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所沢店
scrollable

男三兄弟

投稿日:2017/10/7

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Photo by HIRO
Coordinated by Takumi

一年に一回の大切な家族の記念。
一年に一回ではなく、何年に一回かもしれません。
もしかしたら一生に一回だけの方々もいるかもしれません。
スタジオで今の家族の姿を残すということ。
一回の撮影で残る写真が、そのご家族には大切な宝物になるかもしれません。

写真はそこに写るものだけでなく、その時の想いや感覚、思い出を残すことができると思います。
写真の中に何を残し、どのように表現するのか。
それによってその家族にどんな思い出を未来に残すことができるのかが変わる。
そう考えると何をどう残したらいいのだろう?といつも悩みます。
本当にその子やその家族の姿を捉えて表現しているのか。
自分の中のセオリーや固定概念に当てはめて撮影をしていないだろうか。


今月の写真主題は写真大辞典の「観察」という内容を主題に取り組んで来ました。
観察とは、

・見慣れたものを見慣れたように見ない
・鋭く見る

ということ。
固定概念ではなく、しっかりと自分の眼で被写体を見つめてそれを自分というフィルターを通して表現するということです。
今回の主題ではその観察の実践方法として、その被写体に対してなるべく多くの情報を得るという方法で撮影に適応を試みていました。
そのため、カウンセリングからカメラマンも一緒に入り情報を把握するようにしていました。
今回の写真はその中で生まれた一枚です。


しっかり者のお兄ちゃん二人と走り回っている元気満点の2歳にもまだならない弟君。
初めてのライフスタジオなのにとても気さくに話してくださるパパとママ。
撮影が始まる前から楽しく思い出に残る撮影になると確信を持つような、そんな出会いでした。
カウンセリング時にママさんから、
「お兄ちゃんたち二人の柔道着姿を残したいんだけど、できればそこに下の子も入れたい」
というご要望がありました。
よく聞いてみると「下の子もお兄ちゃんの真似をして正座で挨拶ができる」とい情報が。
しかも下の子の裸姿も残したいから、三人の時に下の子は裸ん坊でもいいと…。

・・・少し想像しただけでも確実に可愛い!!!

まだ言葉も喋れない2歳にもならない子がお兄ちゃんを見習って頑張っている姿。
どれだけそれが可愛いでしょうか。
そしてお兄ちゃんたちは、しっかりと弟の世話をしてくれているようなお兄ちゃん。
きっとパパさんママさんからすれば心強いお兄ちゃんたちでしょう。
その情報を得ることで、自分の中の兄弟写真のセオリーの考え方から抜け出し、
すぐに表現したい兄弟の関係が思い浮かびました。

「兄の背中を追って逞しく成長していく弟と、それを優しく見守る兄たち」

まさに今の彼らの関係を表現できると思いました。
あとはそれをどう適切に表現していくか。
準備をしてもらってカメラを持って向かうと、
そこには上半身裸で白帯を巻いた末っ子君が寝っ転がっていました。
あまりの彼の可愛い存在感。
その瞬間に表現方法は決定しました。

まずは、柔道着での撮影だったので和室かホリゾントでの撮影を検討しました。
和な感じを出すために畳での撮影でもよかったのですが、
今回は被写体の三人の関係に集中させたかったので、シンプルに被写体に集中できるホリゾントを選択しました。
光はホリゾントで真っ白な柔道着が飛んでしまわないように後ろのライトを消して調節。
まだ1歳らしいぽっこりお腹とムチムチ感の質感を出すために、左のライトのみをつけています。
構図に関しては、下の子が同じく道着を着ていれば背の順も考えましたが、
彼の裸ん坊の存在感を出すために真ん中に座ってもらいました。
下の子を中心にシンプルにシンメトリー構図にすることにより、
構図としての安定感と写真のビジュアルの強さを出しています。

そして今回一番ポイントにしたのは、三人の配置です。
兄弟写真の多くは兄弟がくっついていて一緒に遊んでいる姿など、距離の近さを表現として使います。
その方が前後差ができず、しっかりとピントが合うという技術的な問題もありますが、ややもすれば安直に兄弟写真のセオリーとだけ考えてしまうかもしれません。
今回は三人の並びをギュッと寄せるのではなく、少し距離を置いて間を空けて配置しました。
ギュッと三人寄って正座してもらい、三人の仲の良さを表現することもできます。
このシーンでは実際に他のカットでギュッと寄ってもらったカットも入れています。
でもこの一枚で表現したかったのは
「兄の背中を追って逞しく成長していく弟と、それを優しく見守る兄たち」
そのために仲の良さに集中させるのではなく、一人ひとりそれぞれが逞しく成長しているという表現にしたかったので、
三人をひとまとめにするのでなく、あえて三人の距離を離してそれぞれが際立つようにしました。
コーディネーターで入ってくれたたくみもお兄ちゃんたちの間に自然と弟君を誘導してくれて、
特に事前に打ち合わせはありませんでしたが、きっと撮りたい絵は同じものを見てくれていたのでしょう。
最後に、これは自分では予想のできなかったものではありますが、
表情もそれぞれの個性が表れたんじゃないかと思います。
いつもニコニコとしてしっかり者の長男君。
どこか自分の世界観を持っているような次男君。
そして、僕だってできるんだというような表情を浮かべた末っ子君。
今の彼らの姿が表れた一枚になったのではないかと思います。
ちなみにフォトジェニックにあげた写真分析だったので一枚しか上げれれずここには載せませんが、
この写真は流れがとても可愛く面白い連続写真になっています。
正座をみんなでするところまではよかったのですが、
いざみんなで挨拶をしようとしたら下の子だけ早くお辞儀をしてしまい、
お兄ちゃんたちも続くのですが、その時には下の子は顔を上げ何故かこちらを指さすという3段落ちのような流れ・・・。
同じタイミングでのお辞儀はうまくいきませんでしたが、それが今の彼ららしくてそのまま原本に入れました。
その三枚の写真はブログで紹介していますので、よろしければご覧ください。
https://www.lifestudio.jp/?run_id=staf_blog&bs=staff_blog&po_u_seq=116135&po_seq=149928


ライフスタジオでは、
「関係を美しく表現する」という言葉を聞きます。
見た目的に美しくとか神秘的に表現するということももちろん美しく表現するということに繋がりますが、
関係の中に存在する本質を見つめ、
それを捉えて適切に表現をすること。
それも関係を美しく表現することなのではないかと今回の写真を分析する中で気づかされました。
それがなんでもない日常に美しさを発見するポイントなのかもしれません。
美しさはもうそこにあるのだから。


撮影はやはり始めの予感通り終始楽しいものになり、
最後にはみんなで記念写真を撮り、また次回の再会を約束してお別れしました。
後日写真を添付して送ったメールの返信にもたくさんの嬉しい言葉をいただきました。
改めて一つ一つの撮影の時間が大切な思い出を作る時間だということを再確認させていただいた撮影です。
いつか三人が大きくなった時に柔道着を着て同じように撮影してみたい。
その写真にはどんな姿の三人が写るのでしょうか。
きっと逞しく育った彼らがいるのでしょう。

関口さんFamily、またお会い出来る日を楽しみにしています。

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美しさを表現し、思い出を記録する、楽しい遊びの空間

人生の写真館ライフスタジオという名前に込めた想い。
それは、出会う全ての人が生きている証を確認できる場所になること。
家族の絆とかけがえのない愛の形を実感できる場所として、
人を、人生を写しています。

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