Photogenic
所沢店
あなたを探して。
投稿日:2019/1/7
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Photo by HIRO
Coordinated by Yoko Moriya
Write by HIRO
「写真分析をしてみたい。」
単純にそう思える写真だった。
写真分析をなぜするのか?
自分がなぜその写真を撮ったのか、どうして撮ったのかを証明するためとか、
写真を補足してよりその写真を作品として高めるためとか、
写真分析をする理由は様々あるだろう。
でもこの写真は撮った瞬間に自分でもなぜかわからないけど、そこに吸い込まれるような感覚になって、
なぜそんな感覚になるのか写真と向き合って分析をしてみたいと思った。
自分の撮りたい写真とは?という、いつも付きまとう問いの答えに少し近づけてくれそうな気がして自分のために写真分析をしたいと思う写真だった。
撮影の中で何を選択してどう撮るかというのかを考える時間は特に子どもの撮影では一瞬だ。
予めここでこういう写真を撮ろうと決めていても、
実際に被写体に入ってもらったらその被写体によってベストな写し方は変わってくるし、
被写体も動くし、光など環境も変わるし。
その全てをいちいち頭の中で言語化しながら撮影してはいられないので、
その短い時間の中で脳内で無意識に判断をして一番ハマる瞬間を探していく。
この写真では脳内で無意識も含めてどんな判断をしていたのか、それを分析してみたいと思う。
【被写体】
7歳の七五三で来てくれたすごくしっかりとした女の子。
彼女はとても美しい顔立ちをしていて、特に少しキリッとした吸い込まれそうなくらい綺麗な目がチャームポイントだった。
そのチャームポイントを活かした写真を撮りたいとは決めていた。
【構図】
今回の写真で一番自分の中で、いつものパターンから争ってこだわって撮れた部分は構図だと思う。
この写真では被写体を真ん中に配置している。
クローズアップの写真を撮るときに構図的に安定させやすいので、被写体の顔を四隅に少し寄せて撮ることが多い。
この写真を撮るときにも始めいつものパターン通りの構図も考えてファインダーを覗いたが、
ファインダー越しに彼女の存在感を見つけ、それをより引き出すために直球勝負の真ん中に配置する構図を選んでシャッターを切った。
また背景余分な物が入らず、木漏れ日が入る葉っぱが玉ボケになることで、より彼女の存在を引き立てていた。
【光】
もう一つ大きくポイントになっているのは光だ。
この写真の場合、直射日光は顔には当たっていなく、顔には印影はハッキリとは付かず落ち着いたトーンになっている。
元気な印象というよりはどちらかというとミステリアスな印象のトーンで、彼女の少し大人びた吸い込まれるような目線を引き立ててくれていた。
左側から入る日光は輪郭と少しだけ髪を照らして写真の中に輝きをアクセントとして加えてくれている。
また、右から回り込む淡い光が補助光になり顔に立体感を出している。
目にはキャッチライトを入れることで強調したい瞳の魅力をより引き出している。
【ポーズ】
彼女のチャームポイントである目を引き立てるために、葉っぱを持ってもらい口元に当てて口を少し隠し、より目に注目が行くようにしている。
また少し首を傾けることで彼女がより魅力的に見える角度にしつつ、写真の中に動きを作っている。
この写真を撮れた時、写真の中で何か彼女と出会えたような感覚になった。
もちろん彼女を撮っているのだから彼女はそこに写っているのだけど、それよりもっと深く彼女の魅力と出会えたような。
その被写体とファインダー越しに出会える瞬間がポートレート撮影の一つの醍醐味であり、自分が撮りたい写真なのだと思う。
第三者が見てもその被写体を知っているような、でもどこか遠い存在のような。
様々な構成要素がその被写体を表現するのに適した時にその瞬間に出会える確率は高くなる。
それには被写体の魅力を感知するセンサーの感度を上げないといけないし、それを表現するための情報も蓄えないといけないし、その情報をどう使うかという判断の瞬発力も磨かないといかない。
これはもう日々磨き続けるしか道はないと思うので、これからも被写体と出会える瞬間を求めて努力をしていきたい。
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