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木村伊兵衛-天然色でパリを撮る-

投稿日:2012/3/29

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先日、水戸のお客様でもあり、プロよりもカメラ・写真に対して情熱的であるアマチュアカメラマンHONUさんがまたまた秘蔵DVD(秘蔵ではあるが、決してHなDVDではない。)を持ってきてくれた。
近所の友人からTVゲームを貸してくれるような感覚でいつも来てくれるので、とても親しみがある人です。
僕にとってHONUさんとは、アマチュアカメラマンの精神を忘れることなく、純粋に写真・カメラを楽しむことを貫いた植田正治のような存在である。
普通に話していると良識のあるおじさんなのだが、カメラの話になると愉快な少年のようである。
さて、今回は「日曜美術館 木村伊兵衛 天然色でパリを撮る」というDVDを持ってきてくれました。
写真界ではとても有名な人で、木村伊兵衛賞という言葉は誰でも聞いたことがあると思います。
小型カメラを駆使して撮影する日本のブレッソンというイメージが強い人物です。戦前の沖縄や戦後の秋田などの撮影をしている。
何度も写真を見たことがあるので、僕は少なからず影響されています。
さっそく内容に対する感想をまとめてみたいと思います。
この番組は、粋を愛し、野暮を嫌ったと紹介されている木村伊兵衛が半世紀前にパリをカラー写真で撮影した貴重な写真と木村伊兵衛がパリのどこに魅かれたのかという美学を紹介している。
3年間助手をしていた写真家 田沼 武能さんのインタビューもあるので、すごい豪華な番組に仕上がっている。
当時(1954,55)ではカラーフィルムの発展途上の時代であり、ASA10というとても高感度のフィルムで撮影していたという。
それを聞いて目が点になり、耳を疑った。
あ、あ、あさじゅうぅぅぅ!?どんだけ脇をしめて、息を止めなければならないのだろうか・・・一眼レフで撮影したら寿命が5年は縮むだろうな。
だからこそレンジファインダー(ミラー付いていないので無駄な動作がなくブレにくく、とても静かでコンパクトなカメラ)のライカでなければならないし、出会った人々をささっと撮影できるスナップ写真にもライカが適しているんだなとあらためて感じた。
紹介される写真は、街や人が魅せる一瞬のリアリティを逃さずとらえていて、映画のワンシーンのようで惹き込まれる。
写真からは匂いが漂ってきそうである。もちろんタバコ臭い僕の部屋で匂うはずもないし、写真から匂いがするということな一切ない。
なんというか誇張した写真ではなく、日常的なスナップ写真で身近に感じるからか、人間の匂いや、町並みの匂いや、酒場の匂いなどが写真からしてくるようだ。
田沼 武能さんのインタビューによると、待ち構えて撮影するのではなく、すれ違いざまにパッパッと2、3枚撮影して終わりにしてしまうのだと言う。
撮り損なってまた戻るということはしないらしい。
瞬間は二度と戻ることがない。瞬間を掴めなかったのは運と自分が悪いのだという精神なのだろうか・・・相当な観察力と集中力がないとマネできない。
パリで木村伊兵衛が注目したのは、生活している庶民。観光客が立ち入らない庶宿屋の近くの汚いところばかり歩いていたという。
芸術写真ではなくルポルタージュであるからか、パリなのに写真を見ているとまるで自分がその場所を知っているのかのようだった。
それは、写真に写っているものが生活を楽しむパリ庶民の特徴的な部分がきちんと捉えられているのであるからだと思う。
二度と来ることがない過ぎ去っていく時間とその時間に生きた人間を残すことが本当に楽しいだろうなぁ。。
無性に木村伊兵衛みたく50mmが付いたレンジファインダーを片手に、町の人々や風景をスナップ撮影したくなった。
しかし、LEICA M9・・・70万・・高ぇ・・。しかも本体のみ・・。

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