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下関店
生きている、生きていく
投稿日:2019/9/29
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【Photogenic】LIFE is your LIFE.
https://www.lifestudio.jp/community/photogenic/shimonoseki/169103
2010年
まだ入社して半年だった頃、撮影に入らせてください、と自分から先輩に言ったのを覚えています。
理由はただ、スタッフの中で一番家が近かったから。
なにかこの先も少しでも力になれることがあれば、そういう気持ちからでもありました。
ただ正直、どう一緒に過ごそうか、どんな写真を残そうか、撮影を迎えるまでずっと考えていました。
こどもたちの七五三姿を見ることなく旅立ったお父さん。
撮影中ずっとすすり泣いていたお母さんを今でも思い出せます。
この姿をお父さんにも見て欲しかった、きっとそう思っていたのかもしれません。
泣いている姿を絶対にこどもたちに見せないように、静かにお母さんは泣いていました。
お父さんがそばから離れて間もない頃だったので、実感がまだあまりなかったのか、
ふたりはとにかく仲が良くて無邪気な笑顔を見せてくれ、
お父さんの写真を取り合って写真にずっとキスしていたふたりの姿をずっと見守っていました。
お父さんのことを、クマ、と呼んでいたお母さん。
優しくて包容力のある、クマ、というあだ名が似合うあったかいお父さんだったのだろうとみんなの雰囲気から伝わるものもあって、
その頃からもライフスタジオの大きなクマさんがいたので一緒に撮影もしました。
お父さんの代わりには絶対にならないけど、でも、お父さんも一緒だと感じてほしい、そんな気持ちでした。
1年1年、会うたびに変化もありました。
2012年に下北沢店のオープンするタイミングでサンプル撮影大会があったので一緒に撮影することになった時のこと。
2010年2011年と撮影もしていたものの、今までになかったような、少しもお母さんから離れられない場面もありました。
何か、さみしさというのか心細さというのか、心の変化が見えるような気もして、
無理しなくていいよー、お母さんと手つないでて大丈夫よー、と伝えながら少しずつ少しずつ、
写真を撮ることよりも、今の姿を感じることに集中していました。
不安そうになるたびに、お兄ちゃんもお母さんも力いっぱいに抱きしめていました。
大丈夫、大丈夫。
いい写真を撮るよりも大切なことを教えてくれました。
この仕事を辞めて地元に戻ることになった時に、もう撮れることはなくなるだろうから・・・と最後に鎌倉で写真を撮ろう!と
長谷寺に行ったのも懐かしいですが、これが最後にならずにまだ撮り続けられている今があります。
あれから10年。
周りのお友達や家族に愛し愛され、言葉では言い表せないくらい素敵な人に成長したふたりと、どんな時も明るく子育てをしてきたお母さん。
今でも会える時に会おう!そんな関係がとても嬉しいです。
もしお父さんがいたらどんな風に家族写真を撮ってたかな、と一瞬考えても、すぐにそんな想像が消えてしまうくらい、
お父さんもいつだって一緒にいるからこんなにあったかい写真になるんだと思っています。
ひとりひとりの中に、ちゃんとお父さんがいるからこそ、いつも、そばにいる。
だからわたしもお父さんに会ったことがないのにそんな気がしないんです。
お父さんのTシャツがぴったりな優しいきーくん、お父さんに笑顔も嗜好もそっくりなこはるん、
お父さんが大好きなお母さん、お母さんもこどもたちも大好きなお父さん。
お父さんの愛情が今でもちゃんと、ここにある。そう感じています。
『生きている、生きていく。』
この家族に出会って、浮かび上がった言葉。
わたしがこの場所で写真を撮る理由でもあります。
当たり前に今があるわけでもなくて、明日、何があるかもわからない。
どんなことがあっても、生きているなら生きていこう。
そう思えるきっかけに、少しでもなれる場所でありたいと思っています。
人生の写真館として人生を記録していくこと。
誰と出会ってどんな自分になっているのかを確認できる場所であること。
希望をちょっとでも持てること。
人が人に成っていく姿を見守りながら、いつだって自分自身を反省する毎日ではありますが、
わたしもそんな日々に生かされてるなーと実感しています。
あと何年写真が撮れるかなんてわからないけど、写真が世界から消えてなくなったとしてもなくならないものを大切に残せるように。
SEKINO family
Life is your LIFE.
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