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形象化

投稿日:2017/2/28

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『形象』と辞書の言葉を借りると・・・・

 

想像して心の中に浮かび上がるその対象の姿。

 

というように書いてある。

私たちは写真を通して想像と現実の間を交差している。

想像は私から起こるものであるが、想像は私以外から起こされるものでもある。

私たちは、日常的に良い想像をしたり、悪い想像をしたりしながら現実を過ごしている。

現実に起こった出来事に対して「じゃあどうするのか?」と考えるそれが想像であり、その想像は私たちの知識や経験、哲学などで形成されているため、私の方向をも決定している。

写真も同様に「こう撮りたい」と被写体に対してシャッターを切る前に想像することによって、写真の質が決定されているのである。

私は小さな四角でどのように被写体を見つめるのか?

どのような光を使って、どのような構図で切り取って、いつシャッターを切るのかと被写体に対してつねに自分の基準で撮影している。

この基準こそが想像であり、ただ目を閉じて起こるものではなく、現実との間を行ったり来たりしながら、形成していくものなのである。

そのため、想像を高めるために「見慣れた視点で見ない観察」の世界を注意深く見てみる必要性が重要視されるのである。

観察から想像へ、そして現実に帰っていき、また誰かの想像になり、現実が変わっていくのである。

この想像をもっと現実的に表現されるために形象化という方法がある。

形象化は写真の具体的な設計図のようなものだ。

写真において、設計図は不可欠なものであり、頭の中で行うには限界がある。

家を建てる時には、設計図なしでは、傾いてしまうと同じように、より質の高い写真を撮ろうとするのであれば、設計図を描くことが良い方法の一つである。

形象化にはいくつかの利点がある。

 

①写真の構成要素を具体的にする。

②写真のエラー発見装置になる。

③想像を共有化することができる。

④写真の説明の手助けをしてくれる。

 

私の想像で撮影したかったこの1枚には、やはり「Forest」というテーマがある。

それは、被写体と空間を自然に動かして連結させることである。

この写真は、緑色した木々の前ボケと、外から光が射し込む窓の扉、青い壁の背景によって、私が表現する「Forest」の空間が立体的に作られている。

空間というのは一つの世界であり、目には見えるものであるが、見えないものでもある。

私の考えが投影されるからだ。

 

実際に行ってみると、設計図とまったく同じように撮影することができない。

思うように光が入らなかったり、余計なものが写ってしまったり、被写体が動いてしまったりする。そういった反省点が意味するものは、理想と現実の差である。

その差を埋めるものはなんなのか?を発見できたことは、私が形象化を行った良い結果物となった。「もっとこうすればよかった」という思うことは、変化するための準備とも言える。また、設計図を撮影前にアシスタントと説明と共有することによって生まれた、一体感のようなものもあった。

おそらく、アシスタントの撮影者がどう撮りたいか分からないという不明確から起こるやりずらさも解消されたのではないだろうか。

形象化は単純に写真の質を向上させてくれるだけでなく、スタッフとの関係への良い影響も

もたらしてくれるものであった。







 

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