Photogenic
所沢店
視点を変えたら見える世界
投稿日:2018/8/3
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Photo by HIRO
Coordinated by Namika Kubo
6月は1ヶ月間、交換勤務で草加店で撮影を行なっていました。
所沢店でカメラマンとして撮影を始めて1年半くらい。
その日だけの交換で他店舗に行くことはたまにあったけど、
1ヶ月というある程度長い期間に他店舗で撮影するというのは今回が初めてのことでした。
1年半という長い期間同じスタジオで撮影していると、
この時間帯のこの場所はこう撮れる、
この光だとこういう表現ができるというようにある程度予測がつき、
いい意味で言えば安定して撮ることができるようになります。
でもそれは時に慣れから固定概念を生み、
そこから抜け出すことが難しくなったりします。
気をつけないとその固定概念に麻痺し、その中で惰性で写真を撮るようになってしまうでしょう。
他店舗という見慣れない環境では、そんな固定概念に頼らずに自分の中にある写真の知識や経験を引き出しながら、
自分自身で考えて写真を作り上げていかないといけません。
光はどこから入ってどう反射してどこにどれだけ当たっているのか。
インテリアの形、色、場所、それぞれの関係。
全てを考えないといけない、いやでも自分の写真と向き合える環境だと思います。
そんなせっかくの機会なので、一つ目標を立てて臨みました。
それは、「自分の視点で見つけた草加店の新しい写真を生み出す」というものです。
そんな中で見つけた場所。
それが草加店にあるバスの上から撮るというものでした。
固定概念があればわざわざバスの上まで登るということはしないかもしれませんが、
新たな視点を持って撮影をしてく中で見つけることができました。
固定概念を壊せたとき、そこからは新しい世界が見えます。
その新しい世界は新しいインスピレーションを与えてくれます。
草加店のバスの上から見た世界からは、草加店の特徴である木のインテリアから差し込む夏の木漏れ日が綺麗に広がっていました。
バスの上には布が垂らしてあるインテリアがあり、
それを前ボケに使うことでレイヤー効果で距離感も作れます。
「木漏れ日の中遊ぶ自然な子供たちの姿」
そんなイメージを与えてくれました。
あとは被写体に合わせてどういう表現がふさわしいのかを考え、
写真を作り上げていきます。
草加店勤務の最後の日。
その日出会った兄弟は、すごくしっかりした優しい二人でした。
もう12歳になり照れもあるけど、ニコニコ笑顔を見せてくれる妹思いの優しいお兄ちゃん。
7歳だけどすごくしっかりして、お兄ちゃんと遊んでる時が一番自然な笑顔を見せてくれた笑顔の可愛い妹ちゃん。
見ていて微笑ましくなる二人の姿に、イメージは固まりました。
「木漏れ日の中、遊び疲れて仲良く眠る二人」
そんなイメージで、このご家族がいつか写真を見返した時に、
微笑ましくて笑顔が溢れてしまうような写真にしたいと思いました。
ちょうど傾きかけた太陽が差し込み、綺麗な木漏れ日が草加のインテリアに差し込む時間帯。
その木漏れ日が綺麗に入る場所を考えながら撮影位置を決めました。
写真の中に二人だけの世界を作るために小物で世界観を整えていきます。
二人でお出かけグッズを詰め込んできたような大きなカバンを枕に。
さっきまで一緒に読んでいた本も側に。
お出かけのお供にかぶっている麦わら帽子は大切にギュッと抱きしめてもらいます。
バスの上に垂らしてある布は、前ボケとして二人との距離感をとってくれると同時に、
少し被写体にかかるくらい入れることで少し幻想的な思い出の中のようなイメージを作ってくれます。
バスの端も少し入れることで二人との距離感をさらに演出しています。
二人が自然に寄り添って眠っているように体の向きや角度を調節し、
あとは「おやすみー」と声をかけ目を瞑ってもらい、二人の夢の中に入ってもらいます。
固定概念にとらわれない、新しい世界を見つけたいと思わなければこの二人の微笑ましいイメージは見つけることができなかったと思います。
日々撮影している慣れや固定概念の中だけだと被写体を表現する幅が狭まってしまうでしょう。
いつのまにか凝り固まっていた自分の視点はとても狭いものなんだな、
そう気づかせてくれたとてもいい機会でした。
目標にしていた「自分の視点で見つけた草加店の新しい写真を生み出す」ということが一つできたこともありますが、
微笑ましい二人の姿を見つけるきっかけになったことが、一番よかったことだなとこの写真を見返した時に思いました。
いつかこの二人が大きくなった時にこの写真を眺めながら微笑んでくれたと願いを込めて。
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