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非日常を演出する光

投稿日:2016/12/19

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フォトスタジオが提供できる価値とは何か?

それはスタジオで働く者であれば必ず考え試行錯誤する問題でしょう。

提供できる価値はさまざまな側面があると思いますが、その中の一つに「非日常の演出」があると思います。

ライフスタジオの写真はよく「自然な写真」と評価され、それを喜ばれることが多くあります。

でも自然な写真=日常をただ写した写真ではありません。

スタジオという非日常の空間、状況だからこそ創りだせる表現があり、提供できる価値が生まれます。

 

 

普段いつも一緒にいて一番近くで子どものことを見守り、愛している親御さん。

その一番身近な親子の関係だから、子どもの姿というのは当たり前の日常になるでしょう。

一番近い存在だからこそ逆に気づかないこともあるものです。

 

「うちの子がこんな表情を見せるんだ。こんなにも大きくなっていたんだ。」

撮影が 終わって75カットの写真を見ながら親御さんからよく溢れる言葉です。

 

スタジオという非日常な空間の中での「非日常の演出」は被写体が持っている新たな側面を表現し、その魅力を届ける力を持っているのでしょう。

フォトスタジオの持つ価値として、一番身近な存在だからこそ気づかなかった成長や魅力、それを伝えられる価値があるのでないかと思っています。

 

非日常を演出する要素「光」

スタジオの中で非日常を演出する要素はなんでしょうか。

インテリア、コーディネート、高性能なカメラ、構図、前ボケ・・・多くの構成要素があると思いますが、特に今回の写真では「光」を使った非日常を演出しようと考えました。

この写真を撮影した時間帯は夕方5時頃。

この時期になるとこの時間は自然光がほとんど入らず照明を使用しての撮影が必須となります。

昼間では自然光を利用して光の溢れる様な写真を撮影することが可能であり、ライフスタジオで見られる多くの写真になるでしょう。

その逆に部屋に自然光が入らずライトを使った写真にも、その良さがあり魅力があります。

自然光が入らない時間帯という条件を利用して、それを活かした「光」によってこの被写体の魅力を引き出す様な写真を撮りたいと試行錯誤をしながら撮影に臨みました。

 

 

写真の構成要素

この被写体の子は8歳の女の子。

カウンセリングに入らせてもらって衣装を決めている時、本当は自分の選びたい服があっても自分の意見を言うのを躊躇っていたのか、笑みを浮かべながら恥ずかしがっていたそんなお年頃の子でした。

ママさんに様子を聞いてみると本当は撮影を楽しみにしていて、本人も写真撮影は好きだとのこと。

本人も撮影に積極的であったのでいつもはあまり撮影をしない光で、彼女の内側にある魅力を表現してみようと撮影を開始しました。

 

自然光が入らないライトでの撮影という条件でしたので、それを利用して光と影の明暗を活かしたシルエットの表現を行いました。

ライトの向きに対してカメラと被写体を一直線上完全に配置し、被写体が光の中にシルエットとして写るように露出を設定しました。

この時にポイントとなるのが被写体の顔に当たる光です。

完全にただのシルエットになってしまえば、被写体の顔が影で潰れてしまい、表情や彼女らしさもなくなってしまいます。

この写真では鼻筋のライン、唇、アゴのラインに光があたり輪郭が表現されていると共に、手前の頬のふくらみ、まぶたのラインまで光が回り込んで表情を立体的に見せてくれています。

それによりシルエット的な表現の中にも、被写体らしさを表すことができ、コントラストの強い写真となっていても女の子らしい可愛らしさを残されています。

 

構図

全体の縦3分の1の中に被写体を配置し、余白部分を大きく空けました。

背景の棚を大きく入れて、縦横の線を配置することにより幾何学的な要素を取り入れて背景を整理し、幾何学的な背景と被写体の対比で被写体のシルエットが浮かび上がるようになっています。

また、この被写体が映画の主人公になったような非日常を演出したいと思い、一枚から何かストーリーを想像できるような表現にしたいと考えました。

そのため余白を大きく入れることによりこの被写体がどこにいて、何をしてるのかがわかるような構図にしています。

 

今回は光を使った演出にフォーカスするために、色の要素を限定し、光が強調されるようにモノクロにしました。

また単純ではありますが、モノクロでの表現にすることによりいつもとは違った非日常を演出し、被写体の内側にある魅力を表現しようと考えました。

 

 

 

身近なか存在だからこそ気づかなかった魅力。

それは毎日当たり前のように撮影をしている私たちのスタジオも同じでしょう。

スタジオにある光をよく観察いつもとは違った光を観察することによって新たな表現の可能性が広がります。

それによって出会った被写体の魅力もっと多角的に引き出すことができるでしょう。

当たり前のことを当たり前に見ずに観察をする目を常に持っていたいと思います。

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