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所沢店
聞こえる
投稿日:2018/8/20
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撮影の順序として一番初めにしなければならないこと。それは「被写体把握」だ。
もちろん光やインテリアも言わずもがな大事だが、一番初めにという点で言えばやはり「被写体把握」ということになる。
この被写体把握については以前にも写真分析で書いたことがあるが、何かが伝わってくるような写真を見ていると、やはり被写体把握が十分に為されているのだということがわかる気がする。
その子の魅力は何か、それを把握し、引き出して納めるために常にアンテナを張る。
無理にさせるのではなく、流れの中で自然と「そうなる」。
そして、それを逃さない。
この1枚を見ているとまるで声が聞こえてくるようだと思った。
この子を見るのが初めてでも、この子がどんな子なのかが伝わってくるような気がする。
電話、靴、帽子。これから起こる何かにワクワクしている。
電話が鳴るのかな。それとも靴を履いて立ち上がるのかな。あれ、帽子が落ちてしまったよ。
きっとハプニングだったのだろう。彼の表情が物語っている。
椅子に普通に座るのではなく足を上げている。きっとこれも「彼らしさ」なのだろう。表情等と彼のその体制もリンクしているように思う。
この写真が魅力的な理由の1つ。
それはこの1cutだけではなく、前後の写真も気になるということが上げられるのではないだろうか。
どうしてこうなったの!?この後どうするの!?
そういったワクワク感を見ている方にも与える。彼のことが気になって仕方がなくなってしまう、そんな1枚だ。
もちろんこの一瞬は全てを狙ってできるものではないだろう。ある程度を言葉で誘導することはできても、実際にどうなるかはその時々、そして被写体によって違うのだ。
しかし、だからこそ被写体把握をし、あらゆる想定をすることが大事なのである。
この子のことを、これまでのこととこれからのことを想像させる1枚。
自分が撮りたい写真像がハッキリとした気がする。
「自由な写真」というのは、ある意味ではこの写真のようなものを指すのではないかと思った。
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