photo by kudo
write by takumi

僕にとって写真は「あの時を連れてきてくれるもの」です。
すごくキザな言い方で少し照れくさいですがたまにはかっこつけていってみようと思いました。
そう思えたのは少し前の写真分析をした時です。
その写真を改めてみた時に、僕はその写真が撮られた時の自分の感情、パパママの顔、その部屋の雰囲気、そのどれもがダイレクトに、まるで時が戻ったかのように思い出されました。
 
ああそうか、つまり写真というのはその時の感情やたくさんの記憶を一緒に未来へ持っていけるものなのだと気付きました。
そしてきっと家族全員が幸せに映る写真は未来にその幸せを持っていくことが出来るのではないかと思いました。
そんな大切な家族の写真に携わらせていただけるなんてなんて幸せな仕事だろうと感じます。
 
 
春の優しい風が肌を包む。
 
そんなイメージをこの写真を見た時に感じました。
ですがこの写真に桜が写っているわけではないですし、
入学の写真なわけでもありません。
ですがこの写真に春を感じるのです。
どうしてこんなふうに感じるのか少し考えてみます。
 
春のイメージは暖かくて、柔らかくて、優しい、そんなイメージ。
 
この写真の全体的な柔らかさを出しているのは後ろから優しく注がれた光です。
その光が背景を溶かし、淡いピンク色に染めています。
また光は彼女に柔らかく優しい輪郭を作っています。
また赤ちゃん特有の肌質がとてもきれいに表現された光と言えます。
 
そして最も春らしさを出しているのは彼女自身だと思います。
真っすぐ一転を見つめる先に光があります。
それはこれからの未来に明るい未来が待っていそうな、そんなイメージを与えてくれます。
まるですべてのスタートである春のイメージにぴったりとはまるわけですね。
 
冒頭にも書きましたが、写真はあの時を連れてきてくれるそんな存在です。
それは時に季節感を、時に希望に満ちた感情を連れてきてくれます。
 
今しか持てない大切なものを乗せて未来へ