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この1枚の写真-5[新潟の海]

投稿日:2010/5/30

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待ったことがあるか?

私をつかんでなきながら、声を出すこともなく、私のために笑っている友達。

でも

一瞬その友達が自分の中に深く入ってきて、何年ものあいだ自分を縛っていたその存在と出会う、瞬間を・・・・

 

映画“Point Break”の中で銀行強盗であるパトリック・スウェイジがサーフィンボードをかついで、50年ぶりにくるというオーストラリアの波にのりに行く姿を見守るFBIの“待ち”・・・

 

新潟に行く道で、たくさんの光景が変わった。

明るい春の日に太陽がまぶしいほどに気分を照らしたと思ったら

山を越えたらすぐに雨が降ってきて、海側に近づくほどに鮮明なグレーの自然・・・をつくりだしていた。

えてきて、彼は海に向かっていき、そして私はそこにいた。

どれくらい時間がたっただろうか・・・彼が戻ってきた。

涙を流したのか、目元にはまだ涙が残っていて、車に乗るなり彼が言ってきた言葉は

“トイレはどこだ?早くしてくれ。”

 

友達は、小さくなっていた。

でも、彼の心にある小さな種火はまだ残っていたし

新潟の海でそれを確認した。

嬉しくもあり、悲しくもある。

もう一度発見したその種火で、この世の中をもう一度がんばって生きていかなければならない彼をみながら、嬉しくもあり、悲しくもあった。

適当に妥協して、適当に無視しながらでもいいのに・・・もう一度生きるためだけの力を得たということが・・・

 

この、嬉しくもあり悲しくもあるこの感情の状態の写真を、撮影したい。

豪雨におおわれた広大な海に向かって走っていく銀行強盗のその姿を見ながら、彼もそう考えただろうか?

死ぬかもしれないけれど、50年に1度くるというその波に、

それを感じるために今まで生きてきたと自信をもってその波に向かっていくその後姿をみながら・・・

 

ソウルに戻った友達は、かえってすぐに長文をおくってきた。

 

最初部分はこうだ。

 

幸せになることを、恐れるな

 

サガナムをやめ、“someday”をオープンし、忙しく縛られていた5ヶ月をすごしながら漠然とした成功を信じてきた。

でも、心から自分自身に対してどうして成功しようとするのか

成功というのはいったいなんなのかさえ、問いかけることをしなかった。

結局、答えを見つけるためには、何を探しているのかを正確に知らなければならいということだ。

 

私は何がしたいのだろう?

結局、私が望むことは、幸せになるということだった。

でも、私は幸せとは何なのか、知ることができずにいた。いや、知っていると錯覚していたということではないか。

 

多くの物質的な、観念的な単語を並べてみても

不安は募り、いったい何ができるのか、つながっていかない状態が私を苦しめ続けた。

それは、私が心から望む幸せではなく

幸せといいながらも、もしかしたら幸せと教育をうけてきたものに過ぎなかったからだ。

 

私は、周囲の人たちに、家族に、スタッフたちに、

私を知っている、そして私を知ることになる人たちに対して

心からの愛を受けることこそ本当の幸せなんだというすこしはずかしい結論に到着してみて初めて、

私が何を見落としてきたのかということを、知ることになった。

 

お金を稼ぐ理由

そして私の能力では力不足かもしれない事業をしながら

成功しようと必死になる理由さえも、結局は周囲から認めてほしいという必死さの現われだったのだ。

 

結局、簡単でありながらも知ることの出来なかったことによって

どれだけ多くの人を苦しませてきて、傷つけてきたのかということを思うと

恥ずかしい気持ちに顔をあげることができないほどだった。

 

一番近くは私が逝かれる前の日まで嫌いだと思っていた父親に対し、とても申し訳なかった。

彼が私のために、そして家族の幸せを守っていくために努力をしてくれたのにもかかわらず

経済的な困難のため、あまりにも苦しくてお酒を飲みながら過ごし

結局亡くなったが、私の中には私の幸せを願ってくれる人として、記憶されていたのだ。

4人兄弟の幸せを願わなかったのではなく

大韓民国で幸せとして意義付けられている富というものによる幸せと、

富を蓄積していくための手段としての勉強

そして、それを指導するための軍隊式の規律の文化が私たちの幸せを守ってくれるものだと考えていたこと。

自分でさえも父親の余裕のある経済力が私の幸せを保証してくれるだろうと考えていたこと。

 

サガナムで会社のために本当にがんばってくれたのに

結局はサガナムをやめていったスタッフたち・・・

“本当にがんばってお前たちにもう一度楽しい会社だと思ってほしいけれど

今は税金のために大変だから、仕方がないんだ”といういいわけしかすることができなかった。

楽しい会社とは何なのかさえ、定義づけることができなかったのだ。

彼らが支払われない給料と成功のビジョンを見ることが出来なかったらサガナムをやめていくんだと考えていたためだ。

 

今、もっとも申し訳ないのは私の妻に対してだ。

結婚して一度もけんかをすることがなかった妻と、小さな言い争いが生じて

“今私がお金をもうけてないからだろうな・・・早くなんとかしなくちゃいけない。そうしたらもっと堂々とできる”と、考えていた。

本当に死ぬ気でがんばっているのにわかってくれていないと、寂しい気持ちにもなっていた。

妻は私に寂しいといってきただけだったのに・・・・

 

私が皆さんにささげる報告書の題名を

“幸せになることを恐れるな”とした理由は

私が堂々と、私にとってはこれが幸せだと、恥ずかしかったり人見知りのせいで・・・という言い訳でいえない理由にしてしまったら

は結局、何も出来ないと思うからだ。

 

それならば、私はどうやって幸せにしてあげることができるのか?

ただ私が存在しているだけで周囲の人々が本当に私を愛してくれるだろうか?

 

 

私はその方法を、結局、私が本気で心から愛してほしいと思っている彼らに

各自違うだろう幸せというものについて、

そしてそれを実現するための夢と目標を見守り、成就していくことのために一緒に努力していかなければいけないという結論を出すにいたった。

彼が私を、新潟の海に連れていってくれたように・・・・・・・

 

 

 

新潟の海はその日、あまりにも変化した。

私も、彼の気持ちになれたし

見つめた海は、だからこそ、違ったのだ。

波の光と音

遠くの雲から漏れてくる光と音、そしてその友達の内面から出だした

光と音。

 

そしても出てみようと思った。

だから、一緒に全速力で走った。

デルマとルイスのように・・・

 

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それは、出会う全ての人が生きている証を確認できる場所になること。
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