Photogenic
所沢店
気持ちを込めて
投稿日:2019/12/20
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Photo by Takako Kawahara , Coordinator & write by yoko
「写真館」という場所で働いていると、誰かの人生の節目に立ち会う瞬間が何度も訪れます。
節目といえば七五三、入園、卒園、入学、卒業、結婚式。言ってしまえばお誕生日も節目ではないでしょうか。
何かのご記念で、その時を思い出に残したくて皆様ライフスタジオに訪れてくださいます。
その思い出を残すために私はコーディネーターとして何ができるだろうか、できていただろうか。そんな自問自答を毎月写真分析と向き合うたびに思います。
今回、この写真を通して自分がまず思ったことは「写真にはストーリーがあり、それは決して後付けではならない」ということです。
私が入社してから所沢店のカメラマン工藤さんに言っていただいてずっと頭に残っている言葉の中に、「カメラマンは全ての写真の意味を説明できなければならない」というものがあります。
これはカメラマンだけではなくコーディネーターにも言えることだと私は思っていて、先に言ったストーリーというのはこの「写真の意味」に付随するものとしてここでは語らせていただきます。
例えば、カメラマンは写真を撮るときに構成要素の「足し算」と「引き算」をたくさんしながらシャッターを切っていきます。これ、本当にすごいと思うのです私。
足し算だけをしてしまえば情報の多すぎる写真になってそれはいい写真とは言えず、逆に引き算をしすぎてしまえば意味の伴わない写真になってしまう。
そんな駆け引きをカメラマンは頭の中でアンテナを張り巡らし、瞬時に答えを叩き出しているのです。(と、私は考えています。)
では私たちコーディネーターは何をしているのか。
言ってしまえば、カメラマンが計算をし始めた時点でコーディネーターの役目の第一段階は終了している(あるいは終了していなければならない)と私は考えています。
カメラマンが足し算と引き算をするために必要な写真の構成要素。その準備、いわば計算式を作る下準備をするのがコーディネーターのすべきことではないでしょうか。
カメラマンが整理をしやすいように、答えがイメージしやすいように。
ですが、コーディネーターが準備する要素というのはもちろん撮影者側のためだけであってはいけません。
私たちコーディネーターは、被写体のお子様やそのご家族の想いをコーディネートに乗せなければ「その人のためのコーディネート」をしたとは決して言えないのです。
もしかしたらこれは少し言い過ぎかもしれませんが、コーディネーターがそれをしているのとしていないのとでは、先に述べたカメラマンの計算の答えも変わってくるのではないかと思うくらい「想い」というのは大切だと私は思うのです。
七五三で写真を撮るということにそのご家族にとってはどんな意味があるのか。
パパとママにはどんな想いが、被写体であるその子にはどんな想いが。
それを表すためには着物の撮影だけでは足りない。では次のお洋服、カジュアル服に乗せて伝えよう。
今回のこの写真の始まりはそんな私の気持ちでした。
7歳の七五三って、女の子にとってはとっても特別なものだと思うんです。
3歳の時とは少し違う、大人への第一歩のような。
お姉さんみたいなメイクをして、少し巻いた髪からチラリと見えるようにイヤリングをつける。
たったそれだけで、いつもと少し違うあなたを演出してくれる。
でもそれだけだと要素が少し足りない。そう思って私が足し算したのは手元に持ったカバン。
色味はイヤリングとリンクするように紺色。
そして、それらの想いを乗せて私が準備した要素をカメラマンのたかちゃんが見事に整理し足し算と引き算をしてくれました。
誰か1人の力ではベストフォトは生まれない。その再確認をさせていただきました。
写真があるからストーリーが生まれるのか。
ストーリーがあるから写真が生まれるのか。
もしかしたらどちらとも言えるのかもしれませんし、そもそも言い方の違いなのかもしれません。
ですが、これについて今一度考える機会をくれたこの1枚の写真には、この撮影に関わったみんなの「想い」「ストーリー」が込められているのだと、私は思います。
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