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つくば店
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ディープピープルその1

投稿日:2011/9/8

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先日、水戸店の名物顧客のHONUさんが1枚のDVDを持って来てくれました。
いつものように「ほれっ」という感じで、近所の住人かっ!?というツッコミを入れたくなるようなフットワークの軽さである。
もしかしたら京成百貨店の地下に住んでいるのではないか。と最近疑っています・・・・。
さて、いただいたDVDはというと「ディープピープル」というNHKで放送されている番組である。
「同じジャンルを極めた一流のプロフェッショナルが集まれば評論家や素人には語れぬディープな世界が展開される」
というのが大きなテーマである。
つまり現場の最前線で働いている人達同士で専門的な話を語ろうではないか。というものだ。
DVDに入っていたのは2つなのだが、まずが一つは「戦争カメラン」である。
宮嶋茂樹さん、高橋邦典さん、渡部陽一さんが戦場の撮影状況や撮影機材、撮影に対する想いというのを語ってくれる。
防弾チョッキの話とか、撮影の思い出話などがあるが、割愛させていただいて、「撮影」に関することだけを箇条書きで書くことにします。

まずは3人の機材の話から。

①24-105
②24-70、70-200
③16-35、70-200、EOS1D

三者三様で、広角を重視している人もいれば、望遠も用意して離れたところからでも撮影できるようにしている人もいる。
広角で撮影する理由は、現場と写真を見る人が同じ距離感で認識できるのではないか。ということである。
ロバート・キャパは「写真が物足りないと感じたらもっと被写体に近づくことだ。」と言っていて、これは単に広角で被写体に近づけばよい。という撮影の話だけではなく、戦争を経験している人と同じ距離で経験することだ。と私は解釈する。
そしてびっくりしたのがEOS1Dという古いデジタルカメラを今でも使っていることだ。
後継機がとっくにでていて、画素数も低いしカメラ自体重いのに使い続けていることに驚いた。
理由はお金がなくて買えないからなのか、愛着があって使っているのかは分からないが、機能面を考えればデジタルカメラは新しいほうがいいに決まっている。
なぜだろうか?わからない。

「写真に重要なのは感情と光と構図の3本の柱である。」というカメラマンがいた。
「そのなかでも一番重要なのは被写体の感情である。
被写体の感情が強ければ強いほど構図や光を関係なく良い写真になり、その3つがそろったときにパーフェクトな写真にある。
そして構図は100%カメラマン自身でコントロールできることなので、構図は大切である。」

写真には様々な構成要素があるが、この3つに絞ったのはシンプルでいいな。と思う。
そしてカメラマンが変えることができない被写体の感情が重要ということであるが、感情とはなんだろうか?
感情というのは、怒ったり、喜んだり、悲しんだりすることで、感情は必ず何かに向かっている。
自分か他の人かに対してのアピールとかメッセージであると思う。
アピール、メッセージ(感情)が強ければ、社会的に影響力のある存在(被写体)となる。ということなのだろうか・・・

興味深いのはやはり「なぜ戦場で撮影するのか?」である。
あるカメラマンは、
「自分の写真(リベリア内戦で家族4人をなくした少女)を見て養子にしたいというアメリカ人の女性がいた。
普段は自分の写真で被写体が良い方向へ向かったり、世の中にどう影響を与えているのかを認識していなかったが、自分が撮影した写真がきっかけで子供たちの生活がよく変わった。ということで自分が撮影した写真に対して「力」を意識するようになった。
撮影した写真が被写体にとってなにかよいことが写真によってもたらされればいいなと思う。そういう写真を撮っていきたい。」
あるカメラマンは
「写真を撮影する理由は生活のため、お金のため。プロなのだからお金のために撮影して何が悪いのか。目指すのは同業者から認められること。」

写真を撮るのは自分のためか?人のためか?というようにも聞こえるが、私はどちらが正しいのかがわからないし、もしかしたらどちらも正しいのかも知れない。
だがロバート・キャパの言葉に戦場カメラマンがなぜ撮影するのかの問いが正しいのかと思う。
「戦場カメラマンの一番の願いは失業することだ。」
ということである。
ドキュメンタリー写真というのは、どのように撮影するかによって被写体が社会的に良くみられるか。悪くみられるか。のどちらかの影響が必ずあると思う。
やはり戦場カメラマンには、世界や人がよい方向へと向かうような写真を撮影することが目的であってほしいです。

 

 

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