Photogenic
所沢店
ポージングとは何か?
投稿日:2019/12/31
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Lifestudio Tokorozawa
photo volvo
codi missa
もう何回こうして
写真分析を書いているか数えられもしませんが、書くたびにいろんな考え方をいろんな建前をつけているような気がしてしまいます。
それでもこうして長々と書いているわけですが
少しだけ自分の写真に対する考え方についてお話をさせて頂くと、私のこうした説教くさい文章の内容はこの写真を撮影したから書いている、、と言うものはひとつもありません。
私が書いている内容のほとんどはどの写真にも言えることで、ライフスタジオの写真を話すうえでの根幹部分の話ばかりになります。
日々勉強なので未だに分からないことも多いですし、写真の質の部分においてももっと上手くなりたいと常々思ってはいますが、写真分析に書くような内容は、実は4、5年前からずっと自分の中にある事がほとんどです。
写真分析を書くたびに新しい事を言っているように見えますが、実はずーっと自分の中にある「ライフスタジオの写真」像を手を変え言葉を変え書き続けてるだけです。。
その辺は私もだいぶ歳をとり、言葉を発し続けた身として勘弁して頂けたらとは思っています。
ようは
私の写真に関する考えは一貫して変えていないわけですが、至極簡単に良い写真とは何であるかをまとめるならば、私の中では「適切かどうか」「生命力があるか」この2つを満たすものだと思っています。
それは「ポージング」も同様です。
「ポーズはその子に似合ってなければいけない」
カメラマンのみなさんは「ポーズ」というものを被写体の方々にしてもらうとき、何を基準に選択しているでしょうか?
もちろん被写体を観察しながら決めているよ!という方もいると思いますし、衣装で選んでいる人もいるだろうし
インテリアや光、場所などで選択している人もいるでしょう。
私もだいたい同じです。今挙げたようなものを基準に決めています。
ただし、ひとこと付け加えるとしたら「これのどれかではなく、これら全てを用いて、且つできる限り掘り下げる」
行為をしています。
まず被写体である彼女の事は特によく観察し、特徴を見つけなければいけません。
特徴というのは、外見、内面ともにです。
よくポーズを選択するときは外面ばかりを気にされますが、それだけでは不十分だと思います。
確かに足の短い人に足を組ませるのは良くないですし、二の腕を気にされる方に脇を閉めさせるようなポーズはとれせてはいけません。
しかし、そうしたセオリー的なものはあくまでもセオリーとして持っておくべきものであって
それがポーズのすべての表現理由になってしまうと、その被写体固有のポーズ表現は無くなってしまいます。
つまり「誰でも同じポーズ」になってしまいます。
実は衣装やインテリアなどでポーズを決定するという行為も、間違ってはいないのですが
それだけで決めてしまうと、人の外見で決めるのと同様に
「誰でも同じポーズ」になってしまいます。
「誰でも同じポーズ」が良くないということではありません。
そういうポーズも必ず必要です。
ランドセルを持っていたら必ず欲しいポーズもありますし、七五三なら必ず撮らなければいけない
ポーズもあります。ドレスを着ていればスカートを持ちたくもなりますし
帽子をかぶっていれば手で触れたくもなります。
被写体である彼女の特徴を写真に表したいのなら、こうした部分以外にも内面を観察しないといけないのです。
弟想いの彼女は、ツーショットなどたくさん手伝ってくれました。
お姉ちゃんという立場上、ぐっとこらえながら自分の出番を待っていて
自分の出番になった瞬間、解放されたように自分からいろんなポーズをとってくれました。
きっとすごく真面目で頑張り屋さんなんでしょう。
それらももちろん可愛くて、シャッターを押さない理由はありませんでしたが
これは彼女にとっても「ドレスを着た自分」という設定上の動きであって、彼女の
内面を出し切れていないように見えてました。
本当の彼女の内面は「お利口さん」な部分というよりは自己表現に悩む「少し不器用」なところだと思いました。
だからお姫様になってしまっている彼女に「具体的じゃない指示」をお願いしてみました。
普通なら「スカートなんか付いてない?」的なよくやる言葉をかけるところでしたが、この時は「右手は離さずに左手で右足触って」的な意味不明で瞬時に理解できないような声掛けをしました。
真面目だけど少し不器用さが見えた彼女にとって
素な動きが出ると思いました。
この右足をあげて左手を伸ばしているポーズが、別の人に似合うかどうかはわかりません。
これまでの撮影で他の被写体に指示したこともありません。
彼女だから私はこうした言葉を使い、彼女だからこのような動きになった。そう思います。
「ポーズはその写真にも似合ってなければいけない」
ただ、私が思うにポーズの核心部分は「その写真に似合ってなければいけない」という所にかかっているのかなと思っています。
ポイントは「その子に」ではなく「その写真に」と言う部分です。
その子に似合うポージングを作るのだけでも大変は大変ですし、それは上述したようにやらなければいけませんが、最終的には写真にフィットしなければいけませんので、ポージングは被写体とそれ以外を繋ぐ役割としても重要になってきます。
その写真に似合っているか?と言う事に対しては
いくつかの観点から検証することが出来ます。
1つはインテリア、衣装といった環境に合わせたポージングであると言うこと。
これは正直正解はありませんが一般的な美の観点を磨くのも重要で、妥当性を伺う事が最初は重要かなと思います。
勉強あるのみです。
もう1つは、「ポージングの柔らかさ」です。
ポージングに悩むカメラマンの1番の問題点は「ポーズが馴染まない」点である事がとても多いです。
そう、馴染まないんです。
被写体にも、写真にも。馴染まない。。
なぜ、馴染まないのか?
ヒントは撮影方法にあります。
昨今、ライフスタジオではキッズ、ジュニアの撮影が多くなりました。
それはとてもありがたいことなのですが、それに伴いこう言う声を聞くようになりました「ベイビーよりキッズ以上が撮りやすい」と。
しかし、、何歳の撮影のポージングが馴染まないか?と言う質問をすると、なんと返ってくるのは「キッズ、ジュニア」と言う答えが多いのです。
撮りやすいのにポージングが難しい!?
矛盾しているようですが、これが答えです。
大きい子が撮影しやすいのは話が通じる、衣装やインテリアで判断したポーズがしやすいといった、外面的な部分で判断して撮影を進めているからであり、いざポーズを馴染ませようとすると特徴を本当にたくさんしらないといけません。だから内面を見ないといけなくなるので上手くいかなくなるのです。
結局大きい子は撮影は円滑に進むがポーズはなんだかぎこちない。私達は写真の撮り方から見直さないといけません。
「ポーズとは、被写体と写真の世界観を結びつける接着剤である」
少し技術的なお話もします。
どんなに内面読めても形にできなきゃ意味ないですからね。
ポージングの柔らかさを司るのは「重心」です。
ハッキリいいます。これ以外無いと断言出来ます。重心というのは、足や腰だけではありません。首の角度、指先、カメラの入る角度といった被写体の身体の隅々までの動作の事を言います。
人間は日々の生活を重心移動を使いながら過ごしています。重心移動がなければ歩く事も、立っている事もうまく出来ません。
それくらい人にとって重要なものでありながら、何故か写真を撮るときは被写体に対してそこまで指示がされません。
その重心をどのようにすればいいのか?
私がよく口にするのは「まずは人らしい形にしてあげる事」です。
人らしいとは言葉を替えると日常的です。
例えば家でソファに座ってる姿が人らしい形だと自分の中で決めたとしたら、それになるように声をかければ良いと思います。どのように声をかけるか?それは被写体によって変わります。
2歳児にやらせたい時と、7歳にやらせたい時では結果は同じでも声掛けは変わります。
そこはひとによりけりです。
日常的じゃないポーズは不自然さを呼びます。
それは人間が日常的にやらないであろう重心の置き方を指示してしまうからです。
整理すると
ポージングとは
被写体と写真の世界観を結びつける接着剤である。
その条件としては
被写体に似合ってる事(内面、外見)
写真そのものに似合ってる事(統一感、柔らかさ)
もっと突き詰めて書きたいところではありますが、1枚の写真分析で書けるのはこの辺までです。
続きを知りたい方は個別にご連絡下さい。
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