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名古屋西店
写真分析 バランス
投稿日:2021/11/29
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Photo & Write by Kaori Kobayashi
Cordi by Misaki Nakagawa
in YokohamaAoba
<バランス>というものは、何においてもとても重要だと思います。
大きく言えば人生だって、毎日の生活、仕事も、何でもそう。
これさえあればOKというものはなく、それが秀でていたとしてもそれ以外にも他を補う何か要素がなければ成り立たなかったりするものです。
バランスがあってこそ初めて全体の質が上がっていくと思います。
生活も、健康管理も、ファッションも、メイクも、仕事とプライベートも、人との関係、チームワークも。
写真も、たくさんのバランスが成り立って一枚の表現が完成されます。
撮影者の意図とコーディネーターの意図。
被写体である目の前の子供達の性格やイメージ。
技術面でも、光、構図、副主体となるもの、どの瞬間を捉えるのか・・・
全部のバランスが整って初めて、大切な一瞬、一枚が、写真として完成します。
諸々のバランスが、目の前の相手のためにどこまで整っていたのか。
何を条件選択して、その一枚にしたのか。
それを考え続け、実際の撮影で相手のためのベストな条件を揃えられるようになることが、
ライフスタジオのカメラマンとして大事だと思っています。
特に良い部分が何かあったとしても、他の部分が疎かであってはいけません。
基礎基本はなくてはいけないし、私たちが絶対に忘れてはいけないのは相手のための写真を撮っていることだと思っています。
そのために、私たちはいろんな条件を揃えて、準備をし、撮影を行います。
それが出来るように努力をします。
今回の写真は被写体である彼ら兄妹がとっても仲良しであることを知っているところからスタートしました。
何度目かの再会。
いつ会っても、何を語らずとも、二人だけでずっと楽しそうで、
どれだけ緊張していてもお互いの顔をいれば一瞬で笑顔になる、そんな二人です。
二人だけの空間、一瞬を残したくて、
彼らにはなるべくカメラを一瞬でも意識しない隙を与えて撮影したいと思いました。
そして今回の衣装。
ニットで温かみのあるリンクコーデ。
黄色がポイントカラーになっていて差し色に茶色。
温かみのある衣装の色みや質感から、木の三角屋根のインテリアがイメージに合うと思いました。
その場所から大きく離れて、後ろ姿を撮影していきました。
より撮影者である私と彼らが遠くにいるように、奥行きを出すための望遠レンズの選択、
フレームのように囲む白い前ボケを入れて、撮影していきました。
被写体に当たる光は窓からさす自然光で十分明るく照らすことができたため、
背景のライトはオレンジを使用し、より温かみのある雰囲気を出しイメージのバランスを整えていきました。
あとは後ろを向いてもらい、お互い顔を見合わせて何か話してもらうように声をかけていきました。
視界から撮影者が見えなくなるだけでも、
いつも真面目に話を聞いて、一生懸命頑張って力が入ってしまう彼らの気持ちをほぐすのには効果的でした。
一つ一つの要素が重なり、彼らだけの空間を作ることができました。
バランスが大事です。
カメラマンとコーディネーター両方の視点が重なり、互いの役割が重なってこそ、
良い時間、空間、撮影、そして写真になっていくと思っています。
写真の技術に終わりはないですが、撮影にも正解がなくて、
10年以上経った今でも試行錯誤。
撮影が始まる時は、今でもとても緊張します。
何か特別でなくても。100点でなくても。
目の前の人のために最善を尽くせたか、どうか。
目の前の人に一生懸命になれるよう、自分を整えることもとても重要で、
そして一緒に入るコーディとの関係も大切で。
いろんな一つ一つが重なって繋がって、初めて嬉しいや楽しいや喜びにつながっていくのだと思っています。
一つ一つ、丁寧に向き合いながら、また一歩ずつ進んでいく。
終わりがないし何か正解があるわけでもないから、悩めば苦しい時もありますが、
そうして毎日新鮮に一歩ずつ進んでいって発見がまだまだあると思うと、ワクワクや楽しさが上回るのです。
出来ないことがあったのなら、その分他に出来ることを高めていこう。
だからと言って、出来ないことを諦めることはしない。
努力をしたり、方法を探そう。
少しでも進む力があるのなら、楽しみながら進んでいこう。
それが出来るこの場所で、出会いを楽しみながら。
バランスをとりながら、大切に時間を過ごしていきたいと思います。
丁寧に。
そして常に新鮮な気持ちと緊張感を持って。
進んでいきたいと思います。
仲良しな二人との再会。
ありがとう、またいつか会えますように。
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