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下関店
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baby*大切な記憶
投稿日:2010/10/8
533 2
今でもこの日のことを思い出す。
いつも思い出すのは、大切にしたい思いだったりする。
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この1枚を撮る時にわたしが行ったことは、
たった、ふたつだけです。
①お母さんと男の子ふたりだけの空間をつくった
②ふたりだけの時間を、待った
ここから生まれたふたりの真実の姿を写した、ただそれだけです。
限られた時間の中でわたしたちは、被写体とコミュニケーションを図り、動きを引きだし、時に誘導しイメージしながら撮影をしていきます。
しかし、ここで意識しなければと思うことがあります。
ひとりひとり、違う感情、感覚、性格、思いを持ちながら生きているということ。
そして、それぞれの姿、ストーリーが必ずあるということ。
何を伝えられるだろう?
何を残せるだろう?
ここに意識は向けられていました。
男の子は1歳。
人見知り、場所見知りの時期ということで、なかなか警戒心が解けずにいました。
この子のリズムを崩してまで撮影をしたくないという思いで、「ふたりだけの世界で、リラックスしてください」と、そう言い残し、部屋を後にしました。
部屋の様子が少しでも分かるようにと、入り口の反対側にいてもらい、時々様子を伺いながらそっと待っていました。
なんとか男の子が安心するようにと気を紛らわせようとするお母さん。
男の子の手前のブロックは、ひとつずつ、ゆっくりと、男の子に語りかけながらお母さんが並べたものです。
この部分からも、ふたりの時間の流れを感じます。
しばらく経って覗いた時も、まったく動じない男の子、その姿と、ずっと優しくなだめるお母さんの姿に親子の強い絆と大きな愛情を感じました。
この姿を撮らずして、何が伝えられるというのか。
部屋の外から出来る限り姿を消し、息をころし、ふたりの姿を撮りました。
ほんのわずかなシャッター音。
気付かれたのです。
お母さんから離れるもんか!
そんな強い意志さえも覗かせる視線。
折り重なる親子の姿と男の子の瞳を印象づける為に、フレーミングは被写体ギリギリにもっていきました。
この1枚で、お母さんはこの日のことをずっと覚えてくれるのではないか、男の子が大きくなった時もこの時期のことを愛しく感じてもらえるのではないかと思い、また、
男の子は、この姿を見て何か感じ思う日がいつかくるのかな、お母さんとまた話すかな、なんて、
今後の絆にもなるようにと思いを込めました。
そして、人見知りや場所見知り、いろんなお子様を持つお母さん方へのちょっとしたメッセージにもなるといいかなと思いまして、この写真を掲載しました。
どんな姿もいとおしい姿です。
可愛いだけでなく、笑った顔だけでなく、
色々な表情や感情が表れる。
だからストーリーが生まれる。
ただ写真を撮るのではなく、
感情を持った人間同士、感情を感じ、寄り添いながら、
何かを伝えられる様な写真を撮りたいと思います。
最後に。
少し長くはなりますが、以下の文章をもう一度掲載させて頂きたいと思います。
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誰もいなくなった部屋の中に、
いるのはママと君、ふたりきり。
そろそろおじゃましてもいいかしらと、
そっと部屋の中をのぞいてみると。。。
気配を感じてこちらを見つめる君。
(え、ばれちゃった?)
「ぼくにはママだけなんだ…」
そう言いたげな彼の視線に、親子の愛情を感じた瞬間でした。
初めて出会った時よりも
もっと前からママと君はずっとずっと一緒だったんだよね。
君が泣いたらママは言う。
「ママがいるから大丈夫よ」って。
でもでも、それでも、
ママにギュッてしていたいんだ。
そんな君の気持ちが、なんだか懐かしく思えた。
片時もママから離れないようにと、握った手。
優しくなだめるママの姿。
ふたりを朝の光が包み込む。
部屋の外からそっと、
ふたりの姿を撮りました。
作り込まれた写真とはまた違う、
感情が表れた1枚となったかと思います。
baby撮影では、やはり時期的にも場所見知りや人見知りがある子もたくさんいます。
本当にたくさんです。
でも、
泣いても泣いても、
それがありのままの姿だから。
いつかこんな日もあったねって笑えるはずです^^
だから今はいっぱいギュッてしてあげてください。
2才になった君と、
また会える。
ここが安心出来る場所だって思ってもらえますように。
今度は一緒に遊ぼうね!
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