tokorozawa photo project

P.O.P
~Prove Our Photophilosophy~

photo&write by Takumi

ヒロさんはもう時期結婚して同棲を始め、この街を出ていきます。
ヒロさんが10年以上も付き添った街、
沢山楽しいことも、苦しいこともあったと思います。それでもこの街に帰ってきて、この街で眠り、生活してきたのだと思います。

そんな街とお別れの意味も込めて写真を撮る、
ヒロさんとはカメラマン、他を写すことは出来ますが、自らを移すことは出来ません。

僕もカメラマン、僕にはヒロさんと高円寺を共に写すことができます。
この機会を大切にしようと思いました。

あえて僕はヒロさんと高円寺という街に入り込まないようにしてました。
僕はなるべくヒロさんというフィルターを通した街を撮ろうと考えました。
この場所に僕を表現しようとするのはいささか出しゃばりではないでしょうか。

決して良い写真では無いかもしれないです。
それでいいと思うのです。
ヒロさんにとって良い写真であれば僕にとっては成功だと思っています。
だからこそ今回はヒロさんと話す時間がとても大切です。
二人で作ると言ってもいいでしょう。
どんなふうにこの街を見ていて、どんなところが好きで、どんなことを考えながら生活しているのか、
ヒロさんのフィルターを使って世界を見てみましょう。


当日、ヒロさんはたくさん話をしてくれました。
｢この飯屋によく行くんだ｣｢ここでこんな事があってね｣
自分の住む街、家を紹介しているヒロさんはとても楽しそうでした。

本当にこの街に対して思い入れがあるのだと感じました。
そんなヒロさんを見ながらいつかこの街を出ていくヒロさんのことを考えると自然と心が揺れる様でした。

私も生まれてからずっと過ごしてきた故郷の新潟を離れる時、初めて自分に人だけではなく街に思い入れがあったことに気づき涙を流したことを思い出しました。

あの時の気持ち、今のヒロさんの気持ちがリンクしたように思えました。
その時ヒロさんの見ている高円寺の色が少し見えてきたような気がします。

いつも通ってきた道、休日を過ごした繁華街、ちょっぴりの寂しさと、未来に向ける前向きな気持ちが表現できていたら嬉しいです。


撮影前ヒロさんに質問をする機会を頂きました。
Ｑヒロさんの見る高円寺は何色のイメージですか？

Ａ暖色系の濁った色、茶色とかエンジ色かな？
最初にここに決めた理由は、若者が住んでいるんだけど、いろんな人と出会えそうな下町の雰囲気なんだ。



今の高円寺はどんな色に見えてますか？