Photogenic
所沢店
いつか思い出せるように。
投稿日:2024/6/18
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Photo&Write by Yoko , Coordinator by Narumi
初めて歩いたその日の事を覚えていますか?
私は覚えていなくとも、父と母は覚えていました。
1歳になっても自分で歩かず、「あっこ」と言えば抱っこしてもらえると思っていた私。
ペタンと座り手を伸ばせば誰かが手を貸してくれると齢1歳で悟っていたらしく。
ご近所では「ようこちゃんがいつ歩くか賭けようぜ」と賭けの対象になっていたらしい。
そんな私が初めて自分で歩いたのは1歳6ヶ月だったそう。
赤ちゃんながらに何か悟ったのでしょうね。もうそろそろやらねばならんと。笑
私が初めて歩いた姿を見て父と母はそりゃあもう涙を流して喜び・・・ではなかったそうで、「やっとかよ(溜息)」だったそうです。
その時の記憶は当然私には無く、ただその話を聞くと家族全員が懐かしみ笑顔になります。
自分が初めて歩いた記憶がある人はいないでしょう。
でも、それを懐かしんでくれる人が周りにはいるのではないでしょうか。
誰かの手を借り、支えてもらいながら、膝を伸ばして一歩を踏み出す。
誰もが自分だけではなかったはずです。
そのそばには、お父さんだったり、お母さんだったり、お姉ちゃんだったりお兄ちゃんだったり。
覚えてはいないけれど、家族に支えられて立つことができたその日が誰しもあったはずです。
その記憶は必ず心に残ります。そして私達撮影者はその記憶を写真に留めることができます。
明確な指示は立ち位置のみ。
「立ってみますか?」とだけ声をかける。
あとはお母さんとお父さんが自然に手伝ってくれる。
さもそれが当然のように父と母に手を伸ばし、自分の意志で膝を伸ばしていく。
私はただそれを俯瞰して覗き見るだけ。
撮影者の存在が一番いらないものだと思いました。
いつかこの写真を見ながら思い出してほしい。その日を想像する。
未来を想像して、今、シャッターを切る。
想いばかりが先行してもいけないのかもしれませんが、やはり想い無くして記憶に残る写真は撮れないのではと改めて考えるきっかけとなりました。
この瞬間を残すことに携われたことに感謝です。
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