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在る美しさ

投稿日:2017/6/30

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写真はカメラマンが「撮る」ものだという認識があるが、つい「撮らされて」しまうものでもある。

よく学生の頃は、なんでもかんでも目に見えるすべてのものを写真の技術で美しく撮りたいという願望があり、ひたすらシャッターを切っていた。

なにげない落ちているゴミでさえ、それは被写体になることがあり、「どうやったらゴミを写真でいい感じに残せるんだろう?」ということを考えていた時期もあった。

 

どちらかというと、それはカメラマンがシャッターを切る機会を探していることに近いが、それとは違って、旅行先なんかに行ったように、ついシャッターを切りたくなる時がある。

 

よくわからなくて説明もできないが「あっ。。。美しいな」と感じるときがある。

 

その瞬間を残しておかないと、もったいないような気がして、ついシャッターを切る。

 

この写真はその感覚に似ている。

 

真っ赤な唇と真っ赤な着物をきた彼女はまさに、ついシャッターを切りたくなるような感覚だった。

 

それは、私だけでなくアシスタントのかいちゃんも気づいていたのだと思う。

 

撮影中の雰囲気は、まるでファッション雑誌の撮影かのように、被写体の美しさをどうやって見つけて、どうやって残していくのか?というエネルギーに満ちていた。

 

それも「楽しむ」ことの一つである。

 

笑いが絶えない撮影の雰囲気もその一つあるが、この1枚!!という1枚の写真を残すような雰囲気も撮影を楽しむことの一つである。

 

その楽しさは、偶然にやってくるものだが、その瞬間を捉えるには、必然がなければならない。

 

それがなければ「楽しくただ撮った」ということになる可能性が高くなる。

 

チャンスはいつやってくるかわからないもので、そのチャンスをつかまえる準備をしていた者にしか、結局は掴めないものなのだろう。

 

そして、それは一人ではできないことで、人と人の間にしかチャンスは生まれることがない。

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それは、出会う全ての人が生きている証を確認できる場所になること。
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