Photogenic
所沢店
宿るもの
投稿日:2020/4/28
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Tokorozawa Photo
Photographer : Satsuki Kudo
Coordinator : Aimi Curnew
Written by Aimi.
「写真分析」
なんとなく、先輩がやっているものを読んでいた。
それは写真が宿す魅力や、事象を、言葉で記す不思議な読み物で、ついつい読みふけってしまう。
自分もいつかは書きたいな、なんて思いながら、独り立ちしてしばらくたって。
でもまったく文章なんて浮かばない。
でも、この写真をデスクで見た時、当時の記憶がすっとよみがえってきて、彼の宿す、子供らしくて、愛おしい、キラキラしたもの。
私のこの気持ちを書き記したいと思いました。
小学校の入学記念でやってきた男の子、
カメラマンとして一緒に入ってくださった工藤さんは、二年前に袴姿の彼を撮っていました。
私はデビューして二週間もたっていなくて、毎日が勉強と反省の日々。
子どもたちと接するのが楽しくて、でもぜんぜんうまくなんてできなくて、当時も苦いと思っていたし、今振り返ってもにがくてたまらない記憶ばかり。
そんなあるひの、夕日がさすほんの少し前に、彼は来てくれました。
おじいちゃんとおかあさんと来た彼は、なんとなくこの場所を覚えているようで、場所も人もあんまり警戒していなくて、
年頃らしい恥ずかしさと、優しさ、好奇心が、その宝石みたいな目からキラキラと光っていて。
いざ撮影が始まって、ランドセルをもってホリゾントに立つ姿は、ときどき不安そうに、でも楽しそうにカメラの前で素直な表情、動きを見せてくれました。
まず、すぐに、一緒に写ったママのこと、そばで見守るおじいちゃんのことが、とっても大好きなことが伝わってきました。
着替えて、幼稚園のバックをもった姿。
カジュアルな服から手足がすらりと長く伸びていて、靴を履く姿が大人っぽくて、
入園記念で来てくれる子供達も多い今日、ついつい比べてしまって、
幼稚園という場所で過ごした時間、月日の大きさをずっしりと感じました。
「お姉さんの手伝いしてくる!」
そんな声が聞こえて、衣装室に駆け込んだきた姿。
その好奇心と、人懐っこさ、優しさ、すべてがぎゅっと詰まった宝石みたいな目が、本当にきれいで。
家族と会話をしている時の、穏やかながらも垣間見える、年頃の男の子らしい照れ笑い、声。
彼がどれだけ愛されているか、彼がどれだけ家族のことを愛しているのか。
その瞳から、あふれんばかりの輝きとなって、私に教えてくれました。
リビングスペースへと足を踏み入れて、すぐにライフくんに抱き着いていたよね。
なんとなく組み合わせた、白のカーディガンと赤色のTシャツに、黄色のニット帽は、
素直で、穏やかな君がときどきみせる、溌剌さ、男の子らしさ、周りが明るくなるような存在感を象徴してくれているみたいで。
控えめに頬杖をついてこちらをむくポーズは、ちょびっと天邪鬼な一面が見える気がする。
でも、その瞳はこちらをまっすぐに射貫いていて、
好奇心と、期待がキラキラと輝いている。
お姉さん、と呼んでくれたあの時間。まっすぐに、素直にみてくれるその瞳。
落ち込んでいたばかりの私にとって、あの日の君の、無邪気で、素直で、天邪鬼な姿は、
忘れそうになっていた、入社初日、一番初めに感じたワクワクを思い出させてくれて、
この仕事の「喜び」を感じさせてくれた。
一緒に過ごせたのは、二時間程度の時間だけれど、きみからもらった力と、喜びは、今も私のエネルギーで、やりがいです。
卒園おめでとう。
入学おめでとう。
もしまた会えるなら、私自身も成長した姿で、絶対に君と会いたいな。
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