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名古屋西店
ライフスタジオの写真 2019分析 何度も意味に立ち戻る
投稿日:2019/7/30
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Photo by Kaori Kobayashi
Cordi by Masaaki Ara
In Sshinyokohama
写真は、記憶を辿ることができるもの。
覚えていなくても、その一枚で思い出が蘇ることもあれば、
何かを知ることができたり、何かを感じたり。
写真で残るものは、記録だけではないのだと、
この仕事をするようになって強く感じています。
ライフスタジオという場所に足を踏み入れて、
いまだに何度も思うことは、写真を残すことの意味、重み。
今しかないこの瞬間を、相手の美しさを、
わたしがシャッターを切って残していく。
それが記録になって、いつか記憶を辿るものになるのであれば、鮮明に、そして美しく残したい。
そして今だけの姿を、空気を、しっかりと残したい、と思うのです。
シャッターを切れば写真は残りますが、
その残したいものをどのように写し出して表現するのかは自分次第で、
それには必ず技術と、イメージや表現力が必要になります。
何年経ったって技術はまだまだ求めていかなくてはいけなくて。
それが何のためなのかを、ずっとずっと考え続けていかなくてはいけないのです。
それが人を撮るということで、人のいまを残すということで、
写真を残す意味で。
記録以上のものになる可能性を秘めている写真一枚一枚に重みを感じる日々です。
表情も、その仕草も、相手に対する行動も空間丸ごとが今しかないもので、
それが伝わるものこそが、写真として、残すべき表現がされているもの、と考えます。
意図的に後ろを向いてもらうことがあります。
後ろを向いてもらうということは、カメラに意識が向きづらくなり、
そのうえで、空気が、緊張が、崩れた瞬間を狙いたい、と思っています。
となりに家族がいれば、その人の存在が強く意識され、二人だけの空間になります。
顔を見合わせて、笑うのか、顔を寄せるのか、
逃げるのか、頭をくつけるのか、それともバランスを崩すのか。
カメラを意識せず、互いを意識してもらうことで、
力が抜け、仕草が生まれ、二人だけの空間を生むことができると思います。
もちろんそのための声掛けもするのですが、
特別なことはせずに、互いの顔をのぞいてもらうだけで、いいのです。
それ以外の要素として何をどこまで写していくのか、
条件を整えて、その瞬間を狙います。
彼らはとても仲良しな兄弟でした。
とても人懐っこく真面目なふたりだったので常に私たちを意識してくれていました。
窓際に乗ってもらって、自然と窓側を向き、ふたりだけの空間に。
勿論私たちの声は届いていて意識はしていたと思いますが、
視覚的に日常いつも隣にいる人だけが見える空気感になった瞬間が、
ふと肩の力が抜け“いつものふたり”になったように見えたのです。
相手の魅力や個性を見つけて、それぞれの関係を見つけて、
それを写し残せるように。
それがいつか振り返ったときに、
こんな日もあったと、幼少期の頃や家族の思い出が蘇ったり、
記憶として思い出せなくても、
こんな自分がいて、家族がいて、こんな時間があったのかと感じ取れるような、
そんな記憶をたどる一枚を、感情を呼び起こす一枚を残せるよう、
まだまだ技術も表現力も高めていきたいと思います。
写真を撮る意味を振り返るたびに、そんな気持ちでいっぱいになります。
この場所でできること。
写真だけじゃなくて、
一つ一つ、丁寧に、大事にしていけるような自分でありたいと思います。
誰かの心に残る時間を、見返したときに感情が沸き起こるような写真を。
それは、目の前の相手のためでもあり、自分のためでもあります。
自分がやっていることが、意味を持って誰かの元に残るようなものであってほしい。
何度でも振り返り、立ち戻り、
何度でも決意して、また進みます。
まだまだ、
そのためにもやらなければいけないことが多くあります。
前を向き、頑張ります。
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