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写真と人 3
投稿日:2011/9/1
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時に、不思議な感覚になることがある。
今、なんでここにいるのか?
生きている、
実感がほしくて、写真を撮っているのかも知れないと思うことがある。
写真の、写真を撮り続けた。
泥だらけになっても、
かすかに残る笑顔の残像。
何百人もの、
出会ったこともない、話したこともない人々の、
幸せな日常を目の当たりにした。
うまれたてのわが子を抱く母親。
結婚式の写真に添えた母への手紙。
七五三の着物姿。
運動会でのお弁当の時間。
慰安旅行のカラオケ大会。
昔むかしのモノクロ写真。
人々は、
それぞれに、
人生を生きている。
写真は、
その、
人生を切り取っていく。
その時、
そのシャッターを押した時、
人はきっと幸せだったのだと思った。
写真は、
幸せを残しているんだと、感じずにはいられなかった。
ただ、
こうして生きている毎日が、
何よりも尊い日々であるということ。
「無事ですか?」
声にならない思いで、
一心に写真の写真を撮り続けた。
そして、ひとつひとつの写真の泥を落としていった。
石巻にも、夏がきていた。
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