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所沢店
私から彼女に伝えたいこと
投稿日:2018/12/28
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彼女はとても明るい子でした。
ママとおばあちゃんと、8歳の妹と一緒に私たちの元にやってきて、初めましての時は彼女は着付け室の椅子に座って少し緊張気味にこっちを見ていました。
彼女が今回ライフスタジオ所沢店を訪れた理由は「ハーフ成人式」の撮影をするため。
ママとおばあちゃんが所沢店のホームページを見て、「女の子の記念は七五三で終わりじゃないんだ!」と思ってくださり、ご予約をくださいました。
少し緊張しているのかな?と思い何気無い会話からコミュニケーションを取り始めると、彼女が実はとても活発な女の子だということがわかりました。
そして彼女から、「今日をとても楽しみにしていたの!」という言葉をもらいました。
余談ですが、私がお洒落やらお化粧やらに目覚めたのは高校2年生の時です。それまでは、ええ、全く興味がありませんでした。
でもというかやはりというか、最近のお子様たちは本当に目覚めるのが早いんですね。幼稚園の時にはママのお化粧に興味を持ち、小学生にもなれば自分の服は自分で選ぶという。
でも、学校にはあまりスカートが履いていけない。そんな声も多く聞きます。
だからこそライフスタジオに来た時に、「普段とは違う自分になりたい」「好きなことをやってみたい」という思いを持つ子供達がたくさんいるのだと私は思っています。
彼女も例外ではなく、本当はスカートやヒラヒラキラキラが好きなのだけど普段はなかなかそれができないと教えてくれました。
ふむ。では今日は彼女の夢を叶えようではないか。コーディネーターとしての腕がなります。
そして私は彼女に1つ相談をしました。
「今日はどんな写真が撮りたい?」
おもむろに投げられた質問に当然彼女はキョトンとしていました。
なぜ私がこのような質問をしたのか。それは彼女が楽しみにしていたという今日の撮影を私のエゴで終わらせたくなかったからです。
きっと彼女にはやりたいことがあるはず。私はそれをサポートして、整えて、一緒に写真に表現したいと思いました。
少し考えたのちに彼女は「お姉さんみたいな、綺麗な写真がいい」と教えてくれました。
「じゃあ一緒に考えてつくろうか」。そう言って衣装選びが始まりました。
今回の基盤となるイメージは大きく分けて二つ。「大人っぽさ」、そして「美しさ」です。
彼女と話す中で、彼女はそこへの憧れを強く持っているように思えました。
そこで私から彼女にまず提案したのは、大人らしさを強調したパンツスタイルと可愛らしさを強調したワンピースでした。それぞれの魅力を伝えると彼女は迷わずワンピースをチョイス。
次に私のすべきことはこのベージュのワンピースに何をどうアレンジして「大人らしさ」を混ぜていくかです。
ここでは迷わず大きめのジージャンをチョイス。これには理由が2つあります。
1つはワンピースだけでは甘すぎるので今回のコンセプトとは離れてしまうからということ。あまり濃い色は入れたくなかったので所沢店にある140cmのジージャンは今回最適でした。
そして最大の理由は、私が思う彼女の魅力的な部分にあります。そう、彼女はとても足が綺麗だったのです(と、書くと何か誤解が生じそうな気もしますが。笑)。
足が綺麗だな。このワンピースだったらブーツ系のヒールでもいいかも。その魅力を消さないようにしたいから、やっぱり衣装はなるべくシンプルにしたほうがいい。
そういった考えから今回のコーディネートが固まりました。
「伝える」ということなどんな時でも大事なことです。
これは、私がAnotherMeの撮影でヒロさんとペアを組んだ時に学んだことでもあります。その時にヒロさんは私に「被写体ともイメージを共有して取り組みたい」ということを熱が篭った感じでお話をしてくれました。
そして、私はその撮影でそれを実感しました。
だからこそ、それを実践していきたいと思っています。
「伝えて」「考えて」「共有して」「握り合って」「実践する」。
それは被写体ともそうですし、カメラマンとコーディネーターの関係でもそうです。
私はこの子の魅力はここだと思う。彼女とはこういう話をしてこれを作りたいと思った。だからそれをするにはどうしたらいいかな。
それをカメラマンに伝えることによって、初めて全員で1つのものを作ることができます。
今回ももちろん私はvolvoさんに彼女とどのようなやり取りをして、彼女の好みはどういったもので、私はどうしたいかをお話ししました。
そこで強調した彼女の魅力の1つは「そばかす」です。
彼女の目元にはうっすらと少しのそばかすがあります。それがね、可愛いんですよ。とっても。端的に言えばチャームポイント。これは彼女らしさの1つだなと瞬時に思いました。
あなたのそばかすはとても魅力的よ、そう話すと彼女は少し恥ずかしそうに「そうかな、本当はあまり好きじゃないの。外で遊びすぎちゃったのかな」と話してくれました。
うん、その気持ちももちろんわかる。何を隠そう、私の顔にも沢山のそばかすがあって、あまり好きではない。だから彼女の言うことはすごくわかる。
でも、なんていったらいいのかな。あなたの白い肌にうっすらと見えるそのそばかすは、絶対にあなたの魅力だと思うの。
言葉ではうまく伝えられないからこそ、写真で「気にすることなんかないのよ!」って伝えてあげたいと私は思っていました。
そして、volvoさんがその私の気持ちを本当に素敵な形で表してくださいました。
撮影時間は遅く自然光はない。所沢店の奥のインテリアで本棚の光を背景に。
少し顔を伏せて傾けることにより、完全な逆光ではなく彼女の輪郭がわかるように少し当てる。
巻いた彼女の長い髪はその光を遮らないよう少し片側に寄せ、前髪はあえて少し乱れ気味に。
片目を少し隠すことによって彼女の表情が強調されます。また、彼女の表情から、彼女が今何を考えているかを逆にこちらに考えさせるような、ある種のメッセージ性が生まれます。
また、この1枚に関して言えばコーディネートの重要部分はメガネというアイテムを加えたこともあります。
しっかりとメガネをかけるのではなく、少し低めに。
年頃の女性特有のふっくらとしてほっぺたを少し隠すようにかけます。この理由の1つは「女性らしさの表現」に付随します。
また、この写真を目にした時に、見る側がメガネに視線を向けた時に彼女のそばかすにも気づくはずです。
Volvoさんの素晴らしい露出調整により私の伝えたかった魅力の一つがしっかりと写真の中に写り、存在を演出してくれています。
ほらね、隠すことなんてないのよ。こんなにあなたは綺麗なんだから。
私がこの写真を通して誰に彼女の魅力を伝えたかったか。
それは被写体である彼女自身に他なりません。
「あなたにはこんな魅力があって、こんな女性だと私は思うのだけど、あなたはどう思う?」
この写真が、私が彼女にする今回の最後の問いかけです。
この写真を通してその問いかけができるのは、この写真を作り上げたのがカメラマンとコーディネーターだけではなく、被写体の彼女自身であるからだと思います。
被写体を把握し、なおかつそれを共有する。被写体把握に勝るものなし。
どんな撮影でも、それを忘れてはいけません。
やっぱり、コーディネーターというお仕事に果てはないですね。
伝え続けることを、これからも忘れないようにしていきたいです。
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