Photogenic
所沢店
toi et moi
投稿日:2021/2/28     更新日:2021/2/28
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Tokorozawa Photo
Photo: Satsuki Kudo
Coordi: Yoko Moriya
あなたはbaby。
わたしはカメラマン。
だけど、それ以前に大切なことは、
あなたは「あなた」で、
わたしは「わたし」だと言うこと。
役割という殻から出て、
「人」と「人」とが出会い、繋がる場所。
それがライフスタジオだと思います。
ライフスタジオの撮影では、「その人」自身を写そうとすることを重要視しています。
そのために、私たちは来てくださるお客様とその時にしか、私たちでしか生まれない関係性を作ろうと努力し、目の前にいる人たちを見つめ、手を伸ばし、「何か」に触れようとしているのかもしれない、と思います。
その「何か」の要素は、これといった確証がないまま手探りで自分自身の「考察」と「解釈」と「予想」から「推察」し、投げかけまた「何か」のかけらを得たような気になり、また同じことの繰り返しをしながら、「何か」というものを写真で表現していくことなのかなと思います。
文章にしてもなかなか整理がつかないものですが…、その「何か」の要素を簡単に言葉で表現するなら「その人」自身の事なのかなと思います。
一言で「その人」自身と言っても、色んな側面があります。
私という人間を一人例にとってみても、「ライフスタジオのスタッフ」ですし、「ライフスタジオ所沢店の店長」ですし、「さっちゃん」ですし…。その前に「女性」であり、誰かの「娘」であり、誰かの「仲間」であり、誰かの「友達」であり…。その側面は、私と出会った場所・時間・役割・関係性によって異なって見えるのですが、それでも私は何人もいるわけではなく、たった一人の「私」でしかないわけです。
様々な側面があるということは、私自身がその時々や場所によって様々な役割があるわけです。その時々によって、自分が果たすべき役割を演じ分けているわけです。
学校・部活・恋愛・仕事・趣味、
それを意識的におこなっていたことはおそらくありません。なぜならば、私はおそらく子どものころから無意識に演じ分けを行っていたのかもしれないからです。
もしかしたら人は皆、そういう役割を場所と状況に適して演じながら生きてきているのかもしれません。
だから他者にもそういうフィルターを通して見てしまいがちです。
撮影においても、「スタッフ」と「お客様」として立場が違うと感じてしまいがちですが、ライフスタジオではできるだけその垣根を超えようとしています。
「スタッフ」と「お客様」から始まりますが、共に撮影という場を作っていくうちに、お互いをたった一人の人として見始めます。そうしてファミリーと呼ばれる関係性を作ろうとしますが、その過程は写真に現れてきます。
役割の垣根を超えようとすると、目の前の人を唯一無二の人として見るようになるので、写真に写ったその人の表情の機微を見逃さず写すようになります。
それが写真の深さをうむ要因になり、その人自身を写すことに繋がってくると私は思います。
通常、それは言葉が通じる被写体に対してだと思われがちです。言葉は最も明確に意思表示ができ、具体的に感情が伝わるからです。
大人、キッズ、ジュニアだと確かに言葉でのコミュニケーションが取りやすいのですが、まだ言葉の話せない赤ちゃんは例外なのでしょうか?
私はそうではないと思います。
赤ちゃんは言葉が話せませんが、1番個別にオリジナリティが出やすい年齢だと思います。
他人が干渉しなくても既に個性がそこに現れている。そんな幸せな年頃です。
だからこそ、私は赤ちゃんをその人として写真に写したいと思っています。
その人そのものが、言葉は話せなくても全身全霊で現れている。
写真の赤ちゃんもそうでした。
とても甘え上手で、寂しがり屋で、少しの人見知り。でも、楽しそうなことには興味津々。臆病と自由の狭間を行ったり来たりしている印象を受けました。
3きょうだいの末っ子の彼と、家族を接している姿を見て、彼がたくさん愛されていて、たくさんかまってもらっていて、だからこそ少し臆病だけど、かなり自由だとわかりました。
彼の撮影をしている瞬間は、彼の特徴を捉えようとします。
彼の性格が出ているのは、彼が興味をもったおもちゃを口に運ぶ仕草と、少し不安げだけど興味を持ってまっすぐカメラを見る瞳だと思いました。
それ以外に余計なものを入れずにシンプルに、できるだけ綺麗に、その姿を撮っていくことで、彼だけの写真になります。
その瞬間は集中して、私は私としての目で人を見て、どんな人でも、あなたをあなたとして、写真に写したいと思ってシャッターを切っています。
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