Staff BlogOmiya

Soo
大宮店

Soo

鈴木 亮平(スズキ リョウヘイ) @soo1990
1990年生まれ福島県いわき出身の日本人カメラマン。1998年ゲームボーイカセット「ポケットカメラ」で写真活動を始め、日常風景撮影と写真集制作の趣味をもつ。2012年ライフスタジオ大宮店入社。本格的に写真を生業にする。同年からライフワーク「SAQ」鳥取砂丘での作品撮影を始める。2015年に日本人一般女性と結婚、2016年に長男が誕生。同年より大宮&代々木店で店長を務める。

#341 素直なポージング

2018/9/28

471 0

私たちは、撮影をするときにポーズを演出しなければならないことが多い。

これらのポーズの演出は撮影スタイルに関係なく、必要でほとんどの撮影者が持つべき不可欠な能力のひとつだと思う。

ポーズを演出するときにどのような部分が重要だろうか実践してみた。

姿見鏡にうつる自分の像を操るように、さまざまな方法でポーズをとってみて、どのような動作が重要な動作であるのかを体で感じてみる。通勤では電車を待つ人、座席に寄りかかる人を見ながら、パーソナリティによってまるで立ち方も座り方も違うことを気付かされ、その姿から性格さえも想像できてとても有意義だった。

 

ここのところそんな「ポージング」というテーマを頭に置きながら撮影をしてきた。

その中で感じたことのひとつとして、一つ一つのポージングの提案と指示は、まず先立って被写体のパーソナルな部分を把握できていないと、いくらポージングの型が良くとも、被写体の美しさからは遠ざかってしまうということ。

だから、はじめに被写体について何となくの決めつけをしてみる。

彼女の場合は、来店したときから撮影はじまるまで、緊張とぎこちなさをお互いに感じていた。また一人娘であるため、姉妹撮影のように緊張感は分散させられない。彼女だけに視線やカメラが向けられるという状況は緊張感を助長する。さらに撮影でモデルとして指示通りできるかなという不安や、上手にポーズしようという意気込みからくる緊張感だろう。さらにカメラマンやコーディネーターがどんな人なのか分からないのだから、慎重になるのは仕方がない。

 

その状況で「私とあなたがどんな人なのか」を知り合うために、私にできることは「素直な撮影」をすることだけだ。

ちょっとした会話やアクションのキャッチボールをしながら、嘘のない素直な感情をぶつけ合う。そうしてお互いを何となくどんな人なのだろうかを具体的にしていく。

日常生活では、寡黙でまじめでつまらない私は、なぜだか撮影では偽りなくおどけられる。

どんな人でも心から楽しいことをしているときというのは、人は乱れてバカげたことばかり思いついて、ついついハメを外してしまうものだ。撮影という空間は、ときにハメを外してしまうくらい乱してしまったほうがいい。

 

彼女の緊張感を解いて、新たな姿を出現させるためには、とびきりバカげたことを一緒にやってくしかなかった。そうして内側から出てくるものが垣間見えたときに、彼女から生まれるポージングに出会えました。

 

小一時間の緊張の波を楽しみながら、出会えた物語を想像させる一枚。

さまざまなインテリアで撮影をしていく中、その移動途中にふと呼び止めた瞬間。

思わずはっとするほど、生き生きしていて、こちらがドキドキする。

視線と身体の向きが変わるだけで微妙な表情が表れ、ドラマが始まるようだった。

そうして生まれたポージングは、開放的でわだかまりのない、素直でのびのびした表情をしていた。

それは、彼女の中の緊張の糸が切れた瞬間であり、子供らしい自由さが表れ出た瞬間。

 

Photo by Soo 

Cordinater by Tomiki 

in Lifestudio Yoyogi

この記事をシェアする