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下関店
家族旅行
投稿日:2019/2/18
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気づいた時には父親はいなかった。
母と弟とわたしの3人家族。
母はひたすらに働きに出て、弟とふたりきりで夜を過ごすことも多かった。
お金がなくて虚しくて、とにかく家にいたくなくて、今でこそ笑えるけど、なかなかに荒んでいた。
母とはやたらとぶつかった。
女同士、気にくわないことが多すぎたのかもしれない。
わたしの凄まじい反抗期に弟がドン引きして、弟は反抗期のタイミングを失ったらしい。
そんなこんなで思い出という思い出も特にないまま家を出てしまったわけで、いまひとつ、家族とどう関わればいいのか分からないまま時は過ぎた。
そんなわたしがこの仕事に出会ったもんだから、客観的に家族というもの、人ひとりひとりの人生というものをまた改めて考える機会をいただけたわけで、価値観も自分自身の生き方も大きく変化した部分もあった。
この場所で家族というそのものと向き合う中で、自分自身も働きながら、今だからこそ気づけることの多さに気付く。
母が還暦を迎えた。
相変わらず仕事をしまくっている。
わたしたちを育てるために仕事をしまくっていると思っていたが、どうやらそれも違うようにも見えてくる。
これが母の生き方なのかもしれない。
還暦も節目だし、弟もそろそろ結婚しそうだし、ということで、先日、生まれてはじめて家族3人で旅行へ出かけた。
厳密に言えば3人ですら予定が合わず還暦からは1年過ぎてしまったけれど、わたしと弟からのささやかながらのプレゼントとして。
新幹線に乗り、弟の運転する車に乗り、フェリーにも乗って。
海辺の町から出発したのに結局海辺のホテルに泊まった。
特に3人で共通する思い出話はなくとも、ふらりと寄った牡蠣小屋でうまいうまいと3人で牡蠣に食らいついてる時に、なんだかんだ似てるなぁ、と家族っぽさを感じたりもした。
うちはうち、よそはよそ。
騙すよりも騙されろ。
正直者がバカをみる世の中になったらいけん。
思い出してみても、わたしが母に教わったのはこの3つくらいしかないけれど、そんなことが自分に根付いてるのかなーと感じたりもした旅の時間。
死ぬまでに行ってみたいと母が言っていた伊勢神宮へ。
生きづらさは貧乏だからに違いないと、小さな頃からひたすら大金持ちになりたいと手を合わせて願い続けたことは、高校時代に写真に出会ってからはそれも変わった。
今はただ、ひとつだけ。
変わらない願いをいつも願っています。
うちはうち、よそはよそ。
人生に対して言い訳よりも、多少大変でもおもしろがって、ひとつひとつ、味わっていけるように。
生きているうちに。
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