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ONE LIFE
投稿日:2017/4/16
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汚れた僕の鏡で 写せるたった一つの
偽物じゃない光 キミは僕の光
ONE LIFE / the pillows
偽物じゃない光 キミは僕の光
ONE LIFE / the pillows
先日、日が傾いてきた時間にあるご夫婦がご来店されました。
以前お電話で「夫婦の写真を撮ってもらいたい」とお問い合わせをいただいた方です。
きっかけは娘さんの紹介。「しっかり写真を残しておきたいと思った」とのことでした。
緊張した面持ちでお二人は来店されました。すごく上品なお母さんは「すみません、ご迷惑をかけます」と繰り返し口にされ、お父さんはスタジオに足を踏み入れた時から「最期の写真だけ撮れればいいんだ」とおっしゃっていました。
以前に私がいたスタジオでも最期の写真を撮りたい、とご来店される方は少なからずいらっしゃいました。そしてその撮影は、どうしても両者ともに緊張感が漂うものでした。そして、正直、私は今回も例外ではありませんでした。
いざ撮影が始まりカメラを目の前にしたお父さんはすごく緊張した面持ちでレンズを見つめます。せっかく明るい写真を残したいとおっしゃって来ていただいたのに、私ではまだお父さんの心と通じ合えない。咄嗟に私からでた言葉は、「お父さん、お母さんの顔を見て!」というもの。
お父さんとお母さんの目が合った瞬間、お父さんの顔がほころびました。
ライフスタジオに来てから「結婚しません」宣言をしている私ですが、この時ばかりは本当に「ああ、夫婦って素敵だなぁ」とひしひし感じました。
お父さんとお母さんのお一人撮影を終え、ご提案。「お二人でお写真撮りませんか?」
所沢店のベランダにあるベッドに座り、寄り添って、肩を抱き合う。すごく恥ずかしそうなお母さんを抱くお父さんの手はとても力強く見えました。
撮影中に教えていただいたのは、お二人の出会い、結婚、家族、人生の過ごし方。ああ、本当に二人で生きて来られたんだなと。寄り添って生きてきたから今があるんだなと思いました。
お帰りの際にお父さんから言っていただいたお言葉。「毎日あんたに会いに来たい。」
会いにきてください。待ってます。お母さんも、またお茶を飲みに来てください。待ってます。
私は写真が好きです。「写真」というツール、手段がなければ、お二人に会うことは一生なかったでしょう。
その時々、一瞬だけでなく、その人たちの築いてきた歴史も残せる。私はそんな写真が好きです。
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