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下関店
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きっとなにかが見えている

投稿日:2012/8/17

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「予定は未定であり決定ではない」

昔のスタジオでシフト表のいちばんてっぺんに書かれていた言葉。

あのシフト表は恐ろしいものだった。

現場今週はないな。。。と思っていたら、どーん!と5日現場だったり、小さなスタジオやーっと油断していたら、

どうしようもなく寒くてだだっぴろいスタジオの現場になっていたり。

飲んでいる最中に、次の日のシフト連絡で携帯に「6:00」という入り時間が飛びこんでガクガクしたり。。。

23:00撤収って香盤表には書いてるのに、なんだかもう外が明るくなっていたり。

 

寝るか、仕事するか、睡魔に耐えるか。

こんな生活を社会人の始めは送っていたので、どうやら「予定」をつくるという習慣があまりなかった。

それが今では、寝る時間に寝られて、休みが休みで予定が多少入れられるようになったのは嬉しいことでもある。

それでも予定が変わったり雨で延期になって時間が空くこともある。

考えてだらだらして、でもだいたい外に出て、海に行くか、本屋に行くか、ちょっとした時間は自分の行動範囲の藤沢でぶらぶら。

 

少しの時間に惹かれるものが、けっこう自分の中に入り込むこともある。

本屋で写真でも、会社本でもなく、なんだか気になったものがあった。

「どうせなにも見えない」そのタイトルが、なんなんだろう、って。

それは写生の絵画集だったのだが、どうせ、って、なにがどうせなんだろ、って色々と考えてしまった。

写生。人を観察し、厳密に写し描いていく。

その内容は、女性の体、そして父親の亡骸、生まれたばかりの息子、そして現実にはもういない人の写生。。。

たくさんの線から、リアルな、それこそ写真のような人間が描かれていた。

写真でも表現できないくらいの美しい光が落ちて、色があって、写真には写すことのできない書き手のプラスの表現もあった。

絵画だけの美しさ、そのものだけの価値。すごい、しか思えないくらいだった。

でも。見ている。のにも関わらず、どうせなにも見えないって。。。

見ても見ても、どうせ、わたしはあなたではない、奥深くのところまでは見えないということなのかと。

考えれば考えるほど、なんか深くて。

時間が迫って解説が読めなかったので、また見に行こうと思っています。

 

どうせ何も見えないのかな〜なんて、それからも考えながら。

次の日に延期になった屋外プールに遊びに行って、またおもしろい男になったmomo3歳(松田優作にハマっているらしい)

とひたすら泳いでくたくたになって。

その後、ふたりで太陽にほえろごっこをしつつ写真を撮ってたら、やたらとカメラに興味を持ったので渡してみた。

撮りたいものを見つけたら、それのぞいて撮るんよ、って言ったら走り出して、バイクやら、自転車やら、そこら中の車輪に近づいて、

シャッターを押しては、レバーを回して、またシャッター押しての怒濤の車輪撮影(笑)さすがトミカマニア。

なにが見えたかも、なにが写っているかも、

見たままのものがそこに写しだされているのかも分からないけど、きっとmomoにはなにかが見えていてシャッターを押していた。

それでいいんだと思った。

それでいい。

きっと、そこからなにかが見えていたはずだから。

形は残らなかったとしても、その景色は覚えてる。そういうことがよくあったりする。

本当のことはなにも見えないかもしれない。

でも見えてるものも信じたい。

フィルムのカメラには、終わりがあることもmomoは知ったようだった。

 

 

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それは、出会う全ての人が生きている証を確認できる場所になること。
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