Photogenic
所沢店
『look up』
投稿日:2020/5/18
1995 1
Coordinator & Write by Yoko
ちなみに、文頭からいうのもなんですが、ちなみに。
この写真は去年の7月、およそ1年前に所沢店で撮られた写真になります。
なぜ私がこの1枚の写真に思いをはせているのかというのは、間違いなく今の現状がそうさせているのでしょう。
今、私達はこれまでに経験をしたことのないような状況の中にいます。
正体がわからないウイルスに生活を脅かされ、外出も満足にできない。
今まで自分が自由だと思ってやってきたことが急に全て取り上げられてしまった。
生きがいだとまで思っていたこの仕事も自粛を余儀なくされ、色々な感情があったけれど、「守りたいものがたくさんあって、守れる選択肢があるのだからそちらを選ぼう」と決断し、現状と向き合っています。
それでもやっぱりやるせなさというものは自分の中に存在していて、うだうだと色々なことを考えている中でこの写真と再会しました。
最近はめっきり暑さも増してきて、「春を感じずに夏になっちゃったね」なんて会話もちらほらしてみたり。
そんな中でやっぱり私が思うことは、「夏は大丈夫なんだろうか・・・」という不安なことばかり。
毎日のように子供たちと「はじめまして」と「久しぶり」を繰り返していた私にとっては、季節が1つ抜けてしまうということは本当に違和感でしかなく、これから先の不安の種でもありました。
あ、でもこれからが楽しみっていう気持ちももちろんあるんですよ?
「夏になったらやっと撮影ができる!写真が残せる!!」っていう溜まりに溜まったこの気持ち。
でも、それと同じスピードで「本当に”今まで通り”、”去年と同じような”日常に私はできるのかなぁ」っていう漠然とした不安が、やはり襲い掛かってくるのです。
『だーいじょうぶだよ、ようちゃん。』
この写真に、彼女に、そう言われた気がしました。
去年の夏に、空に手を翳しながらそこにいる当時10歳の少女。
モノクロの写真で、彼女が笑っているのか、ただ手を見つめているのか、それは私の想像で変わっていうような1枚の写真。
ただ、彼女のことはよく覚えています。
目の下の黒子がとても印象的で、笑った表情がとても可愛くて、アイドルになりたくて、私の顔を見ただけで笑っちゃうようなとてもお茶目な子。
彼女が、この写真の中からそう言ってくれたような気がしました。
それは私の想像した彼女の表情がそう感じさせたのか、モノクロだけど日差しを感じるようなポージングがそうさせたのか、いかにも夏らしいコーディネートが私に「これから」を感じさせたのか。
写真の中の彼女が言ったのか、それとも、この1枚の写真がそう言ったのか。
少なくとも、この写真が撮られた当時は、私は今感じているようなことは感じていなかったでしょう。
今のこの気持ちとは違う、何か別の感情でこの写真を見ていたのだと思います。
今こういう状況だからこそ、私は写真の持つ力を再認識することができました。
この写真を撮った時に見てその時に感じる気持ちも本物だし、翌年、はたまた数年後に見て抱く気持ちもまた本物なのです。
『だーいじょうぶだよ、ようちゃん。』
そう、たぶん私達は大丈夫。
今までだって、今までと全く同じ季節や撮影はなかったし、何の変化もないことはナンセンスだと思ってやってきた。
今だからこそ、こんな時だからこそできることは山ほどある。
大丈夫、大丈夫ですよ、私たちは。
今年の夏も、去年よりもたくさんの笑顔を生み出して、私がこの写真からメッセージを感じたように、たくさんのご家族にメッセージを届けていきます。
未来は、明るい!
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