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おじいちゃんになる日が遠からぬ

投稿日:2017/11/20

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2017.11.05
 
 
姪っ子が結婚しました。

もう時期「おじいちゃん」と呼ばれる日が来そうです。私が小さかった時、おじいちゃんは老人を意味しました。時々耳にする「おじさん」という呼び名にもまだ慣れていない私が老人となるのです。これまで生きることができて「おじいちゃん」と呼ばれる資格が与えられたのは感謝していますが、妙な気分です。
 
20代半ばからウェディング撮影を7年ほどしていました。結婚を目前にしている数多くの予備新郎新婦に出会えました。一番いい瞬間を逃さずにシャッターを切ります。あれほど幸せに満ちた多くの新郎新婦に出会ったのにも関わらず、自分は一度も結婚に対する憧れを抱いたことがありません。結婚を拒否するというよりただ無感覚だったように思います。その気持ちは今もなおです。時々自分好みの奇麗な新婦を撮影する時はカメラを覗きながら「新郎の人はラッキーだな」と呟くぐらいでした。
 
姪っ子のチンジュが結婚します。と言ったのも季節の変わり目と共に訪れる定期検診のような気持ちでした。人と出会い、いい関係を維持する一つの方法として結婚があります。遺伝子の繁殖という義務はもっぱらなくなり、現代は結婚も選択の問題になっています。同居で済ますこともできるし、契約をすることもできるし、結婚も一つの方法です。姪っ子は結婚を選択したのでそれに伴う責任と権限を自らに与えたことになります。先日新郎になる人にあいました。いい人という印象でした。姪っ子の父親とも色んな部分で似ています。姪っ子は父親が好きだったし、彼と似たような男性をパートナーとして選びました。自然なことです。お互いが一つの共同体を作ることに自然らしさは美徳です。仕事がなされる原理が作動しているのだと思いました。初めての出会いで私はずっと喋っていました。二人は緊張して、私は例のごとく喋り続けました。帰り道、快い気持ちになりました。ドキドキしながら新しいスタートラインに立っている人々から漂うエネルギーが自分までウキウキとさせたのだと思います。
 
結婚はお互い好きな人同士が結ぶ未来への約束です。一緒にいると楽しいし、その楽しい気持ちをより長く持続させ、より高い段階の幸せを求めるための絆です。自分とは違う人生を歩んで来た人との結合は希望と緊張が同時に存在します。希望と緊張があり続けることは出来ないので蓄積の力による慣性の法則が登場します。一緒にいること、どんな関係や組織よりも強力な繋がりを求める結婚は簡単そうで難しいことです。現実的に言う結婚の定義は条件の結合です。最近では条件の部分がさらに強調される風潮になりつつあるのも事実です。結婚が成り立つまでのプロセスの中で条件は大きい役割を果たします。しかし、結婚の目的を成し遂げるための領域で見ると話は少し変わります。条件は必要なことではありますが十分ではありません。だから同じ理想を持って共に歩んでいくことが結婚の意味だと言います。条件も重要だし、理想も重要です。どちらかと言うと理想に手をあげたくなります。だけど、今まで自分が経験した異性との交際を思い浮かべて見ると表では理想を言いながらも裏では条件を計算していたのではないのかと思うようになりました。私が思う好きな女性、と言う条件を十分に満たしてなかったから、だから未だに彼女がいないのではないかと思います。では、自分が好きな女性の条件とは何か。これは言葉では説明出来ません。だから愛という感情は妖物です。
 
姪っ子のチンジュが3歳ぐらいの時、軍隊から休暇をもらい姉さんの家に行きました。ご飯を食べさせてもらい、お茶をしながらあれこれ喋った後、帰ろうとしたら姉さんがチンジュに「おじさんにチュウしてあげたら」と進めました。何度も進めましたがチンジュはその都度ママの胸に隠れ、最後に口にした一言は、
 
「汚い」
 
その時も汚かったし、今も相変わらず汚い私ですが、ただ一つこれまで相変わらずで申し訳ないなと思うのは自分の無関心でした。姪っ子が結婚すると聞いた時心の底から申し訳ない気持ちになりました。姉さんにもお義兄さんにもただ申し訳ない。なぜそうなのかは分かりません。やるべきことをやっていなかった時の負債意識が結婚を機に出て来たのかもしれないし、いつの間にか成人になり自分の結婚を決めるほどの大人になっているのに、その中で私が何も役に立ってあげなかったと言う申し訳なさかもしれません。自分の人生を自分が生きるものですが、その過程で介入しなかったり、そう出来なかったりしたのが現実に現れる瞬間です。そうは言ってもこれからもおそらく無関心で生きていく私だとは思いますが、自分の心の底にそう言う気持ちがあったんだと確認できたできごとでした。チンジュのおかげで「おじいちゃん」になる日が間もないですが、だからこそ彼女の未来にもう少し幸せな瞬間があるよう、祝福してあげないとですね。
 

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