、カメラマンの意志を感じたからだとおもいます。
意志が通って、想いが通じ合ったからこそ生まれるもの。
それも「いい写真」をいわれるものの1つではないでしょうか。
彼女だったから。カメラマンがヒロさんだったから。そこに、想いがあったから。
実はこれは特別なことではなくて、ライフスタジオの撮影者は絶対に何かしらの想いを抱いて撮影をしています。
でも、この写真からはその想いが伝わってくる。
だから、この写真は「素敵な写真」なのだと、私は思います。
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