LIFESTUDIO TOKOROZAWA

 

PHOTO:Satsuki Kudo

CODI:SHEENA

 

WRITTEN:VOLVO,SHEENA

 

 

@VOLVO

私達が衣装をご提案する時にどのような基準で選択しなければいけないかというのは、ライフスタジオで働く人間として持ち合わせてなければならない論理であり、それが無ければコーディネーターは務まらないと思います。仮に流行りのトレンドを取り入れたとしても似合わなければ意味がなく、写真としての統一感を生み出せなければその衣装の選択理由は半減します。

私自身洋服に対して大きな能力をもっているわけではないですが、どのような衣装を提案するかというのは、自身のスタジオを熟知し、人を観察し、経験とセンスをもって写真の完成形を想像する、まさにコーディネーターにとって力の見せ所であり、写真の出来栄えを左右するスタートラインであると言えます。

 

この写真はその完成形が予想されている一枚であり、コーディネーターの、スタジオのどこの場所で撮るかを予想した提案、被写体である彼女の肌の色、華奢な腕、髪の毛の質感と調和のとれた衣装の形状（詳しくは下でシーナが説明してくれています）そしてその提案を受けて撮影場所を元々薄い色合いの多いこの場所に決めたカメラマン。被写体である彼女の性格に合わせた声かけによってうまれた鉄筋の棒を使ったオリジナルな仕草。

 

そのトータルを一言で「統一感がある」と言えると思います。

 

私の知る限り、撮影の合間にカメラマンとコーディネーターが撮影について深く議論している様子はありませんでした。

しかし、それでもコーディネーターが決定した事を受けてカメラマンがそれに同調するようにさらに決定を重ねていって仕上がったこの写真には

単なる洋服のセンスと写真の技術というだけではなく、それに加えた自分たちのスタイルを同じ視線で見ているチームワークがあるように感じました。

 

そうしたチームワークによって生まれた写真の中にいる彼女は、個性が増幅されより彼女専用の写真へとなっているのだと思います。

 

シャーベットカラーコーディネートに対する共通認識は、被写体を流行りに同調させるのではなく被写体の個性を強調するために流行りはあるということをこ教えてくれました。

 

 

@SHEENA

【このコーディネートをこの子に提案した理由】

１歳さんにしては髪の毛の量が多く、前髪からおくれ毛にかけての髪のラインと頬のフワフワ感がとても愛らしい女の子でした。

一目見て私は「フリルのついたトップスやチュールスカートが絶対に似合う！」と思いました。

お顔立ちだけを見るとピンクや黄色などの暖色系も似合うのですが、その子の雰囲気や性格も見て提案する色のイメージを決めて行きます。

この子の場合は静のイメージが強く、落ち着いた淡い寒色系が今のこの子の雰囲気にぴったりだなと思いました。

「あ、この子、シャーベットカラーがぴったりだ！」とピンと来てこちらの衣装を提案させていただきました。

 

この子は人見知りだったので、常にママさんがそばにいてもらいながらの撮影でした。

初めての場所で、知らない人がいて、大きい黒いレンズを向けられる。不安になるのも無理はありません。

私も子どもの頃は人見知りをするタイプだったので気持ちがよく分かります。

だけどカラフルな部屋があったり、おもちゃがあったりしてちょっと楽しそうかも？という気持ちもなくはないんですね。おもちゃが気になるけど、怖くて勇気がでない・・・そんな時、親御さんがそばにいてくれると安心してちょっとチャレンジしてみようかなという気になります。

知らない人（コーディ）に差し出された鉄琴をママさんの優しい表情を確認してから叩いてみることに。いい音がなると少し嬉しくて隣にいるママさんに表情で報告します。そしてまた叩く。

そんな姿が微笑ましくて、愛らしくて、私は「来てくれてありがとうね～～～」と心の中で思いました。

 

 

【シャーベットカラーコーデ】

私が思うシャーベットカラーコーデの良さは、色の組み合わせによってシャーベットのような清涼感や透明感を表現しているところです。

その人自身に清楚感やさわやかさがプラスされますし、色彩で温度感を表現するという発想が遊び心があって洒落ているな～と思います。

 

今回シャーベットカラーコーデを組むにあたって「ひんやり感」を演出することを一番に意識しました。ひんやり感を表現するためには色々な方法がありますが、今回は以下の３点をポイントとして組んでみました。

 

①寒色を使う

②透け感のある素材を使う

③グラデーションを意識する

 

ミントグリーンのチュールスカートは今回の主役アイテム。

このアイテムだけで①と②の条件がクリアされます。

さらにグラデーションになるように他のアイテムをプラスしてあげるとよりシャーベット感が出ます。

ミントグリーンより明度の高いものと低いものを取り入れればいいのです。

・明度の高いアイテム＝アイスブルーのニット帽

・明度の低いアイテム＝グレー

トップスのグレーはちょっと濃すぎるかな？と思ったのですが、白のストライプのおかげで目の錯覚が起こり、実際のグレーより明るく見えます。

これらのアイテムを合わせてあげるだけで、全体的に調和の取れた色味に仕上がりました。

 

シャーベットカラーについてはシーナの書いてくれたこちらの記事もご覧ください♬