Photogenic
所沢店
優しく包み込む想い
投稿日:2016/10/31
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Photo by Satsuki Kudo
Written by HIRO
ライフスタジオにお越しいただいたお客様によく「どうしてライフスタジオを選んでくれたんですか?」という質問をする。
その時に多く聞く答えが「自然な写真が撮りたいから」というお声だ。
ライフスタジオの写真が自然な写真と言われるのには様々な理由があるだろう。
カジュアルな衣装での撮影、
遊びながら撮影するスタイル、
オシャレなインテリア。
多くの要素があるがその中でも大きな要因になっているのが、自然光を多く取り入れた撮影があるのだろう。
子どもの自然な動きを捉えながら撮影を行なっていくには固定されたストロボではその動きについて行くことはできない。
そういった理由で自然光をメインに使用しているというのもあるが、人工的に作り出した光ではなく、いつも我々が目にしている自然な光で撮影することによって、ライフスタジオらいしいと言われる自然な写真になる大きな要素を生み出しているのだ。
ではライフスタジオらしいと言われる自然な写真とはなんなのか?
ただ自然光で自然な写真を撮ればいいのか?
普段の生活をそのまま撮影し、なんの意図もなくただそのまま撮ることを自然というのであれば、その写真は人の心を動かすことはできないのだろう。
お客様がライフスタジオに求めている写真、そこには心を動かす何かが含まれている。
それはその写真が表現する何かが、見る人の感情に届き、心を動かすということなのだろう。
この写真は見る人の感情に届き、心を動かす何かが表現されている写真であると思う。
それはきっと、
「この子を優しく見守り、温かい愛で包み込む家族の眼差し」
なのではないだろうか。
この撮影には自分は直接入っていないが、そんな印象をこの写真を見た瞬間に感じた。
それが自然光特有の優しく包み込むような光で表現されている。
光
この写真が撮影された部屋は室内が少し暗く、窓から差し込む光が強い印象を与える場所だ。
その光が差し込む場所に被写体を誘導して撮影をしている。
ここで重要になっているのが窓から入ってきた強い光が床から反射している下からの光だ。
被写体をうつ伏せにしていることによって、斜め上にある窓から入ってくる光は直接は被写体の顔には当たらない。
そのままでは影になってしまい顔が暗くなってしまうが、下からの反射の光があるので優しく微笑んでいる顔の表情を映し出すことができている。
また、直接光を顔にあてると強い光の場合陰影が強くついたり、白く飛んでしまうことがあるが、反射の光を使って顔を照らしていることにより優しい表情の雰囲気を演出できているだろう。
ただ単純に入ってくる光を見ているだけでなく光の流れを考え観察して表現されている写真だ。
ポーズ
完全にポーズを固めてしまうとどこか不自然な表現になってしまい、せっかく光で自然な表現をしていてもそれが何かやらされているようになってしまうことがある。
この写真では床に着けている手が完全に固定されているわけではなく、床を突くような仕草をしていることと、それを見つめるような表情によって固まったポーズではなく自然な表現になっている。
それにより、作られた写真のようではなく、いつものこの子のそのままの姿を見つめているような印象を受け、優しく見守っている家族の眼差しがより表現されている。
また、足を下に降ろすのではなくクロスさせて上に上げることで、構図の中にフレームインし、動きのある印象にしてくれている。
前ボケ
自然な写真とリアルな写真は異なる。
自然とリアルという言葉はそのままという意味では同じかも知れないが、2つは大きく違う。
どちらが良いのかというのは表現したい内容によって変わってくるだろうが、この写真の場合リアルな写真になってしまえば優しい眼差しという表現は薄れてしまうだろう。
この写真の左側に入れられている前ボケがあることによって、より柔らかく優しい印象を与える表現が加えられ、表現力が高まっている。
また前ボケがあることにより、被写体との間にレイヤーが生まれ、写真が立体的になっている。このレイヤーが生まれたことにより被写体との程よい距離感が生まれ、直接この子と関係して写真を撮ってるというより、少し離れた影からこの子を見つめているような表現になり、それが優しく見守っている家族の眼差しを想起させてくれる効果を持っている。
この文章を書きながらこの写真が表現している内容を考え、ライフスタジオの写真の役割と価値を再認識することができた。
私がこの写真を見た時に受けた印象、それは
「この子を優しく見守り、温かい愛で包み込む家族の眼差し」
というこの子に対する愛だった。
もしかしたら10年、20年後、この写真を子が見返した時に同じ想いを感じるかもしれない。
家族が自分に注いでくれていた愛を確認することができるかもしれないのだ。
実際にどう思うかはわからないが、きっとこの写真を見ながら何かは思うだろう。
ライフスタジオで当たり前に撮られているたくさんの写真。
それはそこに写っている子ども達の未来に、家族の想いを届ける役割を持っているのかもしれない。
そう考えると本当に価値のあることに携わらせてもらっているのだと改めて認識させられる。
明日は一体どんな想いを届ける写真を残すことができるのだろうか。
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