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下関店
Cteam Oct「関係」
投稿日:2012/11/3
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Cチームとして、写真・空間・関係というテーマを通して写真分析を行い、
関係チームはこれまで特に家族写真に集中してきました。
8月 名古屋店「声かけ」
9月 成城店「かたち」
それぞれの店舗の特色や強みを分析しながら、実践・意見交換を通じて家族写真を撮影する際の意識的な部分が少しずつ広がったのではないかと感じています。
ここを、考えている、ここまで、考えている。
技術面だけでなく、習得したものをその場にいる人と人(ご家族だけではなく、カメラマンとコーディネーターも含め、その場にいる全ての人)をつないだ関係の中で写真として残すということ。
写真館としてこの場所があるからこそ、スタッフとして第三者としていることができるからこそ、残せる家族の姿。
10月は横浜店の家族写真です。
「そのご家族だけのオリジナル」というテーマを掲げさせていただき、横浜店から写真が届きました。
こちらから誘導し形づくる部分は、カメラマンとして勉強や経験があればある程度誰でも撮影できる部分となってきます。
しかし、どんな瞬間がこようともその一番いい瞬間を切り取れるのは、技術と同じくらいいつでもその瞬間を逃がさない心の持ち主であることが条件となってくるはずです。
その瞬間だけでなく、その前後、どの瞬間さえも。
そのご家族のオリジナルがあふれる瞬間。
どどーん!とふりきれた女の子の後ろのパパとママ。
お父さんの格好を見ていたら、一緒にうつ伏せをしていてお子様を制止しようとしたけど行っちゃった、、、というユーモラスな雰囲気さえも感じさせます。
お母さんも、そんなお子様の後姿を見守って、行く先を見届けているような視線です。
当の本人は、そんなのおかまいなしにgoing my way!
左足を出したら右手がぶん!
これが今のわたしなんだから!元気ふりきれ中!っていうタイトルのようです。
飛び出してしまった瞬間を捉えるために、一瞬の判断で広角にし、左右の空間が見切れてしまうほどの躍動感があふれている1枚となったかと思います。
実際に、このように前後で飛び出す瞬間にピントを合わせ人物を捉えるということは難しいです。
それは、レンズの仕組みとして被写界深度が横移動ではそれほどピントはずれませんが、奥行きが変わってしまうと一気に合わなくなってしまうからです。
例えば、運動会の徒競争などの写真を撮る時、何をするかというと、「予測する」ということをしなければなりません。
横移動の直線であれば、また少し高度なテクニックとして流し取りという人物の早さに合わせてカメラを動かすといったことも行いますが、このように前に飛び出すといったものはゴール手前の難関、コーナー部分といってよいでしょう。
スタート位置からゴール位置、そして撮影場所とグランド位置までを把握し、だいたいこの場所に来たらベストで撮れる、という瞬間を想定し、コーナーにあるコーンや物に置きピンをし、待ち構えます。
きたきたきたきた、よし!といった具合に想定した動きの中でその一瞬を捉えます。気合いです。
このご家族写真を撮影するにあたって、本来ならば家族揃ってうつぶせで寄り添う、というのがイメージとしてあったかと思います。
しかし、元気いっぱいの女の子はいつかカメラの方まで飛び出てくるのではないかという、そこまでの予測もしていたのではないでしょうか。
その瞬間、力ずくで止めようとするのか、そうではなかったと思います。
笑いながら女の子のなすままに大人たち全員が見守っていたと思います。
カメラマンはカメラを置きシャッターを押さなかったでしょうか、そうではなく、これが残った写真です。
この姿が1番このご家族の今の姿、オリジナルの姿だとして残す部分であると思い狙い続けた結果です。
自分が出来る限りのことをする、出来る限りのことを判断する。いつもその連続です。
技術であっても、想いであっても。
この1枚には写っていない、その場にいたカメラマン加藤さんとコーディネーター篠原さんの笑顔が、
わたしには想像できました。
そして、実際どんな写真になったか被写体となったご家族の、
モニター中、この1枚を発見した笑顔もまた、想像ができるのです。
わたしたちの仕事とは一体なんでしょうか。
この場所で、出会った人たちと、思いやり、幸せを感じ残してゆく、とても貴重な仕事だと思っています。
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