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所沢店
「繋ぐ」
投稿日:2019/6/20
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photo by Kudo , Coordinator by Yoko
久しぶりの写真分析です。申し訳ございません。またしても写真分析について悩む期間に入っておりました。
私が入社してからまず最初の写真分析は「写真の特徴をあげる」というものでした。
この写真はどういう時に撮られた写真で、どういう特徴があって、どういうところが良いかというもの。
それを数カ月続け、書くことに悩んだ時期がありました。
毎月書いている写真分析が、毎月同じようなことを書いていると気づいたからです。
そして悩み、volvoさんに相談し、その時得た答えのひとつが「コーディネーター目線の写真分析」を書くというものでした。
その時、すごく目の前が開けたことを覚えています。コーディネーターとして私がその撮影、その写真に懸けた想いを踏まえて1枚の写真を分析する。伝えたいことを紡ぐ。
私の書きたい写真分析に近づいた感覚がありました。
そして今、また悩むターンに入りました。それは、またしても同じことを繰り返しているような気持ちになったからです。
一人一人の被写体は違う。1枚1枚の写真は違う。なのに、私はそれに対して同じことを繰り返し書いているような気持ちになる。
もちろん根底の気持ちは違います。ですが、表現がうまくできず自分自身が同じループの中にいるような感覚でした。それでは、被写体とカメラマンに対して真摯ではないような気さえしてしまいます。
そして工藤さんに話を聞いていただき、改めて「私が書くべき写真分析」「私がコーディネーターとして考えなければならないこと」に向き合うことができました。
そのきっかけとなったのが、この1枚の写真です。
まずこの写真について工藤さんと話をさせていただいたとき、1つのキーワードが出てきました。「核心」という言葉です。
この子の75cutの原本の中で、工藤さんがカメラマンとして「核心」に迫った1枚というのがこの写真だとお話をしていただきました。
最初にそうだと聞いたとき、正直「それはなぜなのだろう」と思いました。(そして真っ正直に「なぜ?」と聞いたのは私です。笑)
結論から言いますと、そこを「なぜ?」と思ってしまった私はコーディネーターとして非常に未熟だと感じました。大変お恥ずかしく、大変申し訳ない。
まずコーディネーターは、カメラマンよりも非常に多くの時間を被写体ご本人とそのご家族様と一緒に過ごします。
その分、被写体との距離はもちろんカメラマンよりもコーディネーターの方が近いと言えるでしょう。
更に言えば、カメラマンは「カメラ・レンズ」という物理的な壁を被写体との間に挟んでいます。
言葉の通じる年齢のお子様なら言葉でコミュニケーションも取れますが、言葉のまだ通じない赤ちゃんとの撮影になればその物理的な壁は思っている以上に分厚いものになり得ます。
だからこそ、コーディネーターがいるのだと言っても過言ではないのかもしれません。
当たり前で、これまで何度も私自身が思ってきたことでもありますが、カメラマンと被写体を繋ぐのがコーディネーターであり、そのためにいるのがコーディネーターです。
そして、工藤さんがここで言った「核心」という言葉の意味。それは「被写体とカメラマンが繋がった瞬間」という言葉にいいかえることができます。
被写体とカメラマンは最初遠い距離から撮り始める。そして、徐々に距離を詰めていき最後に寄り写真を撮る。
流れを言葉に出して言えばよくとる流れであると思います。
しかしその流れの中で、カメラマンと被写体が繋がる瞬間。そこに「核心」があるのだと教えていただきました。
目線然り、被写体との距離然り。カメラマンの中に被写体が入り、被写体がカメラマンを自分の中に入れてくれた瞬間。
比喩的な言葉に聞こえてしまうかもしれませんが、この言葉は私にはとても腹に落ちるものでした。
その言葉を踏まえたうえでこの1枚の写真を見る。「繋がる」ということはこういうことを言うのだと、ものすごく伝わってくる1枚でした。
ただ1枚の写真の見える部分を考えるだけではなく、被写体と自分、そしてカメラマンの背景と想いを考えること。それが今私が考えるべき写真分析の1つの答えなのではないかと考えさせられるものがありました。
そして何より、「繋ぐ」ということは私がコーディネーターとして改めて意識しなければならない部分だとより考えるきっかけになりました。
私に悩む機会をくれる環境、そしてそれに対してヒントをくださる周りの方々。いつも感謝することばかりです。
そして今回そのきっかけをくれたのがこの1枚の写真でした。
なぜ写真分析を書くのか。なぜこの写真で写真分析を書くのか。
また悩むことがあるかもしれません。いや、私のことですからきっとまた悩むでしょう。・・・恐らく。
ですがそのたびに、その1枚の写真に込められた想いを汲み取り伝えられるよう、悩み続けていきたいと思います。
悩むということに、一つの意味があると私は思うのです。
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