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「母になる」

投稿日:2023/8/17

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姉が母になる。

 

妊娠の報告をしにきたときの姉は少し緊張していて、報告を聞いた父母の喜びようと言ったらそれはもう忘れられない。

父が普段なら絶対にしない皿洗いを急に始めたくらいの大事件だった。笑

 

幸いつわりもそこまで酷くはなかったようで、母子ともに健康順調。

私自身、お仕事で妊婦さんと関わりあうことは多々あったけれど、身近なところにずっと妊婦がいる経験は初めてで、なかなかにドキドキしながら毎日を過ごしている。

 

妊娠初期に、姉に「マタニティフォト撮ろうか」と提案したときは、まぁ彼女は乗り気ではなかった。

「まぁタイミングが合えばね」なんて。

 

女性というのは本当に不思議で神秘的。

姉のお腹が大きくなるにつれて、目に見えるように姉には母性が芽生えていった。

日に日に大きくなるお腹を撫でながら、まだ決まっていない名前をいくつか呼んでみたり。

「お母さんの声は聞こえているんだって」「今緊張してるみたい」「今日も元気ね」なんて。

自分のことをお腹に向かって「ママですよー」って言ったときは、ちょっとゾクッとした。

だって、ほら、姉を知っているから、ねぇ。笑

 

でも、そんな姉を見て、この人はもう母になるのだと、少し寂しい気持ちも抱いたりした。

 

出産を3週間後に控えたある日、姉の方から「マタニティフォトのことなんだけど」と声をかけられた。

どういう気持ちの移り変わりがあったのかはわからないけれど、どうやら自分でも撮りたいと思ったようで、私は恐らく最初で最後の姉のマタニティフォトを撮ることになる。

 

姉にとってマタニティフォトというのはお腹の子供との記録。主役はお腹の子供だ。

でも私にとっては少し違った。

もちろんそれもある。もちろんあるとも。

でも、私は姉の今の姿をしっかりと残したかった。

母になる前の、一人の女性としての記録。

これはある意味私の意地だ。彼女の妹としての悪あがきだった。

 

私の知る、34年間一緒に生きてきたからこそ知っている姉のイメージ。

あんたはこういう人でしょ、という、決めつけのような。

普段だったら当然NGでしょう。でも、私が撮る姉なので。

私の知る、36年モノのあなたの姿はこれです、と。

 

感慨深いというか、なんというか。

とても不思議な感覚。

 

 

来週、姉は母になる。

そして私は叔母になるわけです。

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