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本社
ペパーミント・キャンディー
投稿日:2009/5/29
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‘キャッチャー・イン・ザ・ライ’の ‘PIN..’の話をしながら思い出した韓国の映画があり
ここで紹介をしようと思います。
“パッカサタン”(ペパーミント・キャンディー) .
私が最もお勧めする映画です。
純粋だった10代後半の青年が、韓国の80-90年代を通過しながらどのように変化するのか
リアルに表現している映画です。
少しずつ破滅していきながら“もう一度、もどりたい”と叫びながら自殺をはかり
生を断ち切る内容なのです。
韓国社会がどのような過程で変化してきたのか、
そして個人と歴史がどのようにつながっているのかを、わかりやすく見せる映画です。
大きな期待はせずに入った映画館で
10人にもみたない人しか、そこにはいませんでした。
こんないい映画があるのに、このままじゃいけないと思い
事務所にいる友達をすべて呼び、私がチケットを買って2回、見ました。
公開後、2回もみた映画はこの映画が初めてでした。
1度目に見たとき、私は泣いていましたが
一緒に見に行った女性は私に好意をもっていたのか頭を私の肩につけました。
なんて絶好のチャンスなんだ・・・・といえるような情景なのかもしれないですが
涙を流していた私の心の中では、虫が飛んできて私の肩にとまった・・・・そんな気持ちでした。
もちろん今ではそんな状況にもう一度なることを、指をくわえて待っていますが・・・・
内容を要約してみると
映画は私たちの周辺によくいるような、純粋な青年が主人公。
しかし軍隊に入り、人生が空回りすることに・・・
時は1980年。
19年という長期政権をもっていた朴チョンヒ大統領が側近による暗殺をうけながら
「新軍部」という全斗煥(チョンドゥファン)を中心とした将校集団が徐々に勢力を集めました。
その当時社会は長期独裁から抜け出し、開放の喜びを味わうことになるけれども
新しく登場した新軍部に対する対決を準備することができないまま、“ソウル駅回軍”を決定することになります。
これに対し進軍部は全国に非常戒厳を拡大し、重要都市の大学に軍の兵力を配置しました。
軍隊動因に全国でデモが起こりましたが、光の村光州だけが非常戒厳と軍兵力駐屯を拒否しながらデモを行いました。
これに対し軍人たちは一斉射撃とともに光州民主抗争が始まりました。
この時代をもう少し知りたい場合は“贅沢な休暇”という映画をみれば、詳しく知ることができます。
この時期に主人公の部隊が光州に行って自らも鉄砲に当たりながら、人を殺すようになります。
軍隊の期間を終えたあと、彼は警察になります。独裁政権の警察の多くがそうであるように、
政権維持のためだけの役割に彼は自分がもっている若い頃のパパーミントキャンディのような純粋だった初恋の思いでを押し殺し、もっと凶悪な警察になっていきます。
警察をやめ、事業に成功するかのように思わせながら証拠取り引き詐欺、友達による事業詐欺、そしてやくざに追い回され、離婚をし・・・・・
写真を撮りたいと思っていた10代後半の彼の前に、初恋の彼女が現れ20年後の自殺を予言するかのように鉄道の降下したに横になり、涙を流すその純粋な姿を映し出し、映画は終わります。
キムチャンドン監督は小説家であり、この映画の台本も直接書きました。全体的な構成と登場人物の台詞もしっかりしています。特に、キムヨンホという主人公の役割をした映画俳優であるソルキョングは、誰にも彼の役は真似できないだろうと思わせるほどのものであり、映画界の中で現在は韓国を代表する映画俳優として活躍しています。
人生は美しいか?という質問が、映画の中で2回でてきますが、79年のヨンホにとって人生と世の中は美しいものであり、それを写真で表現したいと思っていました。20年がたち、初恋の彼女からもらったそのカメラに入っているフィルムを捨てながら泣いている彼の姿を見ながら、私も泣きました。
俺、あのころにもどるよ・・・・・
19歳、はにかむように傘を持って、腕が触れ合っていたあの夕立ち中に・・・
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