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写真館オープンマニュアル① 「店舗探し」
投稿日:2017/9/28
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写真館オープンマニュアルを10項目に分類して整理していく計画です。
店舗オープン経験が一部の人しかないという問題がありました。
今までの試行錯誤、限界、成果をまとめて
より高い水準に引き上げるため「写真館オープンマニュアル」を制作します。
店舗オープンの専門家を養成する材料として活用してほしいです。
写真館オープンマニュアル1
店舗探し
2017.09.09
ライフスタジオに最適な店舗を探すためには地域・予算・規模・自然光・構造・交通便・駐車場・大家さん・周りの環境など色んな考慮事項があります。店舗を探して見ると100%満足できる場所は存在しないことがわかります。むしろ短所を長所に昇華させる技術が切実です。店舗探しは妥協の結果物です。妥協をするためには自分が求める目標が鮮明になければならないし、その目標に当てはまる基準が必要です。目標や基準がないと決定的なミスが起きる可能性が高いです。
では、店舗探しにおいて考慮すべき要素を羅列しライフスタジオに最適な条件についてお話しします。
★店舗の形式
店舗の形式はハウス・倉庫・単独建物・商店街・オフィス・ショッピングモールなどに分かれます。青山・大宮・下北沢点はハウスで、名古屋と青葉店は単独建物、草加店は倉庫にちかいです。商店街やショッピングモールは独自の規制があるのでライフスタジオでは試みてない形式です。
店舗の形式はそれぞれの長所と短所があります。ライフスタジオ1号店の青山店がハウスから始まったことから5〜6年間10店舗以上の店舗がハウススタジオの形式を取っています。ハウスは自然光の確保が容易ですし、撮影・相談室・事務所など場所の分け方にも困らないためインテリア費用が比較的に安いです。また、リラッフクした雰囲気を演出しやすい長所もあります。ただし、狭い空間と低い天井は平面的な撮影という決定的な限界があります。こんな短所を克服する種越谷店オープンを起点に単独建物と倉庫を中心に店舗探しが始まりました。
何が決定的に良いとは言い切れませんが、現在は単独建物で倉庫の形の店舗を好んで探しています。まず、高い天井と広い空間は統一感のあるインテリアができるという長所があります。草加店で確認された単一したイメージの創出は写真館のアイデンティティとマインド、もっと広くはブランド強化とも繋がります。また、写真の表現範囲が拡大されます。各種レンズ、背景と人、深度、空間の中の光、団体写真などにおいて効果的です。つまり、写真で表現できる空間の美しさと写真館が求める主題の実現という側面から見て単独建物である倉庫がぴったりです。ライフスタジオが作って来た暖かい感性と倉庫が持つ自由さが出会い新しい形の写真館が生まれる可能性もあります。しかし、短所もあります。インテリア費用はハウスに比べて2倍以上かかるし、冷暖房の問題に夜維持費の高さもあります。また倉庫は基本的に外壁だけがあるので繊細な注意と高い技術力が要求されます。空間が広いからイメージが自動的に生まれるわけではありません。むしろ、人工的で作業した不自由な雰囲気が演出される可能性もあります。
10年前にはハウススタジオがほとんどありませんでした。希少性による弁別力は競争力に繋がりました。最近3〜4年の間ハウス型スタジオが多くなり、これからもしばらく多くなる予定です。写真館オープンの壁が低くなっていることの証です。ハウススタジオは少ない資本で気軽くオープンできる条件です。今後10年間、ハウススタジオの盈虚が明らかになるでしょう。競争者が多くなることも長所と短所があります。予約率が以前より落ちる現象も発生しますが、広く見ると写真館の外延が拡張される効果もあります。ライフスタジオはハウススタジオで積み重ねた試行錯誤と技術に基づいて新しい日本写真館の外部環境を作るために倉庫型スタジオに移行しています。現在千葉でライフスタジオだけの装甲型スタジオを実験しています。千葉を起点に倉庫型スタジオの流行りを作り出すライフスタジオになることを期待します。
★家賃
不動産使用料に関する観点から見ると売買・家賃(月々)・売上対比家賃の三つの方法があります。資産家や大型ショッピングモールに入店する場合でなければ、大体は毎月の家賃を払う方法で店舗を探します。一般的に家賃は売上の10%を超えないのが妥当と言います。予想売上が300万円ならば30万円を超えないようにします。それ以上になると売上に対する敏感度が高まります。家賃が上がると使用面積も上がります。これは不動産契約関連費用(保証金・敷金・礼金・手数料)及びインテリア費用などのオープンの準備段階での費用上昇を同伴します。オープン以降も電気代など光熱費、香辛料などの不動産費用、スタッフの構成にも影響があります。従って、店舗を探す前にまず家賃の上限戦を決めた方がいいです。そのためには予測できる売上を先に出す必要があります。予測売上は写真館が追求する目標・方向と関連がありあす。この部分は別途の場で説明します。
店舗を探しているとより広く、よりいい環境が良く見えがちです。だんだん基準が高くなります。最初設定した家賃では満足できない状況になって未来の規約のない希望を根拠に欲を出す場合があります。正直、最初に設計した金額より10万円高くなったからといって店舗運営に決定的な影響がある分けではありません。反対に家賃に囚われて適してない場所に決めてしまうとこれから先公開し続けることもあります。ただし、予想より無理して払った家賃は全ての不平不満、言い訳と合理化の道具に使われます。固定にの2大軸が人件費と家賃です。人件費と違い家賃は契約と同時に固定されます。売上希望に合わない過度な家賃は繰り返し問題のタネになります。ライフスタジオでは20〜30万円程度の家賃が敵低水準と判断しました。売上対比5〜10%です。売上が200万円に落ちても耐えられる条件です。
現在の写真館の広告は3つあります。オンライン上の検索広告、チラシなどのオフライン広告、ショッピングモールに入るなどの家賃による広告。ライフスタジオはインターネットを基盤に営業をしていますが別途広告費用が発生します。各店舗は地域を基盤としますが、駅前や繁華街、商店街など制限されたりはしません。またほとんどの顧客が自家用車を利用するため店舗位置に対する接近性に対する余裕があります。店舗の立地において特定の地域や制限がないので家賃が安いところになる可能性が高くなります。賃貸が安いということはその分、目標の達成がしやすくなります。スタッフの採用、売上と利益率、余裕時間と活用、持続可能性において家賃は大幅に影響を与えます。
★調査
店舗探しの調査はインターネット、不動産事務所訪問、車を利用したパトロールの3つの方法があります。ライフスタジオの最初の物件探しはインターネット、不動産、車が3:3:3の比率でした。ネット上の情報が不十分だったからです。しかし、現在はほとんどの物件がネットに上がっているようです。だけど全てをネットでは解決できるわけではありません。不動産訪問や車で回ることも必要です。ここでは私なりの店舗調査方法について話して見ます。
1つ。地域・店舗形式(ハウス・倉庫・商店街など)、家賃の上限値が決まるとインターネットの不動産サイトで調査を始めます。各種不動産サイトに上がっている物件はほとんど一緒です。その中でも写真や間取り図などが見やすいこと路はat home(www.athome.co.jp)です。ここで地域を中心に検索します。良いと判断される物件は別途の文章に書いときます。1時間ぐらい見ていると数十件の物件が設定されます。具体的な住所は出ませんが、グーグルマップと写真を照らし合わせて見ると店舗の外観と周辺環境を確認することができます。この過程を1週間ほどやっていると直接見に行く価値のある物件が10件ほど残ります。
2つ。決めた物件を東西南北で4つのグループにまとめます。一日に1グループを超さするつもりで動線を決めます。その動線に沿って車で回ります。調査した物件を確認して地域の不動産事務所で情報を取得しながら地域になれます。その地域に慣れることは本当に重要です。店舗の決定は泥の中で宝石を探すよりは「このぐらいの物件はまあまあ良い」という妥協の結果物です。絶対評価よりは相対的比較の優位が決定的根拠になります。地域の不動産事務所に行って色んな情報を取得をし、車で地域の雰囲気を把握するのも妥協するための資料を貯める意味があります。時々不動産事務所だけが持っている物件や車でのパトロールを通じて偶然に建物に貼ってあるテナント募集を発見する場合もあります。4つのグループに設定して4日ぐらいの地域を調査すると大体のアウトラインができます。
3つ。このぐらいに来ると自分が集中攻略しようとする地域と建物の形式が決定されます。ここからは決まった地域に対して細かい調査が必要です。二つの方法があります。各駅にある全ての不動産事務所に入ってその地域の全ての道路を探します。これもそんなに時間がかかりません。一日目は歩いて駅周辺を、二日目は車で土地勘を覚えます。集中攻略するから良い物件が見つかる訳ではありません。結局自分の中に決定のための資料蓄積の過程です。「あ、このぐらいなら良い」ができればオッケーです。
4つ。ここまで来ると自分の中でライフスタジオに合う2〜3つの物件が残ります。ここの中で暫定的に決めた物件の内部を見る必要があります。一日全部見られるように内見予約をします。この日は複数の人が一緒に見るのが良いです。人々の意見は同じでありながら違います。長い間店舗を探すために時間を費やした人は一種の傾向性を持ちます。また妥協をする準備があります。「この店舗が100%満足できる訳ではないけど、比較的この物件が良い」と考えます。自分は相対的に考えますが、その日初めて見た人は絶対評価をします。建物の立地や光、家賃、周りの雰囲気、構造などを見る目線は一緒だけど、この物件に対する評価は違います。時々相対的評価と絶対評価は一致する場合もありますが、そうじゃない場合もあります。この過程がないとその分確信に隙間ができます。店舗を決めるということは思ったより大きいことです。その分責任が伴います。従って妥協のためのプロセスを踏みます。
このぐらいが店舗に対する調査と決定が行われる過程です。良い物件が一つでもあれば調査と決定は楽ですが、普通は良い物件がありません。だから調査に2ヶ月以上かかる場合もあります。毎日at homeに入って最新物件で検索をします。物件がないと地域を全く変える場合もあります。だから調査と決定の期間は3ヶ月に決めてゆっくり接近するのが精神健康に良い気がします。だからと言って良い物件がある時に判断を遅らせると他の人が契約をする場合も屡々あります。効果的な調査と決定と共に動物的な感覚も必要です。
店舗を調査し見学をして地域をして地域を回る過程はいい経験です。色んな物件が目に入ると即頭の中にインテリアを完成します。車を運転しながらも、寝ながらも、ここには相談室を作り、あそこには衣装室を作るなどのアイデアを描いたり消したりを繰り返します。幸せな瞬間です。その過程で自分が持つ写真館に対する認識が拡張されます。もっと広く、もっと高いところで写真館を見ることができます。今まで自分ばかりがこんな楽しいことを満喫したことに謝罪します。これからは一緒にしましょう。
★店舗決定において考慮すべきこと
1.自然光
ライフスタジオにおいて自然光は決定的に考慮する事項です。何とも変えられない大切な存在です。物件を探しに行く時、真っ先に要おいするものが羅針盤です。いくら条件がいい建物でも北向きの建物では困ります。自然光は量と質が同時に考慮されます。我々が求めるのは直射日光だけではありません。建物の中に直接に入るのも重要ですが、光の粒子が空間全体に多いこと、そして色んな方向から光が入ることなども考慮されるべきことです。これは撮影に必要な光だけではなく、全体的なインテリアのバランスにおいてもかなり影響を与えます。自然光を基準に物件を探すときの順序があります。
1つ。建物の方向を確認
2つ。東西南北の4方向のうち、幾つの面から光の確保ができるか
3つ。窓の大きさと場所。
縦のもの状況を確認する時間は長くなるため羅針盤を持って光の方向を確認して、朝から夜までの光の動きを想像する必要があります。上記で言ったように光の状態は量と質を両方考えなければなりません。建物内の自然光の状況は正確な数値で計量できないので、色んな物件を比較しながら自分なりに自然光の点数をつけるのが良いです。また、天気が良くない状況なども予測して見ると良いです。
建物が南西、2面以上から光が入る、窓の数が多い、さらに窓の大きさがあるとより良いでしょう。草加店をオープンするとき入口のシャッシを設置するのに200万がかかりました。当時には多少負担に感じる値段でしたが、今考えて見るとその判断は良かったと思います。大きい窓がある建物を発見すると興奮状態になります。特に足元まである窓ならこれ以上いいものはありません。もし、大きい窓が北向きであってもそんなに構いません。南向きならもっと良かったけれど、北向きであっても蛍光灯と適切に調和するといい光を作ることができます。太陽や建物の位置を変えることはもちろん出来ません。だから直射日光が入らなくても主な光源を蛍光灯にして、補助校として自然光を使うこともあります。一つの空間を見るときに人工光と自然光の配置を基準にして光を読む必要があります。自然光だけでは全ての撮影をすると写真が単純になります。オレンジ色やグレーな光も、散乱する光も必要です。
もし、全ての条件がいいけど自然光がないならその物件に決めた方がいいか、諦めた方がいいか。自然光が全くないならどうか。自然光は決定的です。しかし、自然光が全くない空間を誰から無償で30年貸してくれると言うならどうします。もちろん、無条件もらった方がいいでしょう。自然光が決定的なのに、自然光が全くない空間に家賃がないからってもらう?ちょっと違和感がありますね。今のライフスタジオのように自然光で撮影するスタジオでは自然光の量と質は決定的です。自然光がないなら撮影の概念を変えるべきです。人工光だけで撮影できる世界へ侵入するべきです。自然光の題材ではなく、人工光の写真を構想すべきです。つまり全く別世界だということです。自然光と人工光が一緒にあると自然光が撮影しやすいので自然光の量と質を話すのであって、もし人工光しかないならとことん攻略しなければなりません。ライフスタジオはまだ人工光の世界に入門していません。それは逆を言うとまだライフスタジオの写真世界が狭いことを意味します。自然光への選択が、むしろ自然光の逆襲により私たちの写真世界が狭くなる結果を及ぼしています。
2.構造
物件を見るときに何で見た方がいいか、と言う質問をなんどもされました。色んな考慮事項がありますが、私が最初に見るのは構造です。内部の空間の分割、空間の面積、動線、窓とドアの位置、一目で入る空間の範囲などが構造にあたります。インテリアの家庭でも壁を作ったり動線を設計したり、空間を配置することはできます。しかし、現状で発生する根本的な空間の限界を克服したり変更したりすることはすごく難しいです。私たちが持っているインテリアの技術では限界があります。だからこんな表現をよくします。「10の空間が私たちが作業して11になったり100になったりはしない。この建物は11になれないから良くない物件だ」。つまりは同じ作業をしても上昇効果が高い空間と構造があります。そう言う物件を探す必要があります。
物件探しに経験のない人は現在の状況だけを見て判断する過ちを起こします。目に見える壁はどんな形であれ作業をします。新しい壁が作り、必要だったら大胆な空間分割も必要です。壁がいい木材や壁紙で飾られて、高級な窓ガラスがあるとしても大体は解体されます。現在の条件ではいいけれど、新しいインテリアには合わない場合がほとんどです。だから物件を見るときはすでに出来上がった状態に対する予想が必要です。その予想を基準に現在の物件の状況と構造を判断しなければなりません。特に平面的ではなく立体的な空間がいいです。空間はそれ自体が物語です。物語は面白くなければなりません。面白さを作るためにインテリアをするけど建物の構造自体を変えることはできません。空間が事務的で機能的に作られているならそこからイメージの創出や空間自体からの香りを作ることは難しいです。一番難しい空間が単純な四角い空間に窓が大人の腰から始まる横浜の窓が続いている空間です。白紙のような空間では最初から作らなければなりません。空間の分離が壁とは違う高さになっていたり、建物がいろんな四角の組み合わせで出来ているならそれ自体がインテリアです。一般的な設計でコスパのいい家庭用のお家ではなく、デザイナーが設計した大型住宅に行くと空間の配置に相当の努力を注いだことがわかります。小さく・大きくを繰り返し、同じ空間でも窓・ドア・壁面の比率を立体的に見せるための装置が配置されています。
しかし、構造のいい空間を探すのはとても難しいです。大体はただの四角です。だからライフスタジオの多くの店舗も美しさよりは機能的に設計された建物を借りてインテリアがされています。だけど、構造はとても重要です。
3.駅までの距離
駅からバスを乗らなければいけないけど候補1位の店舗と、候補2位だけど駅から歩いてすぐの店舗、あなたならどっちを選びますか。私の考えは駅から歩いて20分以内にある店舗を新たに探す、です。それでもなかったらバスで行く候補1位を選びます。ライフスタジオの予約はオンラインを根拠にしているし、多くの顧客が車を利用しています。駅から遠いと色んな不便なことがあるでしょうけれど、1位の店舗には勝てません。出勤・退勤が不便だけどそれ以上の時間を働く空間です。駅から遠いと家賃が安くなるのでスタッフ用の車や駐車場を借りられる余裕ができます。もちろん駅から近いといいけれど、バスを利用するからと言って最初から除外される理由にはなりません。まずは対象地域の全ての建物を視野に入れて調査を進めます。
4.駐車場
当たり前ですが駐車場は必ず必要です。問題は建物についているか近くの駐車場を借りるかです。建物についてないと色んな意味で不便さがあります。現在代々木店と市川店の駐車場が100m離れた所に駐車場があります。仕方がない選択ですが毎日発生する不便さがあります。もし、駐車場がなかったら決定的な失格事項になります。駐車場は3台停められると円滑な運営ができます。もし、建物に2台しか駐車ができないなら近くに駐車場を借りた方がいいでしょう。
5.面積
必ず必要な空間を羅列して見ると単独撮影空間2つ、事務所、衣装室、相談室2つ、トイレです。さらに撮影空間がプラスαあり、スタッフ用と顧客用の空間が割られるとなお良いでしょう。その条件に満足するための基準が50平米だと思います。つまり、50平米以上だと良いです。普通の物件は30平米が基準です。しかし、30平米では写真館を運用することはできません。ライフスタジオで同時に2組を撮影するのは不可能に近いです。一日3つ撮影だったら30平米でも回すことはできますが、5件以上撮るためには50平米以上を確保しなければなりません。過去、青山店で2人が一日8件の撮影をしたことがあります。出来ないことはないですが人間のやることだとは思えません。空間は色んな人々が価値を生み出す空間です。以前は私も最小限の条件を確保することが基準でした。しかし、写真館は価値を生み出す空間だと定義している今は最善の条件で働かなければならないと思っています。働く人に撮っても快適な場所作りをしながら一日5件以上を撮影するためには最小限50平米は必要です。
6.階
階段の数だけライフスタジオのスタッフの労働強度は高くなります。一日何回も上を下を往復するのは肉体的な疲労度を高めます。しかし、ワンフロアでは私たちが望む空間を確保することが難しいです。大型建物やモールに入店しない限り、ワンフロアで50平米の建物を探すのは混乱です。だから所沢店以外の全ての店舗が2階以上の建物に入っています。所沢店は運がいい店舗です。まず、3階建以上は避けるべきです。効果的な空間活用にも問題がありますが、運営費も高くなります。ワンフロアが一番良くて、次が2階建、それでもなかったら3階建の建物を確保し、3階は使わない方法があります。今、市川店が4階縦の建物に入っています。仕方なくそこを借りていますが、働いているスタッフたちの膝が心配です。
7.周りの状況
以前、韓国でスタジオをやる時周りの状況による大きな問題が2つありました。1つ目は新しく立てた商店街の中に入店することに決めたのですが、同じ建物にスクリーン競馬(ギャンブル系)と焼肉屋さんが入ることで日中ヤクザみたいな人がウロウロして、焼肉屋さんからの煙がひどくてスタジオ営業を続けられない状況に至ったことがあります。もう1つのケースは静かな住宅街にスタジオを作ったら、撮影の時に発生する騒音の生で周りから苦情が相次ぎました。こんな経験もあり、周りに迷惑をかけてはいけない日本ではさらに周りの状況に敏感にならなければならないと思っています。現在は1〜2店舗以外、特に周りと摩擦がある事例はないのでホッとしています。
ネットからいい物件だ!と思い現地訪問をして見ると周りの状況によって断念する場合が多々あります。スタジオまでの道路が狭すぎるとか、建物のすぐ前がキャバクラの密集地域だとか、建物の周りがお墓で囲まれているとか…。最近はgoogleのストリートビューである程度各品が出来ますが、周りの状況には目に見えるものと見えないものがあります。隣がヤクザの事務所かもしれませんし、後ろの住居人が極度に敏感な方かもしれない。入居して生活してみないとこれらの情報は知ることができません。運に任すしかありません。だけど出来るだけ不動産業者に周りの状況を聴きながら目に見えないことに対する情報を得るしかありません。周りに長く住んでいる地元の人に聞くのが一番効率はいいかも知れませんがそこまでする必要があるかと思います。それでもこの建物にしたいと思うならば数回近所を訪問する必要があります。朝・昼・晩でどのように変化するのかを見ながら根拠を作ることが昼用です。陽はどのように東から西へ移動するのか、夜はどんなお店が営業を始めるのか、朝はどのぐらいの人がこの道を使って出勤するのかなどなど最小限の誠意を払う必要があります。つまり、頻繁に行ってよく想像して、夢を膨らまし、未来を設計する作業が一番楽しい時間ですし、以降も役に立つ部分です。
周りとの状況に特に問題がなければ建物のすぐ近くにある隣の住民といい関係を作ることが必要です。この部分はその店舗の店長や相性のいいスタッフがマークする必要があります。周りとの摩擦は思った以上深刻な問題です。建物の外では大きい騒音にならないようにし、平素より良い関係を築く必要があります。
8.設備
物件を見る時必ず確認する部分がこの設備です。エアコン、水道、流し台の有無、便器の状態、電気の容量、カスなどがここにあたります。50平米を基準にエアコンが無いと100万円以上、水道設置は10万以上、流し台も10万以上、トイレを和式から洋式に変えるのに20万円以上、トイレがない場合30万円以上、電気容量をあげる場合10万以上、ガスの設置に10万円以上の費用が発生します。この全てが大体整っている建物ならそれだけで200万円以上の費用を節約できます。ちなみに今インテリア工事中の千葉店(ドルシネア)はエアコンだけで400万円、トイレ関連で100万円以上の費用がかかりました。
各種設備については入居する前に不動産関係者との協議が可能な部分もあり、できるだけ設備の設置に関する費用は合意が必要です。ほとんどの場合は現状のまま借りるのであまり期待はできませんが、それでも協議の過程は必ず必要です。
9.家賃の調整
協議の過程において家賃を調整することもあります。まず、この建物がどのぐらいの期間空いているのかを知り、建物の短所(問題)について情報が必要です。それに照らし合わせて家賃の調整に関する話を進めると滑らかになります。月々の家賃の調整ができないならインテリア期間の2ヶ月間、家賃の免除などを要求することもできます。
★.契約までの進行過程
「これだ!」と心が決まったら入居申請制を書いて不動産に提出します。この中には賃貸をする法人や個人の人的事項と賃貸の条件に対する内容が含まれます。大体この申込書が建物主によって承認される期間は1週間です。建物主が外国人であったり、新しく設立した会社だったり、または建物と合わない凝集じゃなければ大体はオッケーをもらえます。申込書が通ると具体的な協議が進みます。賃料の調整や、借りる期間などについて協議しますが、この部分で不動産関係者の力量が重要です。間で離間を測ったり不真面目な態度だったりなどで手間が取れる場合が屡々あります。または私たちが会っている不動産業者と建物主側の不動産業者が違う場合、話を運ぶ過程で時間がかかったり誤解が生まれたりすることもかなり発生します。だから我々の要求を明瞭かつ簡単に伝える必要があります。具体的な協議が完了すると保証会社が現れます。保証会社がライフスタジオの規模や状態を把握し、保証の条件と保証の有無を決定します。ここで連帯保証人が必要です。アップルツリーファクトリーの代表取締役が外国人だからこの部分で少しハプニングが発生する場合もありますが、今までは保証会社との問題で契約が流された場合はありません。保証会社が承認をすると契約日を決めます。物件を決めた日から契約日を決めるまで早ければ2週間、遅いと2ヶ月ぐらいがかかります。
契約をするまでは色んな変数が発生します。入居条件に関する話、インテリアの範囲や自由度に関する協議、不動産業者と建物主との関係、情報伝達のミス、保証会社の細かさなどの作用によって顔が赤くなるような状況が発生する場合もあります。だから契約までの期間は2ヶ月ぐらいと余裕を持った方が精神健康に良いと思います。
★.ライフスタジオに最適している物件とは
物件を探していると「本当にいい物件がない」と切実に思います。特に東京周辺にはほとんどの建物が効率性だけを強調しています。ただの四角い空間に、あれもこれも同じです。日本の建築技術は世界的な水準だと言いますが、現実は経済的な面だけを考慮しているように思います。残念なことですが、現実がそうです。だから一番いいのは土地を買って1から作り直すことだと思いますが、それも現実的ではありません。だからライフスタジオに最適している物件はそもそもないのかもしれません。最適な物件がないから、既存の物件を最適な状態に作ることが必要です。もちろん、我々の手で。
最後に物件を決める時の優先順位を決めました。
- 自然光を量と質の面から確保する
- 私たちが描くイメージが作られる構造なのか
- 50平米以上
- 自由が保障される周辺環境なのか
- 家賃は30万円以下
書いてみると大したことではないですね。店舗探しが世の中で一番楽しいことだと思います。契約は「幸せ終わり、不幸始まり」と冗談を言ったりもしてますが…。それぐらい店舗探しは夢を見ることであり、自分の想像の先がどこにあるのかを確認する時間です。皆さんもこの経験ができるように、早く私の隣にきてください。
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