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決定的な瞬間
投稿日:2016/9/11
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Photo By Choi Eunpyo
Coordi By Kudo Satsuki
決定的な写真は「決定的な瞬間」を捉えている写真ではないかと思う。ただし、その決定的な瞬間というのは人によってさまざまかもしれない。つまり、写真を撮影している側と撮影される側、そしてその写真を観察する側などの立場によっても感じることや想像することも変わってくる。
特に私たちが撮っている写真はこれらの要素を全て考えながらシャッターを押さなければならない写真であると考えている。
自分の主観だけを取り入れた写真は自分以外の世界では共感を得られない自己満足的な写真に過ぎない。
一方で、自分の意図や主体性があまり取り込まれてない写真も被写体をそのまま模倣して、
記録した写真にしかならない。
写真についてはライフスタジオで様々な考えや定義がある。その一つが「写真は関係性の表現」である。
写真で関係性の表現をするためには、関係性を表す行為などを自分の頭で描きながら、
その動作を作るために被写体に色んな指示をする。それは自分が感じている感情を被写体に当てはめてみたり、
被写体の感情になってみたりする「主観を取り入れる」過程かもしれない。
そこで、被写体に対して色んな指示を試してみる理由は自分の主観だけではなく、
被写体から発散する主観も引き出すためであるからだ。決まったポーズを注文して、
その瞬間だけを撮る方法は証明写真とあまり変わりがない。撮影者の意図や表現を取り入れながら、
被写体が私たちの意図から自由になる瞬間を私は待っている。
その瞬間こそが、私たちが表現したい本当の関係性かもしれない。
この一枚の写真のシャッターを切るときがまさにその関係性が見えた瞬間でもある。
優しく妹のことを全て受け入れてくれるお姉ちゃんと恥ずかしがりやだけとお姉ちゃんと一緒にいると
元気になる妹ちゃんの関係性を表現したかった。いつも通り被写体に手を繋がせたり、
見つめ合わせたりする声掛けの中で、ふたりの身長の差から伝わる年の差を表現するために
お鼻を触らせる指示をした瞬間、私の指示から自由になった2人の姿が見えてきて、
急いでシャッターを押した。
それは背伸びをして一所懸命お姉ちゃんのお鼻を押している妹ちゃんの動作と
強くお鼻を抑えられながらも、引かずに自分は優しく妹ちゃんのお鼻を押しているお姉ちゃんの瞬間が、
私が意図した主観に被写体から発散される主観が交わる瞬間だと感じた。
つまり、私の指示通り動いてくれたけど、そこから見えてきたふたりの動きは普段のふたりの関係性を
撮ることができた決定的な瞬間だと私は判断した。
もちろん、この瞬間を美しく表現する必要がある。
それは撮影の技術的な部分であり、瞬間的な場面を逃さないテクニックでもある。
この瞬間私は下から被写体を見上げて撮るアングルを選択した。
その理由は下から妹ちゃんが手を伸ばしている動作をより強調したい思っていたからだ。
また下から見上げたアングルはふたりの身長の差をより強調するからだ。
あとは光の方向性である。逆光で入ってくる光はふたりの姿を優しく包み込み、
ふたりの関係が暖かて、柔らかいことが伝わってくる。
このように私たちは決定的な瞬間を捉えるために毎回様々なことを考え、悩み、撮影に臨んでいる。
最後にこの撮影が終わった後、まさにお父さんから「あなたの決定的な一枚は何ですか?」と聞かれて、
もちろんこちらの一枚を伝えた。
お父さんから聞かれたことも嬉しかったし、決定的な瞬間を捉えるために私たちが日々考えていることや
行動していることを伝えることができ、更にどのような考えで行動をしているかを
改めて振りかえらせてくれたお父さんの質問に感謝している。
Coordi By Kudo Satsuki
決定的な写真は「決定的な瞬間」を捉えている写真ではないかと思う。ただし、その決定的な瞬間というのは人によってさまざまかもしれない。つまり、写真を撮影している側と撮影される側、そしてその写真を観察する側などの立場によっても感じることや想像することも変わってくる。
特に私たちが撮っている写真はこれらの要素を全て考えながらシャッターを押さなければならない写真であると考えている。
自分の主観だけを取り入れた写真は自分以外の世界では共感を得られない自己満足的な写真に過ぎない。
一方で、自分の意図や主体性があまり取り込まれてない写真も被写体をそのまま模倣して、
記録した写真にしかならない。
写真についてはライフスタジオで様々な考えや定義がある。その一つが「写真は関係性の表現」である。
写真で関係性の表現をするためには、関係性を表す行為などを自分の頭で描きながら、
その動作を作るために被写体に色んな指示をする。それは自分が感じている感情を被写体に当てはめてみたり、
被写体の感情になってみたりする「主観を取り入れる」過程かもしれない。
そこで、被写体に対して色んな指示を試してみる理由は自分の主観だけではなく、
被写体から発散する主観も引き出すためであるからだ。決まったポーズを注文して、
その瞬間だけを撮る方法は証明写真とあまり変わりがない。撮影者の意図や表現を取り入れながら、
被写体が私たちの意図から自由になる瞬間を私は待っている。
その瞬間こそが、私たちが表現したい本当の関係性かもしれない。
この一枚の写真のシャッターを切るときがまさにその関係性が見えた瞬間でもある。
優しく妹のことを全て受け入れてくれるお姉ちゃんと恥ずかしがりやだけとお姉ちゃんと一緒にいると
元気になる妹ちゃんの関係性を表現したかった。いつも通り被写体に手を繋がせたり、
見つめ合わせたりする声掛けの中で、ふたりの身長の差から伝わる年の差を表現するために
お鼻を触らせる指示をした瞬間、私の指示から自由になった2人の姿が見えてきて、
急いでシャッターを押した。
それは背伸びをして一所懸命お姉ちゃんのお鼻を押している妹ちゃんの動作と
強くお鼻を抑えられながらも、引かずに自分は優しく妹ちゃんのお鼻を押しているお姉ちゃんの瞬間が、
私が意図した主観に被写体から発散される主観が交わる瞬間だと感じた。
つまり、私の指示通り動いてくれたけど、そこから見えてきたふたりの動きは普段のふたりの関係性を
撮ることができた決定的な瞬間だと私は判断した。
もちろん、この瞬間を美しく表現する必要がある。
それは撮影の技術的な部分であり、瞬間的な場面を逃さないテクニックでもある。
この瞬間私は下から被写体を見上げて撮るアングルを選択した。
その理由は下から妹ちゃんが手を伸ばしている動作をより強調したい思っていたからだ。
また下から見上げたアングルはふたりの身長の差をより強調するからだ。
あとは光の方向性である。逆光で入ってくる光はふたりの姿を優しく包み込み、
ふたりの関係が暖かて、柔らかいことが伝わってくる。
このように私たちは決定的な瞬間を捉えるために毎回様々なことを考え、悩み、撮影に臨んでいる。
最後にこの撮影が終わった後、まさにお父さんから「あなたの決定的な一枚は何ですか?」と聞かれて、
もちろんこちらの一枚を伝えた。
お父さんから聞かれたことも嬉しかったし、決定的な瞬間を捉えるために私たちが日々考えていることや
行動していることを伝えることができ、更にどのような考えで行動をしているかを
改めて振りかえらせてくれたお父さんの質問に感謝している。
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