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下関店
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girl*gradation

投稿日:2014/8/31

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美しさとは何でしょうか。
自分自身、美しさというものを考える時にはいつも音楽が流れているような気がします。
細さ、深さ、濃さ、儚さや雄大さ、書ききれないほどに。
音楽のイメージは無限にあり、
人それぞれ美しさというイメージも様々なのではないでしょうか。
美しさを美しいと定義する決定的なものは、
調和とゆらぎなのではないかと感じています。
個人的な意見であるので、もちろんそれが絶対だとは言いきれるものではありませんが、
いつも美しさとは何かを考え音楽に没頭しながら探している時に共通するものが、調和とゆらぎなのでした。
この2点は、写真の中にも現れるものでもあります。
いつも聞いている音楽に少なからず写真も影響を受けるのですが、
今回この写真を撮っている時にイメージとして流れていたのは、
歌劇「カヴァレリア•ルスティカーナ」というものの間奏曲である「マスカーニ」というものでした。
なにそれ、、と言われればきっと通じないかもしれませんが、わたしも曲名なんか知らずにずっと聞いていたもので、
誰しもが聞いたことのある曲なのではないかと、
そして、少なからず美しい音楽だと感じたことがあるのではないかと思います。
変化を出すための転調や激しいテンポ推移や強弱も美しさや音楽で表現したいインパクトや、
イメージを表現するための手段がクラシック音楽の中ではよく使われていますが、
この曲に関しては1曲の中で大きな変化はありません。
ただただ、ゆったりと同じ長調で、細く繊細なメロディーがいつの間にか重なっていきながら、
美しく感じるメロディーとなり最後まで続きます。
ただ、よく聞いていると、少しずつじんわりとテンポがゆっくりとなったり、
次第に次第に強弱が変化していく場面もあります。
その少しずつの変化が、少しずつ波紋が広がるようにゆらいでいき、響く。
なごりが残って、また聞きたくなる。
最近この曲がなぜ美しいのかと思いながら取り憑かれたように繰り返し聞いたからこそ、
どことなくじんわりと変化するような諧調を取り入れた写真を撮ろうと考えていたので、撮影の中で取り入れました。
 
もともとわたしは、白黒はっきりとした諧調のないモノクロ写真が好きでした。
黒は黒、白は白、0と50と100の3段階くらいの変化が、
モノトーンの世界で引き立ちしっかりとしまった印象の中で注目するべきものに視点が誘導されるからでした。
この写真においても以上の理由のモノクロであれば左半分だけでよかったかもしれません。
ただ、今課題にしていたのが諧調のある写真であったので、
今回は諧調のあるモノクロ写真になるように右半分を取り入れながら整理をしました。
グレーの部分というのは、光があたってなければ作るといえば作れますが、それは作ることにはなりません。
その上、この右部分の白い壁そのままをモノクロで写してしまうと
もっと白っぽくなり普段はモノクロだと綺麗ではなくしっくりこなかった部分でした。
それでも成立させるために、右壁から人物の右半身までかかるように遠く離れた部分にレースのカーテンを引き、
モノクロのグラデーションと人物に柔らかさを加えました。
「ぼかし」というものの性質の中には、平面的な写真にゆらぎを与えるものでもあると思っています。
この写真においては全体の4分の3にぼかしが入っています。
しかし大々的なぼかしではなく、さりげなく見せるように人物にかぶせたのも緩やかな諧調の為でもありました。
人物自体のエッジにも少しずつの変化をもたらし、シンプルながら全体的に0から100までの間に緩やかな変化を出せるようにしました。
長い説明になってはしまいましたが、それもこれもこの女の子の後ろ姿の佇まいを見た時に閃いたものでもあります。
見えるもの、見えてくるもの。
美しさとは何かということを考えている時に、気がつくもの。
それが美しさなのかもしれません。
 
 
同じ日の、同じ時間に別の場所で撮った写真を見て驚きながら。
2014.8.30
Lifestudio Shinyokohama
Photo by kawano
Codi by sasaki

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