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名古屋西店
写真分析 家族写真2
投稿日:2021/6/29     更新日:2021/6/30
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Photo by Kaori Kobayashi
Cordi by Nana Tokumasu
in YokohamaAoba
以前の写真分析で、私自身の家族写真に対しての定義と、それを撮るために何が必要か、方法について書かせていただきました。
→写真分析 家族写真
今回は、私が大好きな1枚の家族写真を見ながら、
ご家族から見た家族写真とは一体どんなものなのか?を考えていきたいと思います。
家族写真を撮る機会は、人生の中で考えると、そう多くないと思います。
誰か、第三者がいなければ家族全員の姿や表情を撮ることができないですし、
全員が揃っている時間というのは、長い人生においてタイミングとしてそう多くはないと考えるからです。
だからこそ、一年に一度。
家族写真を残すことを恒例にしてほしい。
できればそれが、世代を越えて大切に受け継がれて行くことを、個人的には願っています。
いつか一緒にいることが当たり前でなくなっても、
うちの家族はこうだった、そう残るように。
そして何より、家族と一緒にいる自分の表情を、客観的に見てほしいと思うのです。
日々は当たり前のように流れていきます。
パパやママはお仕事のこと、おうちのこと、子育て、、、
いろんなことを頭の中で日々考えながら、時に葛藤を抱えることもあるかもしれません。
こども達は日々の生活に、学校やお友達とのこと、家族との関係、
勉強や今頑張っている習い事、その中で小さな胸に葛藤を秘めているかもしれません。
そんな日々の中で、当たり前のように近くにいる家族に対して、毎日改めて特別な感情を抱くことはないかもしれません。
ときには一緒に楽しんで笑ったり、喧嘩して怒ったり、パパママは子供達の為を思ってと叱ったりすることも多くあると思います。
そんな日々の中で家族写真は、家族と一緒にいる自分を、「客観的」に見ることができるものだと思います。
家族の歴史、成長記録であり。
そして、そのとき一緒にいる自分の、家族の表情を、改めて確認することができるものです。
家族写真でよく聞く「自然」は、
いつも通り、にプラスでいつもと違う要素を加えることで、一人一人の素が垣間見えるものだと思っています。
「密着」は家族写真の中でとても大事ないつもと違うポイントです。
自然と、密着は必ずイコールでは繋がりません。
何故ならいつも適度な距離を保って生活をしてる中で常に全員がくっついていることはそうそう無いからです。
でも密着すること、が自然を表現することにつながるのは何故か?
いつもと違う距離感が恥ずかしくもあり嬉しくもあり、
信頼感のある家族の関係性でこそ成り立つ距離感であるから、自然な姿、とイコールで結びつくと考えます。
もちろん技術的、イメージ的なもので隙間がない方が良いとされていたり、
写真としての構図やバランスの兼ね合いもありますが、
その一瞬の、ご家族の表情を、ご家族全員に見てもらいたい、と強く思うのです。
それは、その瞬間見たときもきっとパパ、ママ、子供達、どの視点から見ても見え方は違うかもしれませんが、
何年か立って見返したときも、きっと感じ方も違うでしょうし、
何か大切なことに気がつくきっかけになるかもしれませんし、
家族と例えば距離ができてしまっても、その時代に立ち戻ることもできるかもしれませんし、
例えば、もしも、、、、
そんな話ばかりになってしまいますが、客観的に家族の中にいる自分や、自分を取り囲む家族の姿を目にすることは、写真などでしか確認することができないのではと思います。
だからこそ、より美しく、より良い瞬間を、より全員が楽しく過ごしてもらえるよう、
撮影や写真に対し私たちは使命感を持って集中していかなくてはいけないし、
やっぱりその写真を見て喜んでもらえることが、何より私たちの仕事の醍醐味だと思うのです。
私、家族の中でこんな表情しているんだ。
私を囲む家族は、こんな表情をしているんだ。
それが、ご家族一人一人の大切な宝物になったらいいなと思うのです。
以前撮影したお客様とお話ししていたときには、
「いつも怒りすぎてしまって、反省することも多いですが、家族写真を飾ってそれを目にするとすごく冷静になれるんです。」
と笑いながら話してくださったママさんがいました。
家族、という関係においても、いろんなことがあります。
それはどの家庭においても、どんなん状況でも、きっと私たちにはわからないことが毎日多く目まぐるしく起きています。
嬉しいことも、悲しいことも、疲れてしまうことも、ときにはあるかもしれません。
それでもいつも、隣には大切な家族がいて。
改めて何か気づくきっかけになったり、考えるきっかけになったり、元気の源になったり、気合いを入れるきっかけになったり。
一人一人の力になるような、そんな写真になったらいいなと思うんです。
そのためにはご家族に楽しんでもらい、その瞬間の一枚を残したい。
そしてその家族写真を見返したり、飾ったりしてもらえたら嬉しいと思うのです。
パパとお兄ちゃん、同じ顔で笑ってるな、とか。
お兄ちゃんが好きすぎて横目で追ってるなとか。
優しいママの表情とか。
今、はこの時しかないからこそ、大切に残したい、そう思います。
家族全員の共通の楽しい思い出になるように。
共通で、見返したい家族写真となるように。
撮影はご家族と関われる短い時間ですが、
たくさん交流し、そのご家族を見て、撮影の流れを決め、
最後はギュ〜っと密着してもらい思わず自然に笑みがこぼれたり、戸惑ったり、、、
素の表情が出ちゃうような流れを自分の中で意識的に作っています。
写真のご家族も以前お会いしたときよりも随分大きくなった二人を見ながら、
くっついたりはどうかな?嫌がるかな?と観察していましたが、
とにかくご家族皆様仲良しで、この一枚で最後を締めくくる、と決め、撮影していました。
私はこの一枚の、それぞれの個性を表していて、そしてご家族の一丸となった雰囲気が大好きです。
客観的に、自分と家族を見ることのできる家族写真。
より美しく、より楽しい思い出が蘇る共通の一枚になるように。
これからも大切に、大切に、カメラを持ち続ける限り。
シャッターをきって行きたいと思います。
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