私自身写真に関して博識なわけではありませんが、この1枚を見た時に感じたものそれは「美しい」ということと、この1枚の写真がとても細かい部分にまで着目し表現されていて「完成度が高い」ということです。

親子の関係性を感じさせてくれる部分、愛らしさの詰まっている部分を捉えています。お母さんに自分の顔を近づけたくて、必死に背伸びする小さな足とまっすぐに母の顔を見上げる少女の姿、そして優しく待つ母の顔をきちんとこの1枚に捉えています。

普通に表現するのではなく、春という季節までも、水たまりというそこにある環境までもがこの2人を主役に優しく包み込んでいるようです。2人の愛の溢れる瞬間にまるで時間が止まったかのように感じさせてくれます。

舞い落ちる花びら、水たまりに落ちた桜の花びらがふんわりとぼけながら、この二人のあたたかな関係性を効果的に表現しているように思います。誰もがあこがれるような写真。春の季節に、大切な家族との一瞬をこんなにも美しく表現してもらえる。そんな1枚を見ながらカメラマンの愛も同時に強く感じました。

ご受賞、おめでとうございます。