撮影ってパズルみたい。

インテリアというベースがあって、被写体・光・衣装・小物エトセトラ、たくさんのピースをコーディネーターが持ってきて、その日のベースに散りばめる。

それをカメラマンとコーディネーター、被写体で組み立てていく。

 

季節や時間、被写体の性格やコンディションなどによって、どんなパズルになるかは変わっていく。

もしかしたら途中で完成形が変わるかもしれない。

 

まっすぐ完成させるのか、それとも寄り道をしてみるのか。

普段だったら角に入れるピースを、あえて一回真ん中に配置してみるのもありかもしれない。

なんとなく、撮影ってパズルみたい。

 

私という人はなんでもまっすぐ完成に向かいたがる。

この光ならこう、この場所ならこう。完成を決めて撮る。形を決めて撮る。動かすという冒険を避けがち。

 

でもこの日はなんとなくいつもと違った気がする。

ベースはしっかり、でもピースはバラバラに。私の意思は最小限。

そこにいる人たちが動きやすいように。被写体が興味の向く方へ。

私の集中は目と頭に。被写体の動きを誘発しつつも、世界観が崩れないように。

 

この写真を撮るとき、私の頭の中で色々なピースが動いていた。

普段の私というピース。自店舗の他カメラマンならどう撮るか、というピース。

私だからできること。たくさんのピースをかき集めて取り入れること。

その中から、この時のパズルを組み立てる。たくさんのことを考えていたけど、頭の中がシンプルだったのを覚えている。

 

もっとこうしたい、ここがもっとこうだったら。そういう思いは常にある。

でも、私の頭の中に確実に新しいピースが増えた瞬間のこの写真。

このなんとも言い表せない感覚を忘れないようにしたいと思う。

 

 

Photo by Yoko

Coordinator by Miyazaki