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千葉フォレスト店1次オープンを前にして。。。
投稿日:2018/4/30
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千葉フォレスト店1次オープンを前にして。。。
千葉フォレストの4月は美しいです。1日1日が違い、竹は空に向かって突きあがり、芝生はよく育っています。ノエマの壁に垂れる木の影は心を穏やかにします。雨が降ると少し憂鬱にもなりますが、それでも風情ある情景です。5月下旬、初めての撮影を控え、皆夢中で仕事をしています。1日1日千葉フォレスト独自の姿が少しずつ出てきている今、千葉フォレストを構想した最初の時期を思い返しています。初心に帰り、私達が行こうとする方向を点検してみました。千葉フォレストは、単純に店舗を拡大するために設定したわけではありません。名分があり、壮大な計画もありました。少し忘れていた傾向がありもしますが、その後の議論と決定は、私達を動かす力です。
[NEW FLY]という名前の集まりが作られ、議論が始まってからもう2年が経ちました。何かをしなければならず、話が通じる人達で構成されました。現在の生活と仕事に大きな不満はありませんでしたが満たされない何かがありました。より面白いこと、より意味のあること、よりうまくできることが何なのかについての話が2つの主題として集められました。
[組合]と[ウエディング]
人々は組合を真新しいものでも見るかのように受け入れました。社会や国をはじめ、人が集まれば組合の形態をとります。人が集まったというのは、少なくとも2つを持っています。目標があり、規則があります。世界平和や基本権の確保など、壮大な目標もありますが、簡単におやつを食べながら話すような素朴な目標もあります。また、常識であれ、固定観念であれ、長い時間構築してきた文化であれ、目標を達成するための一定の規則によって、人々は動きます。結婚も組合の一種です。2人が1つとなり幸せな人生を営むための目標を設定し、ゆっくりと規則が作られます。
組合は、横的な繋がりを中心にします。私達は、縦的な繋がりに慣れています。幼稚園の頃から整列を学び、先生の指示に従わなければなりません。社会に出ると社長がいて、職場の上司がいます。全てのことが決定されており、その中で自身の位置をよく探していかなければなりません。仕事をさせる人と仕事をする人、権力を持っている人と権力の力によって動く人が定められている構造で生きています。私の思考と行動を一定の範囲で規定し、その中から抜け出すことをタブー視します。だから自身の利益を侵害されることについて極度に警戒しています。いくらもありもしない小さな権利について敏感に反応します。超えてはいけない線をなくし、横的に自由に連結されている構造は、人間らしさのスタートラインです。だから1人1票の原則があり、公論の場で熟議し協議する文化が前提とならなければなりません。組合と法人は形式的に大きく変わりません。株式を所有しているのと組合員として参加することは、形式的には同じ意味です。ところが、現実的に株は、排他的な性格を持っており、組合員は、開放的な性格を持っています。法人の最初に立ち上げ株式の相当部分を持っていると、絶対的な権力を行使します。組合は、どんなに多くの出資金を出したとしても、1票の権利だけを行使します。1円1票と1人1票では似ているように見えても全く異なる役割をします。[NEW FLY]で組合を考えた決定的な理由は、根本的に異なるシステムの実験です。会社の主人は、最初に法人を設立したオーナーや社長であり、給料をもらい決められている仕事をするという前提は簡単に変わりません。共にしなければならない、自立した人達の経済共同体を作らなければならない、と話してきましたが、私自身も所有への執着を捨てることは容易ではありません。支配と被支配、指示と服従、挑戦と宿命の構図は硬いのです。ならば、始めから平等な構造、最初の設定から上下関係がない組織であれば、少しは変わるのではないかと思いました。組合は、信念に基づいています。共通の目標が自己化すると、それが信念になります。目標を明確にし、誰もが主人となれる開かれた構造の形式を組合がとっています。ONE POINTもどんどん組合の方向に向かっているところです。共に議論し、共に決定し、一緒にその結果に責任を負う構造を作っています。これと同時に、[NEW fly]では、先制的に組合という具体的な実験をしています。
ウエディングは、私達が最もうまくできる事であり、日本の写真文化を変えるという良い名分もあります。現在の日本のウエディング写真は、技術的に完成度が高くありません。何というか。。。卵からでてきていないというような感じです。数十年続いてきた基調を維持しています。一言で言うと美しくありません。ウエディングに対する人々の欲望はとても大きいのです。その欲望は、小さな卵に凝縮されています。厄介な形式にのみ限られています。その小さな卵に小さな穴を空けるだけでも、その欲求により卵が割れてしまい、新しい世界が作られるという考えをしました。まだ行ったことのない長い未来を私達が作ることができると思うと、すぐに興奮状態に入ります。それほどにウエディングは、私達がうまくできる、具体的な結果を予想することのできる事です。そのため、広い空間を探すようになり、3000坪の牧場を発見しました。2年近くインテリアをしながら、だんだんと可能性が現実のものとなっている感覚です。工事期間が2倍に延び、予想金額も2倍増え、とても貧しい今ですが、何かが成されている感覚は確かにあります。現実的な理由から、1次オープンをし、一息つきながらウエディングのために精密な作業をしていくための計画を持っています。
組合とウエディングという素材を持って、[NEW FLY]は2年間走ってきましたが、多くの限界もあります。共にするということの難しさ、共有地の悲劇、方向性を見失ってしまう能力の不甲斐なさを自ら目撃する2年の時間でした。少しずつ姿を現わしている千葉フォレストを見ながら少し報酬を受ける安心感もありますが、今後進むべき道はまだまだ残っているという考えを同時にします。
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