Photogenic
仙台泉店
選択肢と選択
投稿日:2025/3/31
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– 振袖写真を“かっこよく”切り取るという選択 –
成人式の写真といえば、華やかで明るく、にっこりと微笑む姿を思い浮かべる方が多いかもしれません。
けれど、今回撮影したのは、そんな固定観念を裏切る一枚。
真っ黒な背景、たったひとつの光。
そこに映し出されたのは、自分で選んだこだわりの振袖を、まるで鎧のようにまとった彼女の“意志”そのものでした。
彼女が選んだのは、深いグレーと金の刺繍が施されたクラシカルで凛とした振袖。
「大人になった自分が、誇りを持って着られるものを選びたかった」と話すその瞳には、自分らしさを大切にする強い意志が宿っていました。
可愛い、きれい、だけではない、“かっこよさ”という価値観を、成人という節目に表現すること。
それは今の時代を生きる若者たちの、新しい美しさのかたちかもしれません。
撮影では、あえて背景を完全な黒に設定し、ライティングはワンライトのみ。
光は右上から斜めに差し込み、彼女の輪郭と振袖の質感を際立たせました。
布の光沢、髪の艶、表情の陰影——すべてが光と影のコントラストの中で際立ちます。
このようなライティングは、シンプルだからこそごまかしが効かず、被写体の姿勢や表情、衣装の質がすべて露わになります。
だからこそ、モデルとの信頼関係と、事前の丁寧なコミュニケーションが不可欠。
「この写真を撮る意味」を共有したうえでシャッターを切ることが、撮影者としての責任でもあります。
振袖写真といえば、背景セットや花、和傘など、華やかな小物を使って彩ることが多いもの。
でも、それらを削ぎ落としたときに残るのは、「その人らしさ」だけ。
潔く、凛と立つ姿の中に、その人の生き方や価値観が表れます。
この一枚は、20歳という人生の通過点でありながら、ある意味“出発点”でもある瞬間を切り取ったもの。
自分で選んだ振袖を身にまとい、自分で選んだスタイルで残す記念写真は、
「他の誰でもない、自分のための成人式写真」として、これからの人生を励ます存在になるかもしれません。
「かっこいい写真が撮りたい」——その想いを、私たちは大切にしたいと思います。
写真は、時代とともに形を変えながらも、
本質的には“自分を肯定するための表現”であるべきだから。
本人もたくさんの選択肢の中から1つを選択したのだと思います。
全てのことでさまざまな選択肢はあります。仕事でもプライベートでも、自分自身がどれだけの数から選び1つにしたのか、それでその選択は深く濃いものになるのかなとふと思いました。
write by Chiba
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