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少年っぽさ

投稿日:2022/5/31     更新日:2022/6/1

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Photo & Write by Natsuko Takagawa

Coordi by Tatsuhito Goto

 

1年生になる男の子でした。

コーディネーターで入ってくれたごっちゃんを息で吹き飛ばしたり、大声対決も楽しんで遊んでくれる可愛い男の子。でも、自分の中のかっこいいキメ顔もあって、時たまちらりとクールに微笑んでカメラを見つめてくれる時もありました。

「かっこいい」への興味があり、小さくてかわいい男の子から少年になるところなんだと思いました。

 

その少年っぽさをどう残そう。

無邪気に遊ぶ姿も残していたので、最後はガレージでかっこよく撮ろうと決めていました。

なるべく固めないようにと寄りかかれる場所にして、ギターも渡し、ギターにも体重をかけれるようにしました。

 

少年っぽさの要素としては、逆光で被写体のシルエットを光がなぞりつつも、明るいイメージというよりは影のほうが印象に残るような少し暗い露出に設定しました。

 

また、奥から手前にかけてだんだん暗くなる光の層も意識しつつ、金属のアーチを前ボケに入れることで、反射した光が手前に入り、より立体感を出ました。寄りかかっている場所と平行になるように左側に大きくアーチの縦線部分が入っているため、画面全体としてのバランスも取れたように思います。

 

表情というよりは、この場所、この光、このコーディネートで少年っぽさを表現したかったため、全身が写り、かつ余計な物は写らないフレーミングを意識しました。


 

最後はシャッタータイミングです。それこそ、かっこよくだから伏し目で無表情のときかなと考えていたのですが、ごっちゃんと楽しく話しながらリラックスして、足をおろしたりあげたり、ギターをゆらゆらと動かしながら、静かに笑う姿を見てパシャリ。

自然体で遊んでくれる君が魅力的だから、残したいのはそんな今の君だから。


 

イメージを膨らませると、つい固めてしまいそうになる私に良い意味でブレーキをかけてくれたごっちゃんと写真の男の子。目の前の子の魅力を、適切な表現で美しく残せるように。人と接することと、技術と向き合っていきたいです。
 

なぜ固めずに撮りたいかは、自然な瞬間にこそその人の美しさが出やすいからで、なぜさらに美しく表現したいかは、写真を見たご家族がその子やそのご家族の今までやこれからを感じられるものを渡したいから。写真には見た目の記録だけではない力があると信じているからです。

人と向き合い技術を高めたいのも、その力をきちんと発揮するためです。

そのためにも、これからも課題にしっかりと取り組んでいきたいです。

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それは、出会う全ての人が生きている証を確認できる場所になること。
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