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名古屋西店
ライフスタジオの写真 2019分析 自然に対する自分の定義
投稿日:2019/11/29
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Photo by Kaori Kobayashi
Cordi by Reiri Kuroki
In Yokohama Aoba
「自然な姿を撮ってほしいです」
「自然な写真が良いなと思って、ライフスタジオさんを選びました」
日々撮影をするご家族にライフスタジオの写真の印象を聞いたり、
ご要望を伺ったりする中でよく耳にする「自然」というワード。
ライフスタジオでは自然というキーワードに対して、
今まで様々なカメラマンが色々定義をしてきたと思います。
写真は、カメラを持ってシャッターをきれば、写真が残ります。
目の前にその人がいればその人が写るし、
自然と遊んでいる所をシャッターをきれば、それは自然な写真であることに間違いはないのですが。
私たちがご要望として頂いたり、ライフスタジオの写真って自然な写真、と言われている部分はそこではないと思っていて。
どうしたって、非日常のスタジオの空間と私たち撮影者がいる空間で、
不自然な要素を取り除くことは難しいのです。
だからこそ、その家族の為の自然な空間を私たちが作り出すことが求められていきます。
相手を見て、寄り添って。
一番最適な撮影の条件を探し出し、作りだし。
その人にとっての最高の空間や条件のもと、
自分達が相手と寄り添う中で、
この瞬間、このときに、この条件で、シャッターをきる、という予測が必要で。
それが求められる技術の一つであるとも思います。
それが出来て初めてその人の為の、自然というものを美しく残すことができるのだと思います。
数か月前、この素敵なFamilyに出会いました。
ご希望は、あまりカメラ目線とかはいらなくて、自然な形を切り取って欲しいんです、というものでした。
ポージングの指示などはあまりいらない、家族が触れ合っている自然な瞬間を切り取ってほしい。
私はどのように撮影を進めていくのかを考えました。
どうしても、表情が見えなくなってしまうのを防ぐために随所で顔や体の向きなど声掛けをするなど以外は、
写真撮影の為の声掛けはあまりせず、
かぞくひとりひとりの触れ合いを促す声掛けと、
その様子を見ながらその家族の姿をとらえていきました。
たまに目線をもらったりもしつつ、
なるべく子どもたちにも写真撮影なのだという身構えてしまう気持ちがうまれないように、
パパと取っ組み合いをしてもらったり、
家族の誰かが違う場所に行ってしまっても、いる人だけで2ショット、3ショットを撮ったり、
またそこに別の子が合流してくれたり・・・
私たちも空気になるのではなく、参加するような気持ちで声掛けをしながら、
その空間に私たちがいることが違和感にならないように、少しずつ混ざっていきました。
非日常なスタジオでの撮影をいかに目の前のファミリーの為の空間にするのか。
それが毎日の私たちの課題です。
この日、目の前のご家族を担当することになった私達がどのように撮影をすすめていくのかで、
残る写真は勿論、撮影に対して残る思い出もどのように残るのかが決まっていくのです。
色々な組み合わせで家族撮影を進めていく中で、
中心にして撮りたいなあと思ったのは末っ子ちゃん。
ママの腕に抱かれ、元気いっぱい走り回る兄や姉を、おだやかに見詰める末っ子ちゃん。
そこにお姉ちゃんに来てもらい妹をあやしてもらい、
次に兄に来てもらい、
パパに来てもらい。
最後はみんなでぎゅっとしてもらいました。
私はその流れを促しただけに過ぎず、
みんながどんな表情になるかはわからなかったけれど、
あまり指示っぽくなり過ぎないように、
とにかくこの流れの中ではこどもたちにカメラを意識しないで、
ただただ家族の触れ合いを楽しんでもらって、嬉しい、楽しい、妹大好き!な表情になったらいいな、と思いました。
そうした中で生まれたこの瞬間。
真ん中にいてほしかった末っ子ちゃんをこれでもか!という感じでみんなでぎゅーっと寄り添ってもらいました。
自然な形というものはそれぞれの形があり、同じようには定義できないものがその人の自然であると思います。
私たちが見ている家族の姿、子どもたちの姿も、
私たちの目で見て観察したうえでここかな??と探って探って瞬間を見つけ出しているので、
それが本当の自然な姿ではないかもしれません。
それでも、その形を大切に思う気持ちは常に忘れないように。考え続けることを忘れないように。
どんな時でも、目の前の人にとってずっとずっと残る写真であるということを考えて、
その日の撮影の思い出も、空間も、写真も、残していきたいと思います。
正解はなくても、きっとそう思い続けて真っ直ぐ向き合い続ける中で生まれる写真だからこそ、
ライフスタジオの写真は、自然で素敵な写真、と言っていただけることが出来るのではないかと思います。
それを可能にしていくために、技術も表現もどんどん高めていかなくてはいけないし、終わりはありません。
家族が触れ合っている瞬間。
それは自分で自分がどんな表情をしているのか見えないからこそ、パパママもみんな総出で家族に向き合ってもらって、じゃれ合って、
それを第三者である私たちがシャッターをきることで、
確認ができるような、そんな、家族のだれにとっても大切な一枚になるように。
大切に残していきたいと思います。
自然って何だろう?
何度も、いつでも振りかえります。
私の語彙の無い表現でsimpleに表現するとすれば。
いつだって、何度だって、時が経っても、家族のだれが見ても。
これが私たち家族だ、と思えて。
見たら笑顔になってしまう。温かい気持ちになる。
そんな写真が、その家族の「自然」で素敵で、大切な一枚になるのだと思います。
そういった写真をこれからも丁寧に残していけるように。
これからも、考え続け、進み続けていきます。
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