Photogenic
所沢店
「まなざし」
投稿日:2024/2/27
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Photo by Yoko , Coordinator by Goto
生まれて初めてわくわくした日のことを覚えていますか?
私はもちろん覚えていません。
小さなころの記憶はいくつかあるけれど、生まれて初めてと限定すると、やはり自分では覚えていませんし、もしかしたら家族も覚えていないなんてこともあるかもしれません。
でも、もしそれが写真に残っていたら。
そんな素敵なことを考えてみたら、それこそわくわくすると思いませんか?
私たちカメラマンはその子の「今」「瞬間」を残そうと日々研鑽しています。
しかし、カメラマンができるのはその瞬間を見逃さずにシャッターを押して記録することです。
わくわくさせてあげることができるのは、カメラマンよりも被写体と遥かに心で繋がっているコーディネーターです。
もちろんカメラマンが撮影中にアプローチをかけることもありますが、こと私の場合は存在が強すぎて、写真に私が表れてしまします。良し悪しです。
私が好きな写真は、その写真の中に私という存在が見えない写真です。ええ、本当に私の性格というか人間性は良し悪しです。
この写真の素敵なところは、この子の表情と感情が見る人に一目で伝わるところと、そこに私というカメラマンの存在がないところではないでしょうか。
もちろん私はカメラマンとして光・インテリア等の選択をしています。
ただ、この撮影の要はカメラマンではなくコーディネーターです。
カメラマンと同じく光を把握し、カメラマンの選択した画角を想像し、被写体である赤ちゃんの感情を誘発している。
お顔の角度が少し違うだけで、黒目の位置が少し違うだけで、この写真はまったく違うものになったと思います。
さすがです、後藤君。
もちろん、顔の角度や黒目の位置だけではありません。前述したように、肝になるのは感情の伝わる表情です。
何かに期待している、わくわくしているこの表情。そして、被写体の彼がまわりにその感情をシェアしてくれるような関係性と空間。
この1枚を撮るために前後があったのではなく、あくまで最中の一瞬。
カメラマンという存在がこの中にないからこそ、それが伝わる1枚となったのだと私は思います。
もちろん、彼が人生で初めてわくわくした瞬間はこの時ではないかもしれません。
もっと前にあったかもしれないし、もしかしたらこれはすべて私の勝手な想像で、この時はわくわくしていなくてもっと別の感情なのかもしれない。
それでも、この時この瞬間を写真として記録するお手伝いができたことを、私は嬉しく思います
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