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この1枚の写真-7 [今・・・]
投稿日:2010/7/29
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雲が晴れた。そして私はこの状態が続いてほしいと思っていた。
いつかは無くなる雲、そしてそれを記録しておきたいと思い、携帯を手にした。
一つの手をハンドルに置き、もう一つの手でシャッターを押し
その携帯が空を隠してもう一度、その空がモニターに映し出された。
‘カシャ’という音と共にその記憶は保存され、その瞬間は過ぎていく。
“そうか”では終わらず、なぜそれを手にしようとするのだろうか?
何か物足りない気持ちを隠しきれない。
入れても入れても物足りなさを感じ、その物足りなさを埋めるために
私たちはいつも忙しく、何かをしている。
通りすがりに偶然みた花から、いろんな感情と記憶を残していくそれ自体が、私のものになるように必死だった記憶がある。
破壊し制圧して、私でなければお前もだめなんだという考えをもったこともあった。
それと一つになってその全てをそのままうけとめる準備はできていなかった。
写真を撮影する行為が、不足な私たちの欲望を満たしてくれるものなのかもしれない。
満たしていくその瞬間に、物足りなさを感じるその状態は忘れられる。
終わりの無い事実が問題だろうか?所有なのか存在なのかという長い問いは、私を臆病にさせる。存在でありたい気持ちと、所有する行動の間でさまよう弱い人間の姿が思い浮かぶ。
終わりのない人間の実存に関しての問いに対し、答えを求めることは放棄したようだ。
だから無理に推し進める方法を選ぶことも、もう時間がたった。そしてそれをうまく包み込む技術も、日々磨かれていく一方だ。
しこりが残るこの堅いあざのような状態から脱出する道を捜さなければならない。
助けてくれる人を探して、長い道のりを歩いてきた。
このごろ、それは私の中にいるのかもしれないと思ったりもした。
問題の始まりと結末がある私の中に、今年の冬は冬眠しながら、見つめてみようと思う。
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